コーヒーカップは地獄だった。
1つのカップのお蔭で何故か周りの客達も酔ったのか鷹臣と沖田、栗子と彼氏以外は全員口を押えての撤収だった。
もうもはや降りる、ではない。
撤収である。
胃の中がぐちゃぐちゃになっているように気持ちが悪いのを何とか抑えながら土方は栗子達を見送る。
「兄上大丈夫ですか?」
「タッキーだめでさァ…近藤さん脱落でィ」
「あれくらいで脱落なんて…やっぱり兄上お疲れなんですね…この鷹臣、帰ったら兄上の仕事手伝いますから!!安心して後は任せてください!」
「近藤さんを脱落させたのはお前らだろうが!!無垢な顔した悪魔どもめ!!」
「おいタッキィ〜…てめぇは明日から14泊15日の幕府の闇暴れん坊将軍(ピー)氏の暗殺旅行だろうが…てめぇに休みはねえよ」
「あ、そうだった。」
「何普通にターゲットの名前口に出して言ってんの!?ここ一般人沢山いるんだけど!?トップが機密情報バラしてんじゃねえよ!!!あと何その任務名!何で旅行風!?」
『無垢な顔して兄たんを蹴り落し何食わぬ顔で出番獲得するたっくんマジかっけー(*´ω`*)』
『無垢な天使(と書いて鷹臣様と読む)マジ策士』
「ギザウザスゥゥゥゥ!!!」
カップから降り沖田と鷹臣以外みんなボロボロだった。
一番の被害は沖田と鷹臣の天使の仮面を被った悪魔達と一緒のカップに乗った近藤だろう。
彼は沖田と鷹臣の肩を借りているが、先ほどかピクリとも動かない。
どうやら気を失っているらしく、近藤は近くのベンチで横にする。
気を失っている人間を抱えながら戦場を生き抜くのは困難と判断した悪魔達は貴重品だけを預かり気を失っている兄と上司を置いていくつもりだった。
土方も動きずらいからと置いていく気ではいたが、悪魔達と魔王(松平)とは違い罪悪感がチクチクと土方の良心を突っつく。
そうこうしているうちに栗子達は次なる乗り物へと足を進めた。
次は乗る者を選ぶジェットコースターだった。
「七兵衛様!わたくしあれに乗りたいでございまする!」
「おいおいマジかよ〜!俺ダメなんだよね、こういうの。」
「怖いのでございまするか?」
「怖いっていうか、気持ち悪くなるみたいな?」
「本当は怖いんでございまするな!」
「ちげえよ!いいから一人で乗って来いよ!」
ジェットコースターがスピード感あふれる速さで通り過ぎたのを見て栗子は目を輝かせた。
どうやらジェットコースター系など平気なタイプらしく、彼氏に可愛らしく強請るも彼氏は素っ気ない態度をとっていた。
それでも諦めきれない栗子だったが、通り過ぎるジェットコースターに目を奪われ彼氏との距離をおいた。
それを見て彼氏は『じゃ、俺ここで見てるからさー』と全く乗る気のない口調で呟き、栗子を一人で乗らせようとした。
しかしその時――
「ガタガタ言わずに早く乗れや、ホルスタイン野郎」
「――!」
「騒いだら穴がもう一つ増えるぜ?」
彼氏の背後に沖田が回った。
栗子に聞こえない小さな声で低く忠告してやり、更に背中に刃物を突き付けるというオプションも追加する。
その脅しに彼氏は『ひっ』と声を零し思わず背筋をピンッと伸ばす。
「七兵衛様?」
「いや!あの…!やっぱ乗るか!一緒に!!」
「!――マジでございまするかっ!?」
脅しが効いたのか、何も言わなくなった彼氏に振り返った栗子に彼氏は突然一緒に乗ると言いだした。
冷や汗なのだろうか…大量の汗が次々と流れる。
それを見ても栗は全く気付いていない。
「前々から思ってたんですけど…栗子ちゃんって、天然?」
「おめぇにだけは言われたくねえ…まあ、乗り終わるころには全てが終わっているだろうよ。さっさと終わらせて帰るぞ。」
