海軍本部と王下七武海、そして白ひげ海賊団による頂上戦争より2年…
ここは偉大なる航路、シャボンディ諸島。
「また"偉大なる航路"前半の海のサバイバルを勝ち抜いて来たルーキー達がこの島に続々と集まってる…」
そのシャボンディ諸島にある一軒の酒場に集まっている男達は血の気の多いルーキー達の話しで盛り上がっていた。
ルーキーといえば2年前の出来事を誰もが思い浮かぶだろう。
「2年前の"キッド"や"ドレーク"達の集結には興奮した!」
「今やあの世代が"新世界"を掻き回してるしな!あれ程とは言わねェが今もこの島にゃ"億越え"がちらほらいるぜ!」
「ああ!それにこいつだ!!」
ドン、と飲み仲間と飲んでいた1人の男は机にあるチラシを乱暴に置く。
そのチラシを飲み仲間の1人が手に取り内容に目を通す。
「しかし、驚いたな…2年も音沙汰なく完全に『死亡説』が信じられてたあの"麦わらの一味が"突然この島に現れたんだ!」
「しかも"仲間募集"だとよ!一味を拡大して『新世界』で大暴れするハラだ…!ゾクゾクするよな!!おれも入れて貰おうかな…」
チラシには『仲間募集−MONKEY・D・LUFFY−』と書かれ、デカデカと真ん中には麦わら一味のドクロまで描かれている。
そのチラシを誰も疑うことなく続々と"麦わらの一味"らしき集団に海賊達が仲間に入れてもらおうと集まっていると皆噂する。
ここに集まっている酒飲みもその話で持ちきりだった。
するとチラシを見ていた飲み仲間達の机に注文していた食べ物が届く。
「お!アンナ!!お前のコレが本格的に仲間募集してるぞ!」
店員が持ってきた皿を受け取りながら男はその店員を見上げ小指を立てて見せる。
その内容と男の小指を見て紫の髪の少女…アンナは隠す事なく嫌な顔を浮べた。
その表情は本当に…ほんっとうに嫌そうで、男は睨まれビクッと肩を揺らす。
「その話、私に振らないでって言ったでしょ」
「は、はい…すみません…」
男はアンナに思いっきり睨まれ、その恐ろしさについ身体も心も小さくしてしまう。
そんな男にアンナは鼻を鳴らし不機嫌そうに背を向けて男達から去っていく。
アンナという少女の名は偽名である。
本名はアスカ。
麦わらの海賊団の副船長として名が有名なアスカは軽い変装と偽名をして2年もの間、政府の目を掻い潜って来た。
とはいえ、海軍はシャボンディ諸島から新世界へ移動し、それに合わすようにシャボンディ諸島の治安が悪化していく一方だったので案外悪い意味で有名人でも気づかれることはなかった。
男はアンナ…アスカがカウンターへ戻っていったのを見てホッと安堵の息をつく。
「馬鹿だな、お前…」
「アンナに麦わらの話は禁句だってここの常連なら誰だって知ってることだぞ…」
「だ、だってよ…つい……」
「しかし…怖かったな…」
「ああ…怖かった…」
「麦わらの奴…よっぽど疎ましく思われてるな…」
「ああ…しかし同情はできねェ。」
「「ああ、できねェな…」」
コソコソとアスカに聞こえないように顔を近づかせ3人は小声で話す。
こんなことしなくても周りのざわめきで聞こえないのだが、つい小声になってしまう。
しかし小声で話していても、アスカは動物系の能力者なので一般的な人間よりも耳がいいため、当然聞こえている。
男達はアスカに嫌われている麦わらのルフィを頭上で思い浮かべるが、同情の余地なしとすぐに溜息へと変える。
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