「そなたは必ず生きてここへ来ると信じておった!これを……!兄の手錠のカギじゃ……!!」
「え!?」
ハンコックが周りに聞こえないようにと小声で鍵をルフィに差し出す。
「ハンコック〜〜〜〜〜〜!!!」
「!!!!!!」
エースの手錠の鍵を渡してくれたハンコックにルフィは思いっきり抱きしめる。
「おめェって奴は!!ありがとう!!!恩にきるよ!!!!」
「よ…よよ…よいのじゃよいのじゃ!気にせず先を…先を急ぐのじゃルフィ…!!」
「ありがとう!!」
「はぁん……」
想い人の突然の抱擁にハンコックは立っていられずその場に座り込んでしまった。
「え!?」
「まさか!!『海賊女帝』がやられた!?」
「"鯖折り"だ!!"ぶち噛まし"からの"鯖折り"!!」
ハンコックが胸を鳴らしている事など知らず海兵達は驚いていた。
(こんなにも力強く抱き締められるとは…!!これが噂に聞く………!結婚……!!?)
ハンコックに突っ込む者は誰一人居なかった。
「アスカ!行くぞ!!!」
「わかった!」
「ぐ…ッ!!」
たしぎと斬りあっていたアスカにルフィは振り返りながら声をかけ、アスカはシュラハテンを元に戻し、たしぎを蹴り飛ばしてルフィの後を追った。
「行かせねェぞ麦わら!!」
それを見たスモーカーが煙となり十手を構えて追おうとするもハンコックの"パフューム・フェムル"によって防がれたあげくに十手を壊されてしまった。
「不届き者!!控えよ!ここはわらわが通さぬ!!!」
「…………!!」
「見ろ!あの止めどない見下し方!!」
「見下しすぎて!逆に見上げてる!!!」
「海軍の邪魔をしててめェが後でどうなるかわかってんのか!!!」
「……――何をしようともわらわは許される…」
ルフィが好きすぎてアスカの存在が見ていないハンコックは今、誰にも止められない。
漢字「ありがてェな!またあいつの世話になった!!」
「あれ誰?」
エースの手錠の鍵を手にルフィはハンコックに感謝するが下心があるとはルフィは思って居なかった。
そんなルフィにアスカはハンコックと知り合いだという事に首を傾げる。
「ハンコックっていうんだけどアイツも"七武海"なんだってよ!!おれに協力してくれてインペルダウンもあいつのお陰で入れたんだ!」
「七武海?なんで七武海がルフィに協力的なの?」
ルフィはバーソロミュー・くまに飛ばされた先がハンコックが治める島だった事と、それからの事を短縮して話す。
多分アスカだからその話しは分かったのだが、身内以外が聞くと首を更にかしげさらに悩ますだろう。
敵を倒しながら先へ進んでいるとバーソロミュー・くまともう1人の七武海であるドフラミンゴと対峙しているイワンコフが見えた。
「くまが死んだ!?バカ言ってんじゃナッシブル!!目の前に生きてるじゃないか!!!!」
「イワちゃん!ハァ…ハァ…!…!!…くまみたいな奴…!イワちゃんあいつの事知ってんのか!?」
「ちょっとね……!だけど様子が少し変なのよ!」
くまとは三度目の再会で、アスカはイワンコフが感じたその違和感に共感することが出来た。
あのスリラーバーグで会って短くとも会話した彼と、シャボディ諸島、そして今…様子が全て可笑しかった。
正確に言えばシャボンディ諸島では機械ではあったのだが。
知り合いらしいイワンコフの戸惑いをよそにくまの隣立っていたドフラミンゴはイワンコフ、ルフィへと目線を流し、そしてアスカを見る。
アスカはドフラミンゴと目と目が合った瞬間にゾクリと何か…悪寒のようなものが走った。
ドフラミンゴはアスカと目と目が合うと嬉しそうに笑うが、目線を外し驚愕しているイワンコフを向き合う。
「フッフッフッフッ!!三人共くまに思い出がある様だがお前らの思うくまとコイツは別人だ!」
「何言ってんだァ!?アイツ!!」