「流石トッシー!面倒くさいからって総くんに丸投げするなんて誰にも出来ることじゃない!Sを野放しにするなんてとてつもなく容赦ない!鬼の副長と呼ばれるだけあるね!」
「誰がトッシーだ!あと丸投げしてねえからな!?」
松平と行動を共にしていると娘である栗子と会う事も多い。
栗子も絶世の美男子な鷹臣に惚れていた時期もあったが、高嶺の花と諦めたようである。
今では兄妹のように仲がいい。
だから余計に松平が鷹臣を息子として可愛がっているのだろう。
ターゲットは沖田と共にジェットコースターの入口へと向かい、並んでいる列に入る。
数分後鷹臣達の順番が回り、栗子・彼氏は前の方へと座り、その後ろに沖田と並んでいる時に他の客が前の方が怖いという会話を聞き純粋に楽しもうと鷹臣が沖田の隣に座った。
少し離れた場所では大人組の松平と土方が座る。
「本当に大丈夫なぁの?こんなんで…」
「大丈夫だ。総悟は人を追い詰め苛めるのが趣味の超ドSだぞ。鷹臣もいるし問題ないだろ」
「いや、タッキーものすごく普通に楽しんでるけど、あれ……初めての遊園地で超楽しんで自分の世界に入っちゃってるけど、あれ…さっきから目の輝きが半端ないんだけんども、あれ…」
沖田は近藤兄弟に懐いている節があるため、鷹臣が近くにいるなら派手な事はしないと踏んでいた。
しかし松平が指差す鷹臣は後ろ姿でもウキウキ感が滲み出ているのが分かった。
そうこうしているうちに安全バーが降り、ベルが鳴る。
みんなが動くのを今か今かと待ちわびていた。
沖田はその隙を狙い、短刀の先端をターゲットの首筋に突きつける。
「しろ…」
「へ」
「ウンコしろ」
刃物で脅されている彼氏は沖田の言葉にぎょっとさせた。
しかし彼氏の反応もまた趣味の一つである沖田は気にも留めず小声のまま続ける。
「ジェットコースターが帰ってくる前にしてなかったら殺すから。」
(えええええ!!?)
突然脱糞しろと言われしてなかったら殺すとも言われた。
人間意識してシモが出来るわけもないのだが…ドSはそんなこと関係なかった。
唯一止められるであろう鷹臣は周りの客同様ワクワクドキドキで沖田に気づいていない。
流石に栗子も彼氏の様子が可笑しいのに気付き降りようかと提案するも彼氏が頷くよりも早く沖田に『降りたら殺す』とも脅され恐怖に怒鳴るように降りないと言いだした。
そんな彼氏に栗子は首を傾げていたその時――ジェットコースターが走りだした。
「うおお!?思ったよりキツイ…!」
「どうだ!?様子は――」
スピードを上げて走るジェットコースターは実は全員初体験である。
特に大人の遊園地しか行ったことない松平は余計キツく感じるだろう。
前方からかかる風圧に耐えながら土方が前の方にいる沖田の様子を見ようと目を開けたその時――沖田が前方から振ってきた。
「てめ…ッ!何してんだァァァ!!」
「ベルト閉めんの忘れた!ベルト閉めんの忘れたァァァ!!!」
沖田は脅しに夢中で安全バーが自分を固定せず閉まっていった事に気づいていなかったようで、当然沖田は吹き飛ばされた。
今は何とか土方と松平の座席の頭を掴むことで落下は免れているがいつ落ちても可笑しくはない。
悲鳴を上げてあわあわとさせる沖田に松平は声を上げた。
「おい何だこいつ!!さっきと別人じゃねえか!!テンパりまくってんぞォォ!!?」
「Sだからこそ打たれよわいの!ガラスの剣なの!!」
「コーヒーカップの時は鷹臣と楽しんでたじゃねえか!!」
「他人の手と自分の手では全然ちがうの!!!たたたた助けて土方コノヤローー!!!」
「てめッ!やめ…」
「タッキー!!!タッキィィィィィ!!!」
先ほどまでの沖田とは、人を苛めるのを生業としていると断言しても誰も疑わらないドSだったはずである。
