注意:性的表現あり
見る人が見れば生々しいので嫌な予感がした方は引き返すことをお勧めします。
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白石はキロランケと共に水城達を探していた。
割愛させてもらうが、色々ありそれぞれはぐれてしまったメンバーが中々帰ってこないので途中なぜか泣きながら帰ってきたチカパシをコタンに残し白石はキロランケと探していた。
薄暗いとはいえ、まだ肉眼でも周囲がくっきりと分かる程度明るかった。
浜辺を沿って歩いていると見知ったの背中が見えた。
どうやら尾形と水城は一緒にいたらしく、二人の背中に白石は声をかける。
「あ!いたいた!おーい!杉元!」
やはり仲間として長い付き合いだからか、白石はすぐに水城の姿に気づいた。
手を振って声をかければ水城と尾形が白石達に気づき振り返る。
しかし、白石達は尾形の顔を見てギョッとさせる。
「お、尾形…どうしたんだ、その頬…」
「…………」
振り返った尾形の頬が赤くなっていたのだ。
キロランケが思わずそれを指摘すれば無言が返ってきた。
傍にいる水城を見れば、水城は尾形など気にも留めずはぐれていたキロランケを見て目を丸くしていた。
「キロランケ!!来てたんだ!」
「あ、ああ…土方歳三達とは旭川ではぐれたままそのままでな…詐欺師の鈴川の情報をもとに杉元達が釧路へ行くだろうと予想したんだ…そしたら近くのコタンでお前らの話を聞いてな…」
「へえ、合流できてよかった…アシリパさんも喜ぶよ」
「そうだな…俺も久々にアシリパに会いたいものだ……それで…杉元?尾形、どうしたんだ?」
突っ込み済みなのか、一切尾形に触れない水城にキロランケは気になったのか聞いた。
無言からして尾形が話さないのを察知したのだろう。
しかし、キロランケの問いに水城は…
「え?なにが?」
と答えた。
コテン、と小首をかしげニッコリと笑う水城に白石とキロランケは『あ…っ(察し)』と心を一つにした。
そして同時に尾形を見た。
尾形の頬は酷く腫れているわけでも、血が出ているわけでもなかった。
よく見なければ分からない程度ではあるが、しかし可愛い紅葉が薄っすら見えた。
相変わらず二人の意味ありげな視線を受けても全く動じない尾形を見た後、二人は水城をもう一度見た。
2人と目と目が合った水城は『?』とニッコリと笑みを深めた。
その笑みはとても美人で相手が水城でなければ恐らくズキュンと胸を撃たれただろう。
だが、いくら鈍いと言っても水城は分かっていないわけではなかった。
分かっていて『おう、兄ちゃんたち突っ込むんじゃねえぞ』とヤクザ並みに脅しているのだ。
白石とキロランケは今度はお互いを見合う。
そして、言葉なく二人の意見は一致した。
―――関わるべきではない案件だ、これ…
…と。
2人は何事もなかったように接した。
「……………」
「……………」
白石が水城の横に並んだため、キロランケは尾形と並んで歩いていた。
別に隣を歩かなければならないという決まりはないが、少し気になったのだ。
相変わらずコミュニケーションをしようとしない尾形をちらっと見る。
尾形は白石と話しながら歩く水城の背中を見つめていた。
それがあまりにもジッと見すぎていたから、からかってしまった。
「あんまり見ると杉元の背中に穴が開くぞ?」
そう言えばギロリと睨まれた。
『うるさい』とでも言っているのだろう。
白石ならそこで引き下がるだろうが、キロランケはニタニタと面白そうに尾形を見ながら自分の頬をトントンと指で叩く。
「それ、杉元にやられたんだろ?また何を言ったんだ?」
水城は尾形を警戒した犬のように突っかかることが多い。
しかしアシリパ曰く今は喧嘩別れした恋人の関係修復期間中らしい。
水城も水城で恋人に対する態度は酷いものだが、尾形も尾形で売り言葉に買い言葉並みに嫌味を言うのでどっちもどっちだ。
