トーマはぴば! 2


「まだいいだろう?」
「でも……」
「すぐ帰るなんてあんまりじゃないか。せめて誕生日の今日だけでも」
「でも…ナナシ、お家に帰るもん……」
「(やっぱりこうなった…)」

「空、君だってすぐモンドへ出発するのは大変だろう?しばらくゆっくりしていけば」
「まあ、朝に着いたばっかりだしな〜」
「それとも、すぐに帰るよう言われているのかい?」
「それは……」



『わざわざ招待してくださっているんだもの。行ってらっしゃい、ナナシ』
『でも……稲妻、遠いもん……』
『リサの言う通りだ。それに、見聞を広めるためには遠出も必要だと思うよ』
『うう……ジンさんまで……』
『かわいい子には、と昔から言うでしょう。栄誉騎士が同行しているのなら心配いらないわ』
『うう〜……』

『ナナシ、せっかくだから遊んで来るといい。帰りはちゃんと璃月まで迎えに行くさ』
『ガイア先輩……ぅぅ……。……うん……』
『(なあ…オイラ罪悪感が…)』
『(そりゃあね……)』

『ナナシ…準備、してくる…』
『お、おう』
『ゆっくりでいいよ』
『うん……』

『空、パイモン。頼みがあるんだが』
『何だ?』
『あいつのことだから、帰りに引き留められたらそのままずるずる滞在するだろう』
『だろうね』

『ただ滞在するのは二、三日にしてくれ。というよりもそれが限界だな』
『どういうこと?』
『ホームシックってやつさ。眠れなくなるんだ』
『え!?いいのかよ、そんなナナシを一人で旅に出しちゃって!』
『ガイアは心配じゃないの?』
『なあに、お前さんたちがいるなら多少は大丈夫だろう。たまにはこういう刺激も必要だ』
『ええ……』
『(不安だ……)』
『よろしく頼むぜ』



「えーっと…今日泊まるくらいなら大丈夫だと思うよ」
「でも長居はしないからな!?絶対、絶対、遅くても明後日には帰るぞ!!」
「う、うん」
「どうしてパイモンがそんなに焦るんだい?…まあいいか。ナナシちゃん、郊外へ連れていってあげるよ♡ 動物と触れ合おう♡」
「!!!行く!」
「(本人は危機感ないんだもんなあ…)」
「(やっぱりナナシの付き添いは大変だぞ…)」