作戦は成功した。
見事沖田の脅しと、鷹臣のクナイのお蔭で彼氏は脱糞&失禁デビューした。
土方は『よし別れろ!軽蔑しろ!!俺たちを一刻も早く帰らせろ!!』、と心の底から思っていたが……実は人間だと思っていた栗子は聖母だった。
脱糞&失禁デビューした彼氏に引くどころか栗子もデビューしたと言いだしたのだ。
それには土方も開いた口が塞がらなかった。
「……なんでこんな駄目な父親からあんな心が清い娘が生まれるんだろう…」
沖田を支えながらの鷹臣の呟きは土方が生きてきた中で一番深く頷いた言葉だった。
それから栗子達は遊園地を回っていく。
栗子達の後を追うように沖田と鷹臣も楽しんでおり、大人組である土方と松平はベンチで一服しつつ監視していた。
「何てこったい…まさかあれで引かねえなんて…我が娘ながら恐ろしい…」
「いや本当、恐ろしいよ。」
「おめぇこの事他人に言ったら殺すからなァ…」
「とっつぁん、安心しな…あんたの娘は漏らしてなんかいねえよ…見ろ、野郎は着替えたってのにあんたの娘はそのままだ。」
「ケツに挟めたまま歩いてんじゃねえの?」
「んな訳ねえだろ!!おめぇ実の娘が可愛くないのか!?あんたの娘はな、野郎を傷付けない為にあんな嘘言ったんだよ!」
「なにぃ!?」
携帯に着信のランプが光っていたので携帯を開ければサブちゃんとノブたすからのメールがずらりと並んでいた。
先ほど届いたらしいメールを開いてみれば『たっくんマジ神!マジ欲しい(*´Д`*)ハアハア』やら『鷹臣様マジ鷹臣様』と書かれており、土方は慣れた手つきで2人のメールを次々に削除していき、無駄だと分かってはいるがあまりの気持ち悪さにサブちゃんのメアドを完全拒否した。
その間に松平が脱糞デビューした事を口外させないようにするが、土方は栗子がデビューしていない事に気づいていた。
証拠に、と指差す先へと松平が見れば彼氏と仲良くソフトクリームを食べ合っている2人が見え、彼氏は売店で買った服に着替えていたが、栗子は着物姿のままだった。
「こいつは本気であの男の事が…」
「とっつぁん!大変でさァ!!」
「あ?」
普通どんなに聖母でも流石にあのデビューは引くというもの。
しかし栗子は全く引くことなく自分もデビューしたと言い張ったのだ。
これで栗子が本気で彼に惚れていないと誰が言えようか…
それを松平に告げ別れさせるのを諦めさせようと説得しようとしたその時、遊びに夢中になっていた沖田達が慌てた様子で土方達に駆け寄ってきた。
その手に栗子達と同じくソフトクリームを手に持って。
そこに突っ込む前に沖田が焦った表情でどこかを指をさし、その先を見れば何の変哲もない観覧車だった。
「あいつ観覧車に向かってますぜ!?間違いねえ…チューするつもりだ!!」
「そうなのか!?」
「観覧車っつったらチューでしょう!ありゃチューするために作られたんでさァ!!」
「え!?ちゅ、ちゅー!?そんな…!!まだ栗子ちゃんは結婚もしてないのにちゅー!?ちゅーってあれだよね!?口と口を合わせる人工呼吸の夫婦版だよね!?結婚式でちゅーするやつだよね!?ちゅーして初めて他人から夫婦になるんだよね!?あの観覧車ってやつそんな恐ろしい乗り物なの!?」
「お前の知識どうなってんだよ!!!いくらなんでも偏りすぎだろうが!!」
『初心なたっくんキタ━(゚∀゚)━!トッシー!この世の穢れからたっくんを守ってほしいんだお!』
「うっぜえええ!!もうギザウザス言ってらんねえぐらいうぜえこいつゥゥゥ!!てめぇ男だろうが!!男なら男の尻追っかけてんじゃねぇぇぇ!!てめえがこの世の汚れじゃボケ!!」
