「ルフィ!!」
砲弾で撃たれ飛び出た橋の鉄骨にウソップは立ち、ルフィへ声をかける。
しかしそれは隙を作ることにも繋がり海兵がウソップの背後に斬りかかろうとするがその海兵をゾロが斬り倒す。
「おい!!何ボーッとしてんだ!!そげ…」
ゾロが振り返るとそげキングの仮面を取り、ウソップは素顔をさらけ出す。
「ルフィーーーーーーーっ!!!!」
ウソップの声に戦っていたアスカも気付き振り返る。
「ルフィ!!お前何やってんだよ!!起きろー!!!ルフィーーーーー!!!!」
「ウソップ…」
ウソップは倒れているルフィに必死に声をかけ、ルフィは体から煙を出しながらゆっくりと顔を動かしウソップを見る。
「ウソップ…!?お前…来てたのか…!!?」
「か…!勘違いするんじゃねェぞ!!!おれはロビンを助ける為に来たんだ!!!お前の顔なんか見に来たわけじゃねェ!!!!」
「………ったく!!」
ゾロは素直になりきれないウソップの背後を守りアスカはジッとウソップの後ろを見つめる。
隙を突いて海兵が襲うがラビット達とシュラハテンに返り討ちにされていた。
「おいコラ!CP9のボスネコ!!さァ!おれ様が相手してやる!!かかって来い!!!」
ルッチはウソップの言葉にギロリと睨み望み通りにとウソップへ歩み寄ろうとする。
「え!!?おい…やめろ!!やめろよ!……お前!!………ハァ…あいつに手ェ出すな……!!!!」
「すでに敗北した貴様に用はない…どの道全員殺すんだ」
倒れているルフィの声など聞く耳もたず、ルッチはウソップへ目をやる。
「よォし来い!ボスネコ!!吹き飛ばしてやる!!!」
「バカか!!!やめろウソップ!殺されるぞ!!!」
「だまれ!!じゃあ死にぞこないのお前に何ができるってのか!!?」
「こいつはおれがブッ飛ばすんだ!!」
「だったらすぐに立てよ!!!だったら!!死にそうな顔してんじゃねェよ!!お前らしくねェじゃねェか!!爆煙で暗くたって空も見える!海も見える…!!ここが地獄じゃあるめぇし!!お前が死にそうな顔すんなよ!!!心配させんじゃねぇよチキショー!!!!」
ウソップの言葉にルフィは力を振り絞り立ち上がる。
「…わかってる……ここは地獄でも何でもねェ…!!」
「勝って!みんなで一緒に帰るぞ!ルフィ!!!!」
「当たり前だ!!!」
ルフィは再びルッチの目に立ちはだかり睨みつける。
「……まだ動けたのか…」
「まいったなんて…言ってねェ!!」
立ち上がるルフィにルッチはパワーで倒そうと体を変化させ、襲い掛かかった。
「まったく、無茶して!」
「アスカ…!」
黒板に爪を立て嫌な音で攻撃するウソップの背後を襲うとした海兵をアスカが蹴り飛ばし、ウソップの背後に立つ。
「まぁ、でも…ルフィがやる気出したし…ルフィに代わって御礼を言わせて頂戴。…ありがとう。」
「お…!おう!!」
アスカも正直あのルフィを見てダメなのかと諦めかけていた。
再びあの男の手の中に納まるか、そのまま殺されるかと覚悟していた時、ウソップが励ましてくれた御蔭でルフィはまた戦う力を得た。
アスカじゃただ応援するしかないため、こういうときに同性の仲間が羨ましく思う。
男の友情ってやつか、とアスカは海兵を倒しつつ思っていると、第一支柱からものすごい音が鳴り響く
「!!」
「ルフィ!!」
「ルフィ…!!」
何が起こったか周りも分からずその場は静まり返る。
アスカがうさ耳を立て向こうの様子を聞き、笑みを浮かべる。
