Solicitation:2nd game 2


髪とか服とか、そこらじゅうペイントでカラフルな風体のまま、
わけわからん・・・なポカン顔で立ち尽くす千百合。それから丸井、真田。
柳生と柳は悔しそうで、Aチームは皆勝利を喜んでいる。

「よーーーっしゃー!やったー!やったー!出来たぞ私ー!凄いぞ私ー!」
「ふふ。そうだね、凄かったよ五十嵐。」
「えっへん!褒めて褒めてー!」
「はあ・・・」
「肝が冷えたぜ・・・」
「お疲れさん。2人共よう予定通りに動いてくれたぜよ。」

「・・・おい、これはどういう事だ。」

口火を切ったのは真田だった。

「俺達が勝ったのではなかったのか?」
「私もそう思ってた。」
「おう、俺も。」
「・・・つまり、ブラフだった。というわけだ。」
「ブラフだと?」

「あちらの代表者は、五十嵐さんだったのですよ。」

は。
の形に3人の口が開いた。

「そうでしょう、仁王君?」
「気づかれたか、間一髪じゃのう。」

このチーム編成では、幸村と桑原対真田と柳。
紀伊梨と仁王対丸井と柳生。
それから代表者の千百合と紫希、としなければ膠着状態まで持って行けない事は分かっていた。

兎に角紫希がウィークポイントなのだ。
何処かのポジションに紫希を入れれば其処が穴になって相手に出し抜かれるから、紫希には大人しくしておいてもらうしかない。
しかしそれでも、最終的にタイマンになれば紫希は競り負けるだろう。

ならどうするか。
囮になって貰うのだ。

「コートの一番奥に居る。何もしない。怯えて皆の方を伺いながら、ペイントに当たらぬように注意を払い続ける・・・俺達は春日のその様子を見て、春日が代表者であると思い込まされていたわけだ。」
「代表者って言うのは便利なポジションでね。何せゲームのキーパーソンだから、動きがあると皆そっちの方を向かざるを得ないだろう?」

そうやって皆がそっちに気を取られたら後は簡単。
引き摺り出した向こうの代表者を、伏兵・紀伊梨がスナイプするというわけだ。

「ニオニオってば酷いんだよー!バレない為だー、とか言って、めっちゃ当てて来るんだもん!」
「ペイントまみれになっとかんとネタが掴まれるじゃろ。お前さんこそ、考えなしに発言するのは止めんしゃい。」

皆が皆ペイントに染まっているこの状況で、紀伊梨だけ綺麗では怪しまれる。
しかし相手にぶつけられたら、代表者が当てられたとして万事終了。
だからそれを防ぐ為に誤爆の振りをして仁王はどかどか紀伊梨にペイントをぶつけていたわけだが、都度都度紀伊梨は文句を言うので凄くヒヤヒヤした。

「ああ、あれ、お前のドジじゃなかったのか。」
「違うよ!違いますー!ブンブンめっちゃ笑ってたっしょー!見えてたんだからねー!」
「ははは、悪い悪い!」

「・・・ちょっと悔しい。」
「・・・してやられたな。不覚だ。」
「まあ、これは負けとして潔く認めよう。向こうの作戦勝ちだ・・・・柳生?」

「・・・・・」

柳生比呂士12才。
今迄生きてきてこんな悔しい思いをした事は無い。

(何故分からなかった・・・!もう少し!もう少し踏み込んで考えていれば対策が打てたのに!)

タイマンになったら千百合が勝つ。
そこまでは予測できていた。
何故そこで、「だから勝てる」と判断してしまったのか。

仁王だってそんな事に気づかないような馬鹿じゃない。
負けると分かっていて突っ込んでくるような男でも無い。
何処かに勝算があるに決まってる、それを突き止めねばならなかったのに。

「めっちゃ悔しそうね。」
「ふふふっ。良いね、仁王の件を抜きにしても是非入って貰いたいよ。」
「やっぱり?」
「うん。負けず嫌いなのはとても良い事だからね。」

勝てなくても良い。
その発想は、その人を勝利から急速に遠ざける。

負けたくない。
勝ちたい。
そう思える性格は、非常に好ましい。

幸村だけでなくて、皆そう思っている。

後は柳生が落ちて来るのを待つばかりなり。


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