『失礼だお!ただたっくんを引き抜いて傍に置いてドヤ顔したいだけなんだお!ちゃんと女の子が好きなんだお!!それに嫁いるもん!!メガネかけて黒髪で地味だけどロリオタ巨乳幼な妻がいるもん!!だから変な意味はないんだお!!(`皿´)ムッキー!!』
「なんかその女の特徴知り合いにいるんだけどーー!?っていうか女が好きも何も変な意味ありありだろうが!!おめえの言い方だと綺麗な女はべらせたい的に聞こえんだよ!!もう金輪際鷹臣にメールしてくんなクズが!」
『クズはてめえだでくの棒。鷹臣様にこの世の穢れを見せた罪、てめえの命で償え』
「おめえは一々言う事がこええんだよ!!っていうかおめえらメールで会話に参加すんのやめてくれない!?なんでこの場にいないのに状況分かるの!?」
「トッシー!おやっさん!総くん!!栗子ちゃんのピンチだ!!行こう!!俺たちで栗子ちゃんの純粋を守るんだ!!!」
「「おおお!!!」」
「いや、脱糞したって言える娘が純粋って…」
沖田はわざとなのか本気なのか…土方は突っ込むのを迷った。
だがそれ以上に本気でボケる男が現れ突っ込まざるを得なかった。
その上どうしてかいつも割り込んでくるメールに苛立ちまた土方は携帯を地面に叩き付け破壊し、飛んでくる携帯電話をキャッチする。
もう壊すのも掴むのも手馴れていた。
苛立った原因はサブちゃんのメール内容だった。
まるであのゴリラ女の愛らしい妹のような嫁の特徴に土方は腹が立ったらしい。
まだ1つ2つ似てるだけだったら壊しはしなかったが、完全丸被りである。
鷹臣はそんな土方など余所に偏りすぎている知識に暴走し松平と沖田を引きつれどこかへと姿を消した。
土方は一応形では止めようとはしたもののやはり暴走3人組は止められず煙草を咥え煙を吸い込む。
携帯のバイブが鳴っているがもう手に取る気にもならなかった。
「愛、か…」
土方は吸い込んだ煙を吐き出した。
思い出すのは芸妓達。
みな土方を囲んで楽しそうな声で笑っていた。
だが、土方が食べている物を見た瞬間……みんな顔色を変える。
土方スペシャル―――マヨラー特製・マヨ丼である。
それを見た芸妓はたちまち離れていくのだ。
「愛なんて幻想だと思っていたが……」
そして土方はある人物も思い出した。
それは憎き銀髪ヘアーの部下である少女――志村雪。
彼女は自分が生粋のマヨラーだと知ってもただ『マヨネーズ美味しいですもんね』と言うだけで芸妓達のような反応を見せたことはなかった。
しかし…実際は軽く引いていたのだが、上司が生粋の甘党なため少しだけ免疫があっただけである。
彼女は笑顔を向けてくれた。(引きつり笑いです)
『あまり摂りすぎると逆に体悪くしますから気を付けてくださいね』と心配し尚且つ暖かな言葉をかけてくれた。(社交辞令です)
土方は正直女が苦手だった。
女は勝手に理想を描いて勝手に幻滅していく。
その勝手さが苦手だった。
そんな土方の概念をひっくり返したのが、雪である。
雪のお蔭で昔よりは女が苦手ではなくなったのだ。
愛――それは人の概念・人生をも変えてしまう感情だった。
栗子だって本当に彼を愛しているから脱糞と失禁に引くことなく自分もデビューしたのだと言ってのける事が出来た。
それをあの3人は愛する2人の間を裂こうとしている。
その行動は…雪と自分の間を、裂こうとしているのと同じだった。
そこでお前ら付き合ってねえだろ、という突っ込みは土方には必要ない。
一方、父親達が自分達の間を裂こうとしているのに気付いていない栗子は…観覧車に乗っていた。
