トーマはぴば! 1


「トーマ!」
「やあ二人とも。…あれ、ナナシちゃん!?」
「ナナシもトーマに挨拶しろよぅ」
「……ちゃんと来たもん」
「そうじゃないだろ」

「驚いたなあ♡ わざわざモンドから来てくれたのかい♡」
「……招待状来たもん」
「招待状?」
「えっと、あれだ、サプライズってやつだぞ!」
「そうそう。サプライズだよ」



『誕生日パーティーの招待状?』
『そのためにわざわざオイラたちを呼んだのか?』
『ええ。ナナシさんに手渡してください』
『それは構わないけど…』
『普通に送ればいいじゃないか!トーマの誕生日はまだ先だぞ』
『それでは意味がありません』
『どうしてさ?』
『彼女は受け取っても来ないでしょうから』
『(確かに…)』

『でもなあ。ナナシは遠出するの大変なんだぞ、体力無いし妖魔にまで襲われたりするし』
『だからあなた方をお呼びしたのですよ』
『どうかお願いします。頼めるのはお二人しかいなくて』
『綾華の頼みなら聞いてやりたいけど、オイラたちにも都合ってもんが』
『報酬は弾みますよ』
『オイラたちにどーんと任せておけ!な、空!』
『(やっぱりこうなるのか…)』



「サプライズか♡ すごく嬉しいよ♡」
「………」
「(温度差!)ナナシ、トーマにプレゼントをあげようか」
「うん。トーマ、これあげる。お誕生日おめでとう」

「これは…花冠?風立ちの地の風車アスター…崖に咲くセシリアの花…爽やかな香りだ。子供時代の…モンドの花屋さんを思い出すよ…。…ハハ、オレ一人で喋り過ぎて恥ずかしいな」
「トーマ、それすき?」
「もちろん!花冠ありがとう!流石だね。ナナシちゃんが作ってくれたのかい?♡」
「空とパイモンが作ったよ」
「ナナシ…そこは自分が作ったって言おうね…」
「で、でも、アスターはナナシが集めたんだ!」
「オレのために一生懸命ありがとうナナシちゃん♡」
「うん」

「じゃあ、ナナシ帰「お礼にモンド料理を作ろうか♡ 二人も、リクエストがあれば遠慮するなよ!」
「本当か!?オイラは…う〜〜どれにするか迷うぞ!」
「………」
「ナナシ、ほらご馳走になろうよ」
「うん……」



「ナナシちゃん♡ オレの膝においで♡」
「ナナシ、こっちでいい」
「太郎丸もいるよ」
「ワフッ」
「太郎丸!ナナシ、太郎丸のおひざ!」
「太郎丸の膝は狭いからオレの膝に座ろうね♡」
「うん!」

「トーマ、俺たちも料理作ったんだ」
「本当かい?ありがとう!」
「太郎丸すき。ふも、ふも」
「ワゥ〜」
「この市井おでん、すごく美味しいよ!」
「太郎丸、どうしてこんなにふもふも?」
「ワウー」

「ナナシちゃんも食べてごらん♡ 美味しいよ♡」
「ナナシ、熱いの食べられない」
「俺が冷ましてあげるから♡ どれがいい?♡」
「たまご。つるつるで取れないよ」
「♡♡ うん、オレが代わりに取ってあげるね♡♡」

「太郎丸、どれにする?」
「ゥ〜…ワンッ!」
「わかんない」
「アハハ、大根だってさ。ほら太郎丸の分」
「ワン♪」

「太郎丸、おいしい?」
「ワフゥ」
「わかんない」
「アハハ♡ ほらナナシちゃんも、お口開けて♡」
「ぁむ…むぐ…」
「…♡ 美味しいだろう?♡」
「うん。もっと」
「♡♡ 好きなだけ食べさせてあげるよ♡♡♡」

「トーマってほんっとーに世話焼きだな」
「(世話焼きというか…)まあ、そうだね」
「でも喜んでもらえてよかったぞ!あとはナナシを送り届ければ騎士団からも…ウヘヘ」
「(大変なのはここからなんだよなあ……)」