それがたかが風に煽られ落下寸前なだけでテンパっていた。
いや、普通はテンパるものであるが…
沖田は一心不乱に土方に助けを求め土方の髪を鷲掴みし、更には鷹臣にも助けを求めた。
超楽しんでいる鷹臣の耳には風を切る音しか聞こえないはずなのだが…
「駄目じゃないか、総くん、勝手に席から離れたら」
いつの間にか鷹臣は土方と松平の後ろの空いてる席に立っていた。
それを見て土方は鷹臣が座っていた場所を見ると鷹臣の体を押さえていたはずの安全バーが上がっており、沖田と鷹臣の席は誰も乗っていない状態だった。
鷹臣は『他のお客さんに迷惑だから戻ろうか』と風をもろともせずにこりと微笑み、目を回す沖田を脇に抱えた。
そしてクナイを自分達の席の前の席の背もたれに刺し投げ、人間の目では見えない糸をロープのように伝って帰っていった。
突風ともいえるジェットコースターの風を受けてもなお、鷹臣の美貌は崩れることなくまるでそよ風のように受け止めていた。
生まれた時から人間というのは勝ち組と負け組と別れているとも言うが……松平はこの年になって神を恨んだのは初めてだった。
鷹臣を見送っていると、鷹臣は沖田の下がっていた安全バーを一旦上げさせてから沖田を座らせて今度は落ちないように安全バーを下げて固定させてやる。
そして丁度ジェットコースターの醍醐味である回転に差し掛かろうとした時、鷹臣は何故かクナイを前方の回転のため上へとあげられているレールへと投げつけ、クナイを投げた後鷹臣も安全バーを降ろし体を固定させる。
土方と松平は鷹臣の行動に首を傾げていたが、その投げられたクナイが鉄製のレールに当たって跳ね返り見事彼氏の顔横スレスレのシートへと刺さったのだ。
「…トシィ」
「なんだ」
「タッキーマジ人外」
「……………」
それを一部始終見ていた土方と松平は青年&少年達の恐ろしさにぞっとさせたという。
1つのカップのお蔭で何故か周りの客達も酔ったのか鷹臣と沖田、栗子と彼氏以外は全員口を押えての撤収だった。
もうもはや降りる、ではない。
撤収である。
胃の中がぐちゃぐちゃになっているように気持ちが悪いのを何とか抑えながら土方は栗子達を見送る。
「兄上大丈夫ですか?」
「タッキーだめでさァ…近藤さん脱落でィ」
「あれくらいで脱落なんて…やっぱり兄上お疲れなんですね…この鷹臣、帰ったら兄上の仕事手伝いますから!!安心して後は任せてください!」
「近藤さんを脱落させたのはお前らだろうが!!無垢な顔した悪魔どもめ!!」
「おいタッキィ〜…てめぇは明日から14泊15日の幕府の闇暴れん坊将軍(ピー)氏の暗殺旅行だろうが…てめぇに休みはねえよ」
「あ、そうだった。」
「何普通にターゲットの名前口に出して言ってんの!?ここ一般人沢山いるんだけど!?トップが機密情報バラしてんじゃねえよ!!!あと何その任務名!何で旅行風!?」
『無垢な顔して兄たんを蹴り落し何食わぬ顔で出番獲得するたっくんマジかっけー(*´ω`*)』
『無垢な天使(と書いて鷹臣様と読む)マジ策士』
「ギザウザスゥゥゥゥ!!!」
カップから降り沖田と鷹臣以外みんなボロボロだった。
一番の被害は沖田と鷹臣の天使の仮面を被った悪魔達と一緒のカップに乗った近藤だろう。
彼は沖田と鷹臣の肩を借りているが、先ほどかピクリとも動かない。
どうやら気を失っているらしく、近藤は近くのベンチで横にする。
気を失っている人間を抱えながら戦場を生き抜くのは困難と判断した悪魔達は貴重品だけを預かり気を失っている兄と上司を置いていくつもりだった。
土方も動きずらいからと置いていく気ではいたが、悪魔達と魔王(松平)とは違い罪悪感がチクチクと土方の良心を突っつく。