「しっかし、栗子お前すげえな!普通引くぜ?彼氏が脱糞と失禁したら!俺もう終わったと思ったもん!」
「ふふ、私はそれぐらいで七兵衛様を嫌いになんかしないでござりまする…それに七兵衛様だって私が漏らしても引かなかったじゃありませんか」
「だ、だってお前…それは…」
「それは…なんでござりまするか?」
2人っきりの中…今日までの出来事を思い出し彼氏はしみじみ呟く。
普通は彼氏とは言え脱糞と失禁すれば引くものだが、栗子は引くどころか自分も脱糞したと言ってくれた。
それを零せば栗子から自分が脱糞した時彼氏が引かなかったと返され柄にもなく彼氏は照れる。
本当は栗子など愛していなかった。
金持ちだから付き合ってやっている、としか考えてなかった。
しかし今日の出来事で彼氏は本当に心から栗子を愛しはじめる。
金などではなく、栗子本人を。
お互い恥ずかしいのか照れているのか、顔を赤くして俯き何かを言おうと口ごもる。
今の2人はまさに好いてる同士、好きだと恥ずかしくて言えない彼氏彼女だった。
『す』が出ても『き』が出てこない。
栗子もそれが聞きたくて待っていた。
しかし…バラバラと重く低い音が外から聞こえ、2人はふと窓を見る。
そこには下から突然黒いヘリコプターが現れたのだ。
それには流石に2人とも驚き立ち上がる。
「な、なんじゃありゃあああ!!」
ヘリコプターの扉が開かれ現れたのは3人の男。
男達は全員サングラスを掛け何故かライフルを持っていた。
「殺し屋、侍13――お命頂戴する!」
「きゃああ!!誰か…っ!!!」
何故か自分達が殺し屋という輩に狙われ、栗子は悲鳴を上げる。
逃げようと奥へ向かったその時、上のゴンドラの屋根に人影を見て目を丸くする。
その人影は殺し屋と同じくサングラスを掛け何故かマヨネーズ型のバズーカを持ってこちらを見つめていた。
人影に立ち尽くす栗子をよそに彼氏は、挟まれた、と思った。
これで人生終わった、と。
「あれ、トッシーだ」
侍13の1人、鷹臣はライフルを構えながら人影…土方の存在に気づく。
それに続き沖田と松平も気づいた。
トッシーと呼ぶ鷹臣の言葉に土方はバズーカを構えながら首を振る。
「トッシー?誰だ、それは―――俺は愛の戦士、マヨラ13……人の恋路を邪魔する馬鹿は消え去れ!!」
マヨラ13は栗子と彼氏ではなく、殺し屋達にマヨネーズ型バズーカを放った。
バズーカはヘリコプターの羽に当たり、要である羽を壊されたヘリコプターは炎と煙を上げて落下していく。
幸い下は水だったため大怪我をすることはなかった。
水の中に落ちたヘリコプターから操縦者、沖田、松平、鷹臣が避難するのを見下ろしながら土方は恋路を邪魔する3人を鼻で笑う。
「2人いつまでも仲良くやりな…じゃあな。」
「あ、あの…!!」
雪を想い土方は2人を裂こうとする輩を消し去った。
この2人が結ばれればきっと自分と雪も上手くいくと信じて。
しかしそんな土方などよそに栗子はゴンドラの扉を開け、土方に声をかけた。
土方は声をかけられ立ち止まり栗子が何を伝えるのか待つ。
「もうこんな脱糞野郎と別れるでございまするから!!私とつき合ってもらえないでございまするかーー!!」
「ヘ!?」
しかし栗子からのまさかの告白に驚いた土方は振り返るもその際足を滑らせゴンドラの屋根から落ちてしまう。
それと同時に扉が突然開いた際落ちそうになって必死に空気を仰いでいた彼氏も…落下してしまった。
幸いなのは下が水だったことだろう。
→あとがき
