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下っ端くんの転生が早すぎる

2025/05/11

下っ端くんを書いた時期に考えて没にした転生ネタを供養がてら載せます。
クセの強い両親はDB義兄とバーダックイメージで考えてました。

ついさっき死んだと思ったのにもうおぎゃあと泣いていた。
哺乳瓶を持ってきた大人に抱っこされて吸ったミルクはおいしかったです。すぐ泣き止んだよね。
火傷した体も撃たれた腹もめちゃくちゃ痛かったのに、だんだん眠くなって何も感じなくなっていくもんだから最後の力を振り絞って神田さんに妹のこと託したんだけど、あれからどうなっただろう。あの人のことだからちゃんと約束は果たしてくれたはずだし、妹は体が弱い分メンタルは強い子だから心配はしてないんだけど、気になるもんは気になる。この体じゃ病院にも行けないしどうにもならんのだけど。
それでも自分が死んでからどれくらい経ったのかは知りたくて、ベビーベッドの中で寝返りも打てない不自由な体をもだもだと動かして壁にかかっているカレンダーを見れば俺が死んだ日からだいたい半年経ったくらいだった。いや、生まれ変わるの早いよ。

十数年生きてきた記憶があるのに母とはいえ誰かの乳首に吸い付くのはちょっと…プレイの一環で吸われたことはあるけど…気まずいなあ、なんて思っていたら2人とも男だったので授乳は哺乳瓶でした。
今世の俺は養子らしい。
名前も同じなのは運命なのか神様とかが何か仕組んでいるのか。子育て初心者と赤ん坊初心者、お互いはじめての事ばかりで苦労もあったけど3人仲良く暮らしています。
前世では父親が死んでから家庭が崩壊したのでまた同じ展開になりやしないかとハラハラしたけど、今の両親は生命力が強くてそんな心配はいらなかった。
ぽやぽやして周りに花が舞ってそうなおっとり系の父と2人で家にいた時、押し入り強盗が来て人生終わるかと思ったら普段の様子が嘘みたいな機動力であっという間に強盗を締め上げた時は惚れるかと思ったし、涼やかで切れ長な目元と頬に傷があるクール系の父はお散歩中に見かけたひったくり犯をすれ違い際にひっくり返してたのもかっこよかった。
こりゃ死神の方がケツまくって逃げ出すやつだわ。
この2人がどうしてくっついたのかは遊びに来た2人の共通の友人が絵本代わりに話してくれた。元既婚者で妻を病気で失くして傷心だったおっとり父を、学生時代からの友人で実はずっと父の事を想い続けていたらしいもうクール父が支えてなんやかんやの末にゴールインしたらしい。ドラマみたいな恋愛ってほんとにあるんだなあ。
そんなこんなで、犯罪都市などと不名誉なレッテルを貼られた東都で強く優しい両親のもとですくすく大きくなって6年、この度ぴかぴかの1年生になりました。

流石に小学生で習う漢字や計算はわかるので授業が退屈で仕方ない。ノートの隅に落書きをしては早く終わんないかなと窓の外を眺める日々。友達はいてもいなくてもいいや、と思ってぼんやりしていたらクラスでグループができる頃にはぽつんと浮いてしまっていた。たまに男の子2人と女の子1人の3人組が声をかけてくれるので班行動などの時には混ぜてもらっている。
3人のうち、円谷くんと小島くんは吉田さんに好意を持っているらしい。少しでも頼られたくて一生懸命な様子は微笑ましくてかわいいので少し離れたところから和ませてもらっている。気分は親戚のおじさん。そんなオレたちの中に最近ニューフェイスが加わった。

「江戸川コナン、です。よ、よろしく…」

ぎこちない笑顔を浮かべた男の子が転校してきた。



この後安室さんと知り合い風見さんと出会ってうっかり「神田さん」と漏らしたことでなんやかんやある流れだった気がする。
その名前は公安の限られた人間とあの子しか知らないはずなのに、みたいな。

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