sss
SSに置く程じゃない短めの話

▼2023/04/21:瑠璃色慕情

‪‬そういえば、セレナさんは何処の時間軸から来たのだろうかと‪──‬ホーリーは純粋な疑問を抱いていた。
オラクルではアローンがタイムスリップして来たのだから自分が知らないW時間Wの彼女の可能性が、ある。
それを考えると安易にあの大陸の事や会話など出来る筈が無く、どうしたものかと口には出さないものの‪──‬数日前からそんな悩みを、抱えて過ごしているのだ。
彼女の事だから記憶が無くても合わせてくれるとは思うが自分の前でだけでも嘘偽りを吐き出さなくてもいい、そういう態度はもうしなくていい事を分かってもらえたら。
不用意に壁を作らなかったり、新地への調査へ名乗り出さない辺り確信を得てはいるのだが‪──‬あと一押し、何か欲しい。
しかし直接話題に出す訳にもいかないのであり、どうしたものかと身嗜みを整える為の鏡の前で首を傾げると、白いリボンと共に飾られているWそれWの存在を思い出した。
 
 
「(‪コレでカマ、かけてみましょうかねぇ)」
 
 

 
 
「セレナさん、ちょっと聞きたい事が」
 
 
後日、皆が数グループに分かれてエアリオへ食材や素材を探しに行ってる中──‬セレナとホーリーの非常時組だけとなっていた、今や見慣れたその車内でホーリーが口を開いた。
愛用するクリエシオンの手入れをしていた目の前の彼女が『どうしました?』と顔を上げてくれたから、ホーリーは自らの後頭部へ手を伸ばす。
そう、WコレWを使うのがきっと、一番分かりやすい。
 
 
「これ、知ってます?」
 
 
そう言って、ホーリーはリボンと共に結び着けている‪──‬‬‬白百合の飾りを目の前の人物へ見せた。
そう、これはハルファへ来る前の……あの大陸で‪セレナから誕生日プレゼントにと渡された物。
付けっぱなしで来ていた事に気付き、コレを使ってカマをかけてみればすぐに分かるとあの時気付いたのだ。
……そして、それを渡した当の本人はと言うと‪──‬。
 
 
「うん…?………ん、んんんん!?!!?」
 
 
掛けていたグラスを外して飾りを凝視した後、大きな音を立てて盛大に椅子から転げ落ちた。
それも真っ赤な顔で。
そして、その反応と叫び声にホーリーは満面の笑みを浮かべたのは数分後の話。
 
 
 
瑠璃色慕情
(な、な、なんで持って来てんだよそれ!!!)
 
「なんでと言われても、付けてたんですよぅ」
「付けっ…そういえば渡した次の日から外してる方を見るのが稀でしたねぇ…ああもう、まさかカマかけられるなんて誰が気付くと…」
「ある程度確証は持ててましたが、コレを見せる方が分かりやすいと気付いたので」
「………否定出来ないのが悔しいんですけど」
 


←前へ | 次へ→