「別人?」
「そんなわけナッシブル!!間違いなくニキュニキュの実の能力者!!コイツはくまよ!!!返事をおし!!くま!」
信じない3人にドフラミンゴは肩をすくめる。
「つい先日だ!政府の科学者"Dr.ベガパンク"の最後の改造によってコイツはとうとう完全な『人間兵器』になっちまった……!!正確には………元バーソロミュー・くま…!!」
「改造!?兵器!?一体何の事っチャブル!!?」
「つまりコイツは自ら政府の研究する『人間兵器』の"実験体"になる事を志願したのさ!!始めは"手"、次は"足"…本人の意識は残したまま体の各部は長期に亘り少しずつ改造されていった…!!!」
「ウソをつっキャブル!!くまは政府を嫌っているのよ!自分の命を政府に差し出す様なマネ絶対にしナーブルわよ!!」
「怒鳴ってもこいつと政府の間にどういう取り引きがあったかはおれも知らねェ…つい数日前までは確かにまだコイツに人格は存在した!だが、今はもう人と生まれた記憶すらねェ!!死人も同然!ただ政府の言いなりに戦うだけの"バケモノ"!!"パシフィスタ"『PX−0』だ!!昔の事なら忘れちまいな!!!」
ドフラミンゴの合図でくまは口を開け、イワンコフ達に光線を撃つ。
「おわ!」
「わっ!」
「くま…!この数年でヴァナタの身に一体何が起きタブルの!?」
避け、くまを睨むがくまは突然消え、ニューカマー達の中に姿を現す。
「うおっ!」
「危ねェぞお前ら!!気をつけろ!!」
「逃げて!!!」
くまはニューカマーたちに"パッド砲"で囚人達を倒す。
「おのれくまァ〜!!!!」
同胞達を倒していくくまにイワンコフは怒り"GANMEN・残像『銀河・WINK』"でひるませる。
「よくも私のかわいいキャンディボーイ達に手ェ上げタブルね!!!もう手加減して貰えると思うなやァ〜〜〜!!!!」
そのまま反撃の暇も与えずイワンコフはくまを蹴り飛ばす。
「うおっ!やっぱ強ェ!!」
「一度会った人間に顔を忘れられたのは生まれて初めての経験だよ!!!」
(((ああ…うんうん…)))
イワンコフの言葉にその場に居たニューカマー達は一斉に頷く。
「記憶が消えたか何だか知らないけど!!ヴァターシの恐さまで忘れちまっタブルならその体にタタキ込んでやっチャブル!!!覚悟せいやァ〜〜〜ンナ!!ここは引き受けた!!!ヴァナタ達!麦わらボーイ達を援護しな!!」
「ラジャー!!」
「処刑台を目指せェ〜〜〜!!!!」
「ウォオオオオオ!!!!」
ルフィとアスカはニューカマー達に囲まれ処刑台へと進む。
「行け!麦わら!ウサギ!!」
「おお!!」
「うん!!」
ニューカマー達が援護してくれているお陰で少し楽に進める2人だが、やはり順調にはいけなかった。
「悪いが赤髪…この力慎みはせんぞ…」
「「"鷹の目"!!!」」
目の前に世界一の剣豪だという鷹の目が立って刀を構えていた。
「さて 運命よ…あの次世代の申し子の命…ここまでか、あるいは…この黒刀からどう逃がす……!!」
鋭い目で隙もなく鷹の目は向かってくるルフィ達を見据える。
「あんな強ェのと戦ってる場合じゃねェ!!おれはエースを助けに来たんだ!!」
ルフィとアスカは戦わず鷹の目を通り越そうとするが…
「射程範囲だ」
鷹の目と離れた場所に移動したはずが鷹の目の斬撃がルフィを襲おうとしていた。
しかし、ルフィの目の前にウサギの集団が盾になり身代わりとなり消えていくのを見て鷹の目は片眉を上げる。
「………………」
「アスカ!!!?」
ウサギの集団が消え、現れたのはルフィの後ろにいたアスカだった。
アスカは素早くルフィの前に立ち"下僕ウサギ"を盾に鷹の目の斬撃から身を守った。
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