見事沖田の脅しと、鷹臣のクナイのお蔭で彼氏は脱糞&失禁デビューした。
土方は『よし別れろ!軽蔑しろ!!俺たちを一刻も早く帰らせろ!!』、と心の底から思っていたが……実は人間だと思っていた栗子は聖母だった。
脱糞&失禁デビューした彼氏に引くどころか栗子もデビューしたと言いだしたのだ。
それには土方も開いた口が塞がらなかった。
「……なんでこんな駄目な父親からあんな心が清い娘が生まれるんだろう…」
沖田を支えながらの鷹臣の呟きは土方が生きてきた中で一番深く頷いた言葉だった。
それから栗子達は遊園地を回っていく。
栗子達の後を追うように沖田と鷹臣も楽しんでおり、大人組である土方と松平はベンチで一服しつつ監視していた。
「何てこったい…まさかあれで引かねえなんて…我が娘ながら恐ろしい…」
「いや本当、恐ろしいよ。」
「おめぇこの事他人に言ったら殺すからなァ…」
「とっつぁん、安心しな…あんたの娘は漏らしてなんかいねえよ…見ろ、野郎は着替えたってのにあんたの娘はそのままだ。」
「ケツに挟めたまま歩いてんじゃねえの?」
「んな訳ねえだろ!!おめぇ実の娘が可愛くないのか!?あんたの娘はな、野郎を傷付けない為にあんな嘘言ったんだよ!」
「なにぃ!?」
携帯に着信のランプが光っていたので携帯を開ければサブちゃんとノブたすからのメールがずらりと並んでいた。
先ほど届いたらしいメールを開いてみれば『たっくんマジ神!マジ欲しい(*´Д`*)ハアハア』やら『鷹臣様マジ鷹臣様』と書かれており、土方は慣れた手つきで2人のメールを次々に削除していき、無駄だと分かってはいるがあまりの気持ち悪さにサブちゃんのメアドを完全拒否した。
その間に松平が脱糞デビューした事を口外させないようにするが、土方は栗子がデビューしていない事に気づいていた。
証拠に、と指差す先へと松平が見れば彼氏と仲良くソフトクリームを食べ合っている2人が見え、彼氏は売店で買った服に着替えていたが、栗子は着物姿のままだった。
「こいつは本気であの男の事が…」
「とっつぁん!大変でさァ!!」
「あ?」
普通どんなに聖母でも流石にあのデビューは引くというもの。
しかし栗子は全く引くことなく自分もデビューしたと言い張ったのだ。
これで栗子が本気で彼に惚れていないと誰が言えようか…
それを松平に告げ別れさせるのを諦めさせようと説得しようとしたその時、遊びに夢中になっていた沖田達が慌てた様子で土方達に駆け寄ってきた。
その手に栗子達と同じくソフトクリームを手に持って。
そこに突っ込む前に沖田が焦った表情でどこかを指をさし、その先を見れば何の変哲もない観覧車だった。
「あいつ観覧車に向かってますぜ!?間違いねえ…チューするつもりだ!!」
「そうなのか!?」
「観覧車っつったらチューでしょう!ありゃチューするために作られたんでさァ!!」
「え!?ちゅ、ちゅー!?そんな…!!まだ栗子ちゃんは結婚もしてないのにちゅー!?ちゅーってあれだよね!?口と口を合わせる人工呼吸の夫婦版だよね!?結婚式でちゅーするやつだよね!?ちゅーして初めて他人から夫婦になるんだよね!?あの観覧車ってやつそんな恐ろしい乗り物なの!?」
「お前の知識どうなってんだよ!!!いくらなんでも偏りすぎだろうが!!」
『初心なたっくんキタ━(゚∀゚)━!トッシー!この世の穢れからたっくんを守ってほしいんだお!』
「うっぜえええ!!もうギザウザス言ってらんねえぐらいうぜえこいつゥゥゥ!!てめぇ男だろうが!!男なら男の尻追っかけてんじゃねぇぇぇ!!てめえがこの世の汚れじゃボケ!!」