そうこうしているうちに栗子達は次なる乗り物へと足を進めた。
次は乗る者を選ぶジェットコースターだった。
「七兵衛様!わたくしあれに乗りたいでございまする!」
「おいおいマジかよ〜!俺ダメなんだよね、こういうの。」
「怖いのでございまするか?」
「怖いっていうか、気持ち悪くなるみたいな?」
「本当は怖いんでございまするな!」
「ちげえよ!いいから一人で乗って来いよ!」
ジェットコースターがスピード感あふれる速さで通り過ぎたのを見て栗子は目を輝かせた。
どうやらジェットコースター系など平気なタイプらしく、彼氏に可愛らしく強請るも彼氏は素っ気ない態度をとっていた。
それでも諦めきれない栗子だったが、通り過ぎるジェットコースターに目を奪われ彼氏との距離をおいた。
それを見て彼氏は『じゃ、俺ここで見てるからさー』と全く乗る気のない口調で呟き、栗子を一人で乗らせようとした。
しかしその時――
「ガタガタ言わずに早く乗れや、ホルスタイン野郎」
「――!」
「騒いだら穴がもう一つ増えるぜ?」
彼氏の背後に沖田が回った。
栗子に聞こえない小さな声で低く忠告してやり、更に背中に刃物を突き付けるというオプションも追加する。
その脅しに彼氏は『ひっ』と声を零し思わず背筋をピンッと伸ばす。
「七兵衛様?」
「いや!あの…!やっぱ乗るか!一緒に!!」
「!――マジでございまするかっ!?」
脅しが効いたのか、何も言わなくなった彼氏に振り返った栗子に彼氏は突然一緒に乗ると言いだした。
冷や汗なのだろうか…大量の汗が次々と流れる。
それを見ても栗は全く気付いていない。
「前々から思ってたんですけど…栗子ちゃんって、天然?」
「おめぇにだけは言われたくねえ…まあ、乗り終わるころには全てが終わっているだろうよ。さっさと終わらせて帰るぞ。」
「流石トッシー!面倒くさいからって総くんに丸投げするなんて誰にも出来ることじゃない!Sを野放しにするなんてとてつもなく容赦ない!鬼の副長と呼ばれるだけあるね!」
「誰がトッシーだ!あと丸投げしてねえからな!?」
松平と行動を共にしていると娘である栗子と会う事も多い。
栗子も絶世の美男子な鷹臣に惚れていた時期もあったが、高嶺の花と諦めたようである。
今では兄妹のように仲がいい。
だから余計に松平が鷹臣を息子として可愛がっているのだろう。
ターゲットは沖田と共にジェットコースターの入口へと向かい、並んでいる列に入る。
数分後鷹臣達の順番が回り、栗子・彼氏は前の方へと座り、その後ろに沖田と並んでいる時に他の客が前の方が怖いという会話を聞き純粋に楽しもうと鷹臣が沖田の隣に座った。
少し離れた場所では大人組の松平と土方が座る。
「本当に大丈夫なぁの?こんなんで…」
「大丈夫だ。総悟は人を追い詰め苛めるのが趣味の超ドSだぞ。鷹臣もいるし問題ないだろ」
「いや、タッキーものすごく普通に楽しんでるけど、あれ……初めての遊園地で超楽しんで自分の世界に入っちゃってるけど、あれ…さっきから目の輝きが半端ないんだけんども、あれ…」
沖田は近藤兄弟に懐いている節があるため、鷹臣が近くにいるなら派手な事はしないと踏んでいた。
しかし松平が指差す鷹臣は後ろ姿でもウキウキ感が滲み出ているのが分かった。
そうこうしているうちに安全バーが降り、ベルが鳴る。
みんなが動くのを今か今かと待ちわびていた。
沖田はその隙を狙い、短刀の先端をターゲットの首筋に突きつける。
「しろ…」
「へ」
「ウンコしろ」
刃物で脅されている彼氏は沖田の言葉にぎょっとさせた。
しかし彼氏の反応もまた趣味の一つである沖田は気にも留めず小声のまま続ける。
「ジェットコースターが帰ってくる前にしてなかったら殺すから。」
(えええええ!!?)
