09.せんぱい!
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別に空気が重くなったわけではなかったようなので、気を取り直して、トビに向き直る。

『初めましてトビ先輩!!!!』

「名前サン、よろしくね〜☆」

他2名の熱い愛の挨拶とは打って変わり、言葉少なにガシッ……と、(恋愛的要素は残念ながら皆無だったが)トビ先輩の手を強く握り、ぶつかり合う視線に愛を込め熱い握手を交わした。
 フレンチクルーラーの穴からのぞく紅い瞳に屈せず、逆に先輩が「ついにボクにも後輩が出来ちゃいました〜ッ!☆」と興奮していることを悟った……。

「「「(コイツら、通じ合っている……ッ!!?)」」」

しゃーない。トビ先輩なんだもの。

 私はその中にいる人物が誰で、何を企んでて、いつ実行するかまで知っているけれど、このばかつきギャグハー心トキメキるんるん名前さんにシリアスなんて必要アリマ〜スカ??

シリアス?え?なにそれ?シリアル? オイシイネ☆
みたいになってしまう私には断じて必要無いね。うん。
 それよりトビ先輩、地味に攻略難度高そう……恋愛対象にみてもらえますかね〜?不安ッ!

 もうちょい意識しろやこのヤローと思い目の前のトビ先輩に直角お辞儀(物理攻撃)をかましてしまい、足元にうずくまるトビ先輩には心から謝罪した。

 さぁさぁ、次は我らが兄様、イタチさん方面へとタックルしていきましょう。

『イ・タ・チ・さぁぁん!!』

スカッ……

oh……。
 私には確かに聞こえましたよ、ええ……。まるでそこには元から居なかったかのようなスカッとジ〇パン並の華麗なる回避と足さばきの効果音が……。
流石一流の忍、主人公より忍んでるぜ……ハハッ。

『この世に降り立ち、(恐怖の)初の出会い(と恐怖のイタチジェットコースター)を果たした麗しきホウレイ線のイタチさん……ホウレイ線あってもイケメンのイタチさん大好きです愛してますしかし貴方の弟loveには到底叶いませぬところで兄さんって呼んでいいです?』

「……ああ、構わない。団子はいるか?」

アウチッ!! 兄さん唐突ゥ!! 団子嬉しいけど話に脈絡ないですぜどうした秀才!!?
息継ぎもしないままに勢いで最後まで言い遂げると、間を置いて許可を貰い団子を貰った。うまい。

 確かに出会い頭に私にクナイ向けてた方ですよね? どこから出してきたんですか? というか地味に怖かったんですよ? もういいですけどー!!

「あの時の詫びだ。受け取ってくれ」

ああ、なるほどです。もう受け取った上に食べてますけどね。手遅れっす。
なにこのイケメン
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