Training camp - in Irupinet Hotel -:Come out
「なんて言って盛り上がってたんだけどねw」
「まあしょうがないしょうがない!中学生なんて、まだ体力つききってないんだから!」
「「「「zzz・・・・・」」」」
まさに夕暮れの海沿いを走っている帰り道、ビードロズの4人はもう眠りこけていた。
今までだったら目が固い方であった紫希と千百合ももうバタンキューである。
中学生に入ってから寝落ちが増えたのは、全力を傾けなければいけない機会が加速度的に増えているのに、スタミナが追いついていないから。
「やっぱホテルで寝てるとはいえ、旅先は疲れるわよねー。」
「そりゃあなあw濃い3日間だったろうし。」
「そういや、結局変装作戦は上手く行ったの?」
「ああいや・・・最終的に数人にはバレたんだけど。」
「あ、そうだったの?でもまあ、数人で済んだんだから良しとして・・・お前何目逸らしてんの?」
「・・・・・・」
「そこのおばさんは酔っぱらって中学生にくだを巻いた挙句、酒をぶっかけて服をクリーニング送りにして後片付けしてくれた中学生に悪い冗談をぶっこいて突いていたんですよ。」
「はああ!?」
「・・・・・ごめんなさい。」
小さくなる小鳥遊。
いや、これは本当に悪いと思っているのだ。羽目を外すための旅行だったとはいえ、ちょっと外しすぎたと思う。
「え、信じらんねえ何それ!?いつ!?」
「昨日の夜。」
「マジか・・・ってあー、そうか!俺は飲みに出てたけど、お前はホテルで飲んでたんだっけ。え、いやでも、えー・・・面目丸つぶれっていうか普通に恥さらしっていうか、ただの迷惑なばばあじゃん。」
「ばばあって言わないでよって文句言いたいところだけど、今回は何も言えない・・・」
「マジでさあ、俺なんて親御さんに言えば良いのかわからないんだけど。」
「助けは?求められなかったの?」
「何かあったら呼ぶからって言われて、普通にテレビ見てた。此奴も一緒にトランプするっていうし大丈夫かと思ってたんだけど、此奴が大丈夫じゃないっていう意識が欠けてたわ。紫希ちゃんも、呼ぶほどじゃないかと思ってとか言ってたし・・・」
「ああまあ、でも紫希ちゃん遠慮深いからなあ。」
「返す言葉も・・・」
翌日、酒が抜けて正気に返った小鳥遊は、二日酔いの気持ち悪さとやらかしてしまった事の大きさ、二重の意味で顔を青くして4人に土下座していた。
「えー、お前・・・釈明は勿論だけど、何かお詫びしろよ!何か!今すぐとは言わないから、何か良いもの!」
「そうなのよねー・・・服汚しちゃったから全員に服とか、ホールケーキ各家庭に1個づつとか、色々考えたんだけど・・・」
「けど?」
「結局、「もの」は要らないって断られちゃったのよねー。何か「こと」で返して、ですって・・・」
「お前に出来る「こと」って何?」
「・・・ビ、ビードロズの宣伝、とか・・・?」
「お前はテニス雑誌の記者でしょ?」
「カメラ係とか・・・でもまあ、黒崎さんが既にカメラマンだからなあ。」
「此奴カメラ下手だしね。要らないな。」
「反省してますから、これ以上虐めないでー!」
オレンジ色の夕日に照らされながら、白いハイエースは海沿いを走る。
お家まで、もう少し。
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