生徒R.A.Bの目撃談 - 春風
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あれ…?スラグホーン先生が、三人…?

そう思った次の瞬間には、僕の視界は体ごと大きくぐらりと傾いていて、気が付くと僕は教室の冷たい床に横たわっていた。どうやら体調不良による熱により一瞬気を失って倒れ込んでしまったらしいと気が付くのには、周囲の生徒のざわつきようなどの状況を察するに、そう大した時間は掛からなかった。


「嗚呼!レギュラス、嗚呼全く何て熱だ!医務室に行って来なさい!さぁ早く!」


スラグホーン先生にそう促されて、渋々医務室へと重たい足を運んだ。先生は無理矢理にでも誰か生徒を付き添わせようとしたが、それに対して僕は丁重にお断りをした。
大体、風邪くらいで大袈裟なんだ。けれど、頭が重たくグワングワンと鳴っていて、今までに経験したことのないような眩暈がしているのは紛れもない事実である。このまま寮に戻って休もうかとも考えたが、僕は素直に医務室へ向かうことにしたのだった。


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熱が上がって来てしまったのか、足元が覚束ないままようやく辿り着いた医務室の扉を開けようと、取手に手を掛けた。しかしである。


「Ms.##NAME2##、非常に言いにくいのですが……妊娠、していますわ」
「そ、そんな………」

中から聞こえたマダムの重たい声が誰かに向かってそう告げられ、続いて女子生徒のか細く絶望的な声がした。


………待て。………え、何だって?


ガタンッ

「嗚呼、Ms.##NAME2##!しっかりなさい!」
「!」


すると、医務室の中から、大きな物音の後にマダムの焦った声がした。反射的に扉を開けて中に入ろうとしたが、ハッとしてすんでの所で思い留まる。
もし僕が今ここで医務室に入ってしまえば、その話を立ち聞きをしていたということが分かってしまう。そんな面倒なことに巻き込まれるのは、ブラック家の看板に泥を塗る可能性があるという面を考慮すると…やっぱり遠慮しておきたい。


「………」

僕の耳に残っていて離れようとしないのは、マダムが告げた妊娠しているという事実と、その人物だ。

彼女の名前を、僕は知っていた。彼女は、##NAME1##・##NAME2##先輩だ。
紛れもない、グリフィンドールに所属している僕の兄さんの恋人である…らしい。

らしい、と言うのは、僕は実際にはその名前を耳にしたことがあるだけで、顔を見たことがないからである。彼女が余程の尻の軽い女性でない限り、彼女を妊娠させた男は兄さんのことであるのだろう。これは、ブラック家としてはかなりの大問題である。
──嗚呼、あの兄さんがとうとう馬鹿をやらかした。これから身近に起こるであろう混乱をそこはかとなく察知した僕は、人知れず小さく溜め息を吐いたのだった。

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春風