Training camp - in Irupinet Hotel -:Star


・・・なんて言っていたが、結局紫希と紀伊梨がシュウマイを買いに並んでいる間に、そのイベント(かどうかはわからなったが)は終わったか移動したかしたらしい。
騒がしかったけどもう聞こえなくなっちゃった、という紀伊梨に、一先ずイベントは棚上げしてビードロズ4人+小口は他の店を回る事になった。

「ラーメンとか食べ歩き出来んのが便利よなw」
「普通に中華屋と変わんないよね。あ、紫希炒飯貰って良い?」
「はい、どうぞ。」
「有難う。麻婆豆腐要る・・・ってそうか、紫希辛いのそんな得意じゃなかったっけ。紀伊梨、酢豚紫希にあげてよ。」
「なんで紀伊梨ちゃんなの!?あ、でもそれはそれとして、紀伊梨ちゃんも炒飯食べたーい!」
「ふふふ!大丈夫ですよ、何も返さなくて良いですから。紀伊梨ちゃんもどうぞ。」
「やたー!」
「あ、そうだ。」

小口が八宝菜を突きながら言い出した。

「小鳥遊じゃないけどさ、皆何かお土産とか買う?」
「「「「お土産?」」」」
「まあ合宿のお土産としては、神奈川出てないしあまりにも旅行感ないけどwでもま、ここで食べるだけの何か以外にも買わないかなーって。ほら、ホテルで食べる用のやつとかさ。家用のものとか、食べ物じゃなくて普通の物でも良いけど。」
「あー、そういう。」
「紀伊梨ちゃん買う買うー!あれ欲しかったの、あれ!あのー、ほら!中国のおねーさんが着てる、えーと、」
「チャイナドレスですか?」
「そうそれ!」
「あんたあんなの着てどうするつもりなの。」
「え?着るよ?どうとかじゃなくてさー、着てみたいのー!」
「紀伊梨ちゃん、お洒落が好きですものね。」
「お洒落なのかチャイナドレスはw」
「えー、お洒落だよー!ねーねー、皆で買おうよ皆でー!」
「冗談。」
「俺はどうなるw」
「はっ!?そっか、なっちんが置いてけぼりにされちゃう!えーとね、えーと・・・」
「千百合ちゃんは何か欲しいものないの?」
「私そういうの興味ないです。大体家用のは兄貴が買うし。紫希は?」
「私は家用に何か食べ物系と・・・あ、それから自分用に、桃まんとゴマ団子を・・・」
「あ、紀伊梨ちゃんも欲しいー!」
「安定の甘い奴w」
「す、すいません・・・!」
「良いんだけど、今食べないの?」
「食べたいんですけど、そろそろお腹いっぱいなので。割り切ってホテルでのおやつで良いかな、って。」
「おお!紫希ぴょんあったま良い!よし、じゃあホテルでのおやつ用に、桃まんとゴマ団子と杏仁豆腐と、しょっぱいのは小籠包と、」
「紀伊梨ちゃん本当によく食べるねw」
「腹壊すぞ・・・お?」
「おー!何か賑やかなのが近づいてきますな!」

近づいてくる。
ということは、対象が移動しているわけだ。

それを踏まえるとパレード的な催しかな、なんて一同は思いながら、ベンチで座って食べつつ見ていたのだが。

「・・・お?お?」
「あれ、カメラじゃん。」
「撮影でしょうか?」
「ロケ中なの?マジで?」

「あー!君様だー!」

紀伊梨が指さす先、人だかりとカメラの中心でにこやかに手を振るメガネの少年。

「・・・誰だっけ。」
「お前君様知らないのw」
「君島育斗さんです。よくCMに出てらっしゃいますよ。最近なら、スポーツ用イヤホンのCMだとか・・・」
「・・・あー。はいはい、そっか。あれか。」
「高校1年生にして君島コンツェルンのご子息で、CMスターなんだよね。」
「そー!君様って、CMめーっちゃ出てるよねー!」
「普通に売れっ子だよね、君様w」
「へー。知らない。」
「千百合ちゃん、あんまりテレビ見ないタイプ?」
「はい。煩いし、面白くないし。ドラマとかは、母さんが見てたら流れでちょっと見たりしますけど。」
「そういえば君島育斗さんって、ドラマとかバラエティとかにはあんまり出てませんよね?」
「あれ、知らない?」
「「「「え?」」」」

「君島育斗って、テニスプレイヤーでもあるんだよ?しかもかなり優秀で、高校テニス界でも上から数えた方が断然早いくらい。」

「「「「・・・・えええええ!?」」」」

4人はうっかり持ってた食べ物を落としそうになった。

「あれ、誰もそれは知らなかったんだw」
「全然知りませんでした・・・」
「あ!でもでも、確かに君様ってスポーツかんけーのCM多いよねー!」
「妹、お前見たことないの?ほら、テニスの雑誌とかでさ。」
「知り合い以外見てない。どうでも良いし。」
「まあ知らない奴の事は飛ばしがちだけどさあw」
「話を戻すけど、ドラマとかにあんまり出てないのはその辺の絡みもあるんじゃないかな?アスリートとしては、睡眠とか休息の時間もきっちり取らないとだからさ。」
「おー・・・ねえねえ!紀伊梨ちゃん、ちょっとあっち行って写真撮ってきて良ーい?」
「む、無理じゃないでしょうかあの人だかりでは・・・」
「あんたそんな背高くないでしょ。諦めな。」
「えー!折角そこに居るのにー!」
「気持ちはわかるけどダメでしょw」

どうも此処から伺っている限り、君島は今は正にCM撮影の真っ最中のようだった。
そもそも周りも人の壁で、君島の姿なんて微かにちらちら程度にしか見えてない。

「むー・・・」
「まあまあ、遠目で見られただけでもラッキーと思おうよw」
「それこそあんた、本当にアイドルになったら会う機会あるんじゃないの。」
「確かにそうですね。」
「おお!じゃあ、その時のお楽しみにしてよー!」

実際はアイドルになる前に会うことになる。
誰もまだそれを知らないけど。

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