突然脱糞しろと言われしてなかったら殺すとも言われた。
人間意識してシモが出来るわけもないのだが…ドSはそんなこと関係なかった。
唯一止められるであろう鷹臣は周りの客同様ワクワクドキドキで沖田に気づいていない。
流石に栗子も彼氏の様子が可笑しいのに気付き降りようかと提案するも彼氏が頷くよりも早く沖田に『降りたら殺す』とも脅され恐怖に怒鳴るように降りないと言いだした。
そんな彼氏に栗子は首を傾げていたその時――ジェットコースターが走りだした。
「うおお!?思ったよりキツイ…!」
「どうだ!?様子は――」
スピードを上げて走るジェットコースターは実は全員初体験である。
特に大人の遊園地しか行ったことない松平は余計キツく感じるだろう。
前方からかかる風圧に耐えながら土方が前の方にいる沖田の様子を見ようと目を開けたその時――沖田が前方から振ってきた。
「てめ…ッ!何してんだァァァ!!」
「ベルト閉めんの忘れた!ベルト閉めんの忘れたァァァ!!!」
沖田は脅しに夢中で安全バーが自分を固定せず閉まっていった事に気づいていなかったようで、当然沖田は吹き飛ばされた。
今は何とか土方と松平の座席の頭を掴むことで落下は免れているがいつ落ちても可笑しくはない。
悲鳴を上げてあわあわとさせる沖田に松平は声を上げた。
「おい何だこいつ!!さっきと別人じゃねえか!!テンパりまくってんぞォォ!!?」
「Sだからこそ打たれよわいの!ガラスの剣なの!!」
「コーヒーカップの時は鷹臣と楽しんでたじゃねえか!!」
「他人の手と自分の手では全然ちがうの!!!たたたた助けて土方コノヤローー!!!」
「てめッ!やめ…」
「タッキー!!!タッキィィィィィ!!!」
先ほどまでの沖田とは、人を苛めるのを生業としていると断言しても誰も疑わらないドSだったはずである。
それがたかが風に煽られ落下寸前なだけでテンパっていた。
いや、普通はテンパるものであるが…
沖田は一心不乱に土方に助けを求め土方の髪を鷲掴みし、更には鷹臣にも助けを求めた。
超楽しんでいる鷹臣の耳には風を切る音しか聞こえないはずなのだが…
「駄目じゃないか、総くん、勝手に席から離れたら」
いつの間にか鷹臣は土方と松平の後ろの空いてる席に立っていた。
それを見て土方は鷹臣が座っていた場所を見ると鷹臣の体を押さえていたはずの安全バーが上がっており、沖田と鷹臣の席は誰も乗っていない状態だった。
鷹臣は『他のお客さんに迷惑だから戻ろうか』と風をもろともせずにこりと微笑み、目を回す沖田を脇に抱えた。
そしてクナイを自分達の席の前の席の背もたれに刺し投げ、人間の目では見えない糸をロープのように伝って帰っていった。
突風ともいえるジェットコースターの風を受けてもなお、鷹臣の美貌は崩れることなくまるでそよ風のように受け止めていた。
生まれた時から人間というのは勝ち組と負け組と別れているとも言うが……松平はこの年になって神を恨んだのは初めてだった。
鷹臣を見送っていると、鷹臣は沖田の下がっていた安全バーを一旦上げさせてから沖田を座らせて今度は落ちないように安全バーを下げて固定させてやる。
そして丁度ジェットコースターの醍醐味である回転に差し掛かろうとした時、鷹臣は何故かクナイを前方の回転のため上へとあげられているレールへと投げつけ、クナイを投げた後鷹臣も安全バーを降ろし体を固定させる。
土方と松平は鷹臣の行動に首を傾げていたが、その投げられたクナイが鉄製のレールに当たって跳ね返り見事彼氏の顔横スレスレのシートへと刺さったのだ。
「…トシィ」
「なんだ」
「タッキーマジ人外」
「……………」
それを一部始終見ていた土方と松平は青年&少年達の恐ろしさにぞっとさせたという。
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