この今のメンバーで、結婚し子供を作っている唯一の男としての余裕が顔からも見てとれ、尾形は舌打ちを打ちダンマリを決め込んだ。
そんな尾形にキロランケは肩をすくめた。
それもまた余裕を感じさせ腹立たしさから尾形はキロランケから水城へ視線を戻し、更に口を堅く閉じる。
「……………」
水城はそんな尾形の視線を痛いくらい感じ、溜息を吐く。
「どうした、杉元…やっぱり尾形と何かあったのか?」
そんな溜息を聞いたのか、白石はこそっと後ろにいる尾形に聞こえないよう小声で話す。
というものの、溜息もそうだが、先ほどから水城から落ち着きのなさを感じていたのだ。
夫婦喧嘩に首突っ込む気はないがそわそわとどこか落ち着きのない水城が気になってつい声をかけた。
水城は白石に声を掛けられびくりと肩を揺らす。
「えっ!?な、なにが?」
「いや…なんか落ち着きないから…俺達がいない間にまた尾形と何かあったのかと思って…」
『また』というのは何だか腑に落ちないが、当たってはいるので何も言い返せなかった。
うぐっ、と言葉を詰まらせる水城に当たっていたことを察し苦笑いを浮かべた。
「まあ色々あるだろうけど…あんま気にすんな…話だけなら聞いてやれるからさ!」
ウィンクを一つ送る白石に水城はジーンとさせた。
白石は水城と尾形が恋仲でもなければ夫婦でもないのを知っているただ一人である。
だから白石の言葉は心強かった。
アシリパに説明しづらくて否定しない自分も悪いが、周りのように勘違いしていないだけで相談しやすい。
「私…今…初めて白石を男として認識したかも…」
感激したようにキラキラとした目で見てくる水城に白石はニコッと笑い返しながら『今まで男とも思われてなかったんかーい』と心の中で突っ込む。
いや、突っ込もうとしたが、白石も水城を女として見ておらず突っ込むのをやめたのだ。
それから話は変わり、他愛ない話をしながら水城は内心溜息を吐く。
(相談、かぁ……いや、でも…話せるわけないよね…―――尾形のがまだ入っているんだけどどこで出せばいいかな?なんて…それこそドン引きされる…)
特にアシリパさんには口が裂けても言えない…、と水城は白石に気づかれないよう遠い目をした。
実は、普通にしているが水城の中にはまだ尾形の精が残っていた。
散々注がれたそれはどろりとそこから漏れるので気持ちが悪い。
(どんだけ出したのよ……尾形が止めなきゃとっとと出してるんだけど…ああ、早く出したい…)
不快感と焦り。
ただそれだけだった。
愛し合った行為ならば愛しいだろうが、これは違う。
早く中の物を出さなければ最悪妊娠してしまう可能性がある。
二人目は勿論嬉しい。
女の子を欲しがっていたし、例え男の子でも子供が二人増えればその分苦労はあるが楽しさも倍だ。
だが、今妊娠するのはタイミングがまずい。
ひとまず今の目標は網走にいるのっぺらぼうをアシリパに会わせる事だが、最終目標は金塊だ。
網走の件が終われば金塊を探すためまた囚人を探す旅に出るかもしれない。
妊娠すれば一年も出遅れてしまうのだ。
一年もあればその間に金塊が見つかっても可笑しくはない。
あの小屋ですぐに出せばまだここまで焦ることはなかっただろう。
(尾形め…出すもの出してすっきりしたからって抱き枕にすることもなかったじゃない…)
水城としてはすぐに出したかった。
だが、あの後あまりにも連続での行為に疲れ果てた水城を尾形は抱きしめた。
水城が中の物を出したがっても、あの小屋を勝手に連れ込み宿にしていたのは自分たちなのに出したその精をどうやって処理をするのか、という問題を突き付けられ大人しくなるしかなかった。
今思えば出したのは尾形なんだから尾形が責任取って処理すればよかったのでは…?と思ったがもう遅い。
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