オリキャラでます!
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「ねえ、夏目小春さんって、このクラスよね?」
教室に入ろうとした奈々はふと後ろから声を掛けられ振り返る。
振り返れば黒髪の愛らしい少女が立っていた。
その少女は小春と同じく美形人種で、整った容姿から周りの男子達は少女の見惚れている。
「ねえ、どうなの?いるの?いないの?」
「えっ…あ…う、うん…小春はこのクラスにいるけど…」
小春で見慣れているとは言え、美形に縁があるのは最近で、奈々も少女に見惚れていた。
ぼうっと見惚れる奈々に少女は少しご機嫌ナナメに眉をひそめ、奈々は声の低くなった少女に慌てて頷いた。
『どの子?』と問われた奈々は教室を見渡し小春を探す。
小春は机に顔を蹲って寝ている姿があり、奈々は『呼んでこようか?』と呟きながら少女の答えなど聞かず小春の元へと向かう。
「へぇ、あれが……"お姫"の孫、ね…」
少女は奈々が指差した人物を見つめ『案外大したことない子ね』と目を細め笑ってどこかへ消えた。
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奈々は少女の答えを聞かず小春を起こしに向かった。
「小春ー!」
「ん…なに…ななちゃん…」
「小春にお客さんだよ!すっごく美人の!」
「…おきゃくさん…?」
眠っていた小春は奈々に肩を揺らされ瞳を開ける。
眠い眼を擦りながら奈々へ顔を上げれば奈々は廊下を指差し小春に『お客』だと伝えた。
しかし廊下を見るもそこには少女の姿などなかった。
「あれ…?さっきまでいたんだけど…」
「私のお客さんって…?」
「ああ、うん…さっきさ、小春の事聞かれたんだよ」
「誰?」
「さあ…全然知らない子だったなぁ…でもすっごく可愛い子だったよ!小春とは違うタイプの美人さん!」
「へぇ…」
奈々の言葉に小春は気なしな声で返す。
まだ眠いのもあるのだろう。
眠そうに瞬きをする小春に奈々は起こしたことを申し訳なく感じる。
「ごめん、起こしちゃったね」
「ううん、いいよ…」
「でも最近よく寝てるね…眠れないの?」
「うん、まあ…ちょっとね…」
奈々の言葉に小春は一緒ドキリとさせ、眠気も覚めた。
奈々には笑って誤魔化したが、小春の眠気は祖母が残した『友人帳』が原因である。
兄と一緒に寝ている小春も夜遅く名前を返しにくる妖に起こされてしまうのだ。
だからと言って兄と別々で眠るのは正直気が引ける。
兄だけに友人帳を預けて負担を増やしたくないのだ。
兄は妹である小春を巻き込みたくはないようで別々に眠ることを提案するも、それを受け入れてしまえば今後兄は一人で解決しようとするだろう。
だから小春は受け入れることはできなかった。
小春はお客だという少女の話しに何か引っかかるものがありながらもチャイムが鳴ったため席に座り直し、別の話題へと移り少女の事を忘れていく。
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