エンドK
選択……彼の望みのままに/出口へ走る
→彼の望みのままに
彼の浅瀬色をした瞳から、ぽたぽたと真珠よりもずっと綺麗な涕涙が零れ落ちる。迷子の子供の様な顔をするなかむさんの頬に手を当て頷くと、私がこの場にいる事を確認するように抱き締められた。彼の方が背が高い筈なのに、今はとても小さく見える。背に手を回すと、ありがとう、と震えた声で囁かれた。
「あぁ!なかむ抜け駆けしてる!零魔ちゃん僕のとこにもおいで!」
「何、丸く収まった感じ?いいじゃん」
「やっと俺らの気持ちが通じたんだね。ここまで長かったぁ」
「やっぱ零魔には此処が似合うな…逃げようとか思うなよ」
「これからずっと一緒に居てくれるってことでしょ。いやぁ、マジで報わて嬉しいわ」
見計らった様に登場した彼らに、思わず笑みが溢れる。可愛いぃ、なんてなかむさんにまた抱き締められた。深海に降り注ぐ仄暗い水光に満たされたこのホールには似つかわしくない、どこまでも無邪気で透き通った明るさを持った声が飛び交う。
「零魔」
絶対逃してあげない。絶対目醒めさせてあげない。俺らから離れられるなんて絶対思わないでね。
「ようこそ、海底水槽園へ」
エンドK 海底水槽園のつくりかた