『失礼だお!ただたっくんを引き抜いて傍に置いてドヤ顔したいだけなんだお!ちゃんと女の子が好きなんだお!!それに嫁いるもん!!メガネかけて黒髪で地味だけどロリオタ巨乳幼な妻がいるもん!!だから変な意味はないんだお!!(`皿´)ムッキー!!』
「なんかその女の特徴知り合いにいるんだけどーー!?っていうか女が好きも何も変な意味ありありだろうが!!おめえの言い方だと綺麗な女はべらせたい的に聞こえんだよ!!もう金輪際鷹臣にメールしてくんなクズが!」
『クズはてめえだでくの棒。鷹臣様にこの世の穢れを見せた罪、てめえの命で償え』
「おめえは一々言う事がこええんだよ!!っていうかおめえらメールで会話に参加すんのやめてくれない!?なんでこの場にいないのに状況分かるの!?」
「トッシー!おやっさん!総くん!!栗子ちゃんのピンチだ!!行こう!!俺たちで栗子ちゃんの純粋を守るんだ!!!」
「「おおお!!!」」
「いや、脱糞したって言える娘が純粋って…」
沖田はわざとなのか本気なのか…土方は突っ込むのを迷った。
だがそれ以上に本気でボケる男が現れ突っ込まざるを得なかった。
その上どうしてかいつも割り込んでくるメールに苛立ちまた土方は携帯を地面に叩き付け破壊し、飛んでくる携帯電話をキャッチする。
もう壊すのも掴むのも手馴れていた。
苛立った原因はサブちゃんのメール内容だった。
まるであのゴリラ女の愛らしい妹のような嫁の特徴に土方は腹が立ったらしい。
まだ1つ2つ似てるだけだったら壊しはしなかったが、完全丸被りである。
鷹臣はそんな土方など余所に偏りすぎている知識に暴走し松平と沖田を引きつれどこかへと姿を消した。
土方は一応形では止めようとはしたもののやはり暴走3人組は止められず煙草を咥え煙を吸い込む。
携帯のバイブが鳴っているがもう手に取る気にもならなかった。
「愛、か…」
土方は吸い込んだ煙を吐き出した。
思い出すのは芸妓達。
みな土方を囲んで楽しそうな声で笑っていた。
だが、土方が食べている物を見た瞬間……みんな顔色を変える。
土方スペシャル―――マヨラー特製・マヨ丼である。
それを見た芸妓はたちまち離れていくのだ。
「愛なんて幻想だと思っていたが……」
そして土方はある人物も思い出した。
それは憎き銀髪ヘアーの部下である少女――志村雪。
彼女は自分が生粋のマヨラーだと知ってもただ『マヨネーズ美味しいですもんね』と言うだけで芸妓達のような反応を見せたことはなかった。
しかし…実際は軽く引いていたのだが、上司が生粋の甘党なため少しだけ免疫があっただけである。
彼女は笑顔を向けてくれた。(引きつり笑いです)
『あまり摂りすぎると逆に体悪くしますから気を付けてくださいね』と心配し尚且つ暖かな言葉をかけてくれた。(社交辞令です)
土方は正直女が苦手だった。
女は勝手に理想を描いて勝手に幻滅していく。
その勝手さが苦手だった。
そんな土方の概念をひっくり返したのが、雪である。
雪のお蔭で昔よりは女が苦手ではなくなったのだ。
愛――それは人の概念・人生をも変えてしまう感情だった。
栗子だって本当に彼を愛しているから脱糞と失禁に引くことなく自分もデビューしたのだと言ってのける事が出来た。
それをあの3人は愛する2人の間を裂こうとしている。
その行動は…雪と自分の間を、裂こうとしているのと同じだった。
そこでお前ら付き合ってねえだろ、という突っ込みは土方には必要ない。
一方、父親達が自分達の間を裂こうとしているのに気付いていない栗子は…観覧車に乗っていた。
