01.ここどこ!
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地面の冷たさで目が覚めた。
ぼんやりとした頭で掛け布団を探そうとするが、手の届く範囲にはなさそうだ。少し寒い。低血圧で痛むこめかみを抑えながら起き上がり、状況を確認する。

外だ。と気が付いてから慌てて辺りを見回すが、周りには木しか見当たらなかった。森だ。私は森で寝ていたんだ。

 ここはどこ。

夢遊病ではないことは確かなので少し不安になる。僅かな恐怖が私を包み込んでいた。

「悩んでてもしょうがないよね」

冷静になろう。焦る心を前向きな言葉で落ち着かせる。こういう意味不明な状況でパニックになるのは絶対に良くない。
そう深呼吸をしてやっと気が付いたが、私が倒れていたすぐ横に鞄が置いてあった。鞄に付けてあるNARUTOの暁のキーホルダーを見るに、間違いなく私のものだった。中には携帯電話、昼食用にいつも買うおにぎりとお菓子、お茶、そしてNARUTO単行本が数冊。
NARUTOはともかく、飲食物が入っているのは相当ラッキーだな。
鞄を背負い、私はおずおずと歩き出した。


 にしても、本当にここはどこなんだ。
登校中に買った昼食用の食べ物が入っているということは、私は昼休みになるまでにここに来たってことだ。

「もしかして、トリップとかしちゃってたりして?」

そんなわけ、と笑みをこぼす。流石にそれはない。まぁ、トリップしたいなぁとかは願ったことはあるよ。けど私はちゃんと現実と妄想の区別は付いている。付いている上で、「トリップしたい」とか願ったのだ。
それは何故か。答えは簡単。

 現実逃避がしたかっただけ。
そうしたら、いつものつまらない現実の世界で生きていけるんだ。
一瞬でもいいから、現実の圧力から逃げる。そうすると、安心できる。生きていける。


 ……って、何をしんみり語ってんだ私は!
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