その瞬間、ルフィの声が静まり返ったその場に響く。
「一緒に帰るぞォ!ロビーーーーーーーン!!」
その言葉にロビンは涙を流す。
暫くすると海軍の電伝虫から支柱の様子を見ていた海兵から報告が入る。
≪ぜ…!!全艦へ報告!!!『CP9』ロブ・ルッチ氏がたった今…海賊"麦わらのルフィ"に敗れました!!≫
「何だとォ!!?」
その報告に辺りは騒然とする。
「……そんなバカな…!!」
「サイファーポール史上最強といわれる現在の『CP9』の…そのリーダー、ロブ・ルッチ氏までもが海賊に敗れるなんて……!!!」
「ウウゥ…!ル…ルフィが勝ったーー!!」
騒然とする中、ウソップは泣きながら両手をあげ、ルフィの勝利を喜ぶ。
「ヒヤヒヤさせやがって…!!」
「ついにやったか!麦わら!!」
「全員すぐに脱出船へ!船を出すわよ!!」
「やったー!ルフィ〜〜〜〜!!」
それぞれゾロ達もウソップに続き喜び、アスカは笑みを浮かべていた。
≪やったぜ!!麦わらさ〜〜〜〜ん!!!!≫
≪うぉ〜〜〜!!!≫
「!!?」
喜びも後にと船に乗り込もうとしたその時、海兵でもない声が響く。
その声にフランキーは目を丸くするが、それはフランキーだけではなくナミ達も同じだった。
≪バ…バカ!お前ら向こうまで聞こえちまうだろ!!≫
≪いいんだ!知らせてやるんだよ!!≫
「おい!何だ!この声は!!」
「わかりません!電伝虫を通してどこからか…!!」
海兵達は聞こえる声に周りを見渡すが誰もおらず、海兵と麦わら一味しか見えなかった。
≪アニキー!アニキーーー!!≫
≪やめろ!!このまま逃げりゃおれ達は死んだ事になったのに!!≫
「お前ら……!!」
「あいつら」
「え、誰?誰??」
アスカは聞き覚えのない声に首を傾げる。
ゾロ達は知っているようだが聞いても今は答えてくれなかさそうだった。
≪おれ達ァ全員無事ですよーー!!!逃走手段もあるんでこっちは大丈夫!!後で生きて会いましょう!!≫
そこで通信は途絶え、ふとアスカはフランキーに目をやると体を震えさせていた。
「おめ"ーらァ〜〜〜!!!バキヤロ"ー!!おべーらの心配なんざするかーー!!い"〜〜!!生ぎでだあのバカ共〜生ぎでだ!!よがった〜!よがった嬉しいおうおう〜〜!!」
「超喜んでるじゃん」
「あぁ…!!本当に良かった!だがお前が死んじゃ意味ねぇんじゃねぇのか!?」
「う"んう"ん!そうだな"!う"ん!!」
大泣きし、最初は心配してくれても嬉しくないんだからね!とツンデレじみたことを言っていたのにすごい喜んでいるフランキーにアスカは冷静に突っ込む。
すると脱出する為にみんな動くが、ルフィだけは動く様子がなかった。
「第一支柱"麦わらのルフィ"から目を離すな!!!」
≪は…はい…それが……!!海賊麦わらのルフィもまた致命傷の色濃く!!その場から全く動きがありません!!』
海兵の報告はゾロ達にも届き、動かないルフィに焦りを見せ、ウソップが慌ててルフィに声をかける。
「おい!ルフィ!!急いでこっちへ来いよ!!逃げなきゃ助からねェんだ!!!どうしたんだよ!もう一息だ!!!ゴムゴムでこっちへ飛んで来い!!後はおれが担いでやるから!!周りは海と軍艦だらけだ!!ここにいたら殺されちまうぞ!!!!」
「…ハァ……ダメだ……体がよ……ぜんぜん…動かねェ…!!!」
「…バカ言ってんじゃねェよ!!!敵は倒したんじゃねェか!!ロビンとアスカも取り返した!後はもう帰るだけじゃねェか!頼む!頑張れ!!」