「しっかし、栗子お前すげえな!普通引くぜ?彼氏が脱糞と失禁したら!俺もう終わったと思ったもん!」
「ふふ、私はそれぐらいで七兵衛様を嫌いになんかしないでござりまする…それに七兵衛様だって私が漏らしても引かなかったじゃありませんか」
「だ、だってお前…それは…」
「それは…なんでござりまするか?」
2人っきりの中…今日までの出来事を思い出し彼氏はしみじみ呟く。
普通は彼氏とは言え脱糞と失禁すれば引くものだが、栗子は引くどころか自分も脱糞したと言ってくれた。
それを零せば栗子から自分が脱糞した時彼氏が引かなかったと返され柄にもなく彼氏は照れる。
本当は栗子など愛していなかった。
金持ちだから付き合ってやっている、としか考えてなかった。
しかし今日の出来事で彼氏は本当に心から栗子を愛しはじめる。
金などではなく、栗子本人を。
お互い恥ずかしいのか照れているのか、顔を赤くして俯き何かを言おうと口ごもる。
今の2人はまさに好いてる同士、好きだと恥ずかしくて言えない彼氏彼女だった。
『す』が出ても『き』が出てこない。
栗子もそれが聞きたくて待っていた。
しかし…バラバラと重く低い音が外から聞こえ、2人はふと窓を見る。
そこには下から突然黒いヘリコプターが現れたのだ。
それには流石に2人とも驚き立ち上がる。
「な、なんじゃありゃあああ!!」
ヘリコプターの扉が開かれ現れたのは3人の男。
男達は全員サングラスを掛け何故かライフルを持っていた。
「殺し屋、侍13――お命頂戴する!」
「きゃああ!!誰か…っ!!!」
何故か自分達が殺し屋という輩に狙われ、栗子は悲鳴を上げる。
逃げようと奥へ向かったその時、上のゴンドラの屋根に人影を見て目を丸くする。
その人影は殺し屋と同じくサングラスを掛け何故かマヨネーズ型のバズーカを持ってこちらを見つめていた。
人影に立ち尽くす栗子をよそに彼氏は、挟まれた、と思った。
これで人生終わった、と。
「あれ、トッシーだ」
侍13の1人、鷹臣はライフルを構えながら人影…土方の存在に気づく。
それに続き沖田と松平も気づいた。
トッシーと呼ぶ鷹臣の言葉に土方はバズーカを構えながら首を振る。
「トッシー?誰だ、それは―――俺は愛の戦士、マヨラ13……人の恋路を邪魔する馬鹿は消え去れ!!」
マヨラ13は栗子と彼氏ではなく、殺し屋達にマヨネーズ型バズーカを放った。
バズーカはヘリコプターの羽に当たり、要である羽を壊されたヘリコプターは炎と煙を上げて落下していく。
幸い下は水だったため大怪我をすることはなかった。
水の中に落ちたヘリコプターから操縦者、沖田、松平、鷹臣が避難するのを見下ろしながら土方は恋路を邪魔する3人を鼻で笑う。
「2人いつまでも仲良くやりな…じゃあな。」
「あ、あの…!!」
雪を想い土方は2人を裂こうとする輩を消し去った。
この2人が結ばれればきっと自分と雪も上手くいくと信じて。
しかしそんな土方などよそに栗子はゴンドラの扉を開け、土方に声をかけた。
土方は声をかけられ立ち止まり栗子が何を伝えるのか待つ。
「もうこんな脱糞野郎と別れるでございまするから!!私とつき合ってもらえないでございまするかーー!!」
「ヘ!?」
しかし栗子からのまさかの告白に驚いた土方は振り返るもその際足を滑らせゴンドラの屋根から落ちてしまう。
それと同時に扉が突然開いた際落ちそうになって必死に空気を仰いでいた彼氏も…落下してしまった。
幸いなのは下が水だったことだろう。
→あとがき
← | back | →
しおりを挟む