うつぶせの状態で全く動く気配を見せないルフィにウソップは必死に立たせようと声を上げる。
しかしどんなにウソップの言葉を聞いて動こうとしてもルフィは指1つ動かすことができなかった。
「ウソップ!!ルフィのいる支柱へ船を回しましょう!!!全員船へ急いで!!!!」
≪撃て!≫
号令を合図に護送船が砲弾により沈んでしまった。
「うそっ!!脱出船が!!!!」
「何てこった!!絶望的だ!!!あの船以外にここからの脱出手段はねェんだぞ!!!」
他に船にはココロ達が居たため唖然としていると、ココロ達を抱えて走るサンジが沈んで行く船の煙の中から現れた。
「ぐおあ!!ゲホ!ゲホ!!何とか無事だァ〜〜〜っ!!!!」
サンジとココロ達の無事にナミは胸を撫で下ろす。
「よかった…!!サンジ君!!あんた一体どこにいたの!!?」
「いや悪ィ!ちょっと野暮用で!しかしまいった!!ドえれェ事になった!!こっち側はロビンちゃんがいるから砲撃はねェと思ったのに船が…!!」
船を見るとすでに黒い煙を立ち込めながら海へ沈んでいく。
唖然とする暇もなく、橋は砲弾によって破壊され、ナミ達は逃げ場を失う。
「くそっ!とうとう橋なんかなくなっちまった!!!支柱に追い込まれた!!」
「これ以上なにもできねェぞーーー!!」
「ここでコレ全部と戦うしか…!!」
「バカいえ!!もっと強ェのゴロゴロ出てくるぞ!!」
包囲され、逃げ場を失ってしまい、焦っていると砲弾が全て第一支柱へと向けられる。
≪第一支柱に一斉砲火用意!!麦わらのルフィを抹殺せよ!!≫
「ルフィ!!!」
「ルフィが危ねェ!!せめてこっちに…」
「ルフィーーーー!!!」
「ダメだわこの距離では引っ張ろうにも途中で海に落としてしまう。」
「私も。あそこに飛ぶための距離が足りなくて私が海に落ちる。」
砲弾で橋を崩されてしまった為の助走に必要な距離が足りなくてルフィを助けにいけない。
ルフィの危機にその場にいる一味だけではなく、フランキー一味もルフィを呼び続ける。
「誰だ!誰なんだよ!!この声一体…」
「!?だからこれはウチの子分どもが!!」
「違う!"そっち"じゃない方だ!!さっきからずっと!!」
ウソップは周りを見渡すが何もない。
その声はナミ・ゾロ・サンジ・チョッパー・アスカ、そしてルフィにも聞こえていた。
「下?下を見ろって…」
「やっぱり聞こえる!!何だ!?下って…」
その誰かわからない声に困惑していると海軍が秒読みを始める。
「海へ飛び込めーーーーー!!!」
すると下を見ていたウソップが涙を流し叫ぶ。
「ロビン!!ルフィを海へ落とせるか!?」
「任せて!!」
「バカ野郎!自滅する気か!!!ヤケになっても助かりゃしねェぞ!!!」
「助かるんだ…!!助けに来てくれたんだ!!!」
「!?」
ゾロはヤケになるウソップを止めようとするがウソップはゾロの肩に掴んだ。
「チョッパー!下見た!?」
「見たァーーーー!!!」
下を見たチョッパーが涙を流し、ロビンが能力でルフィを海へ投げる。
「海へーーーーーっ!!!!」
「海へ!!」
「海へーーー!!」
それに続くように涙を溜めて海へ飛び込む。
―帰ろうみんな!!また冒険の海へ!!!―
そこにはメリー号が居た。
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