Solicitation:4th game 2
「・・・・・・」
「お前もか。」
「ん?なんだい千百合、お前もって。」
「紫希もあんたも好きな物見つけるとすぐ意識がそっち行くんだから、って言いたいの。」
幸村は置いてあったクローゼットの前でさっきから棒立ち状態であった。
「ふふ。ごめんね、あんまり見事な彫刻だから。ほら、此処の山茶花の彫り込み具合なんか、見事だと思わないかい?」
「そうなの?」
見事と言われても、逆に見事なのかどうなのかは分からない。
綺麗だなとは思うけど、千百合には見事な物とそうでない物との差がちょいちょい分からなかったりする。
「中は見たの?」
「いや、これから開けるよ。千百合は離れていてね。」
「なんで。」
「これはクローゼットだから。紙魚が居るかもしれないよ?」
「任せる。」
「ふふふっ。」
紙魚とは所謂古紙、ないし古い布や畳に居つく虫である。
女の子のクローゼットを男の自分が開けるのはちょっとどうかと思うけど、まあこの場合仕方あるまい。
「さて・・・・」
「どお?何か居た?」
「居はしないかな。多分ね。」
取り敢えず埃っぽいが虫とかなんだとかの気配はしない。
中には可愛らしい小花柄のワンピースだとかなんだとかが何着も下がっている。
「ズボンは履かない子だったっぽいわね。」
「ああ、そうだね。確かにスカートが多い・・・多いと言うか、それしか無いかな。」
サッサッとハンガーを繰っていくが、ワンピース、ワンピース、ブラウス、ワンピース、コート、ワンピース・・・と言った調子で、大体ワンピーススカートである。
「こういうのはポケットに何か、ヒントめいた物が入れてあるのもセオリーなんだけど。でもそのポケットも、そもそもついて無い物が多いね。」
「棒無いか。棒。」
「棒?」
「手入れたく無いから。」
「あはは!大丈夫だよ、もしあれば俺が調べるから。」
紙魚が居るかもと言われると、もう居るとしか思えない。
居ないっぽいといってるのに怯えすぎだろと普通は思うが、嫌いな物とはそういう物である。
幸村的には其処も可愛いポイントなのだが。
「ん?」
「うん?」
「何か今チャリ、って言わなかった。」
紀伊梨みたく耳が良いわけではないので、絶対!とは言えないけど。
でもチャリ、と言った気がしたのだが。
「どの辺りだい?」
「その辺。小銭でも入ってんのかな。」
「ふふっ。淑女はポケットに小銭を入れて持ち歩いたりはしないと思うよ。」
逆にいうと、もし本当に小銭が入って居たりしたら、それは多分棗の入れたヒントなのである。
重要な手がかりだ。
「・・・あ。」
「あった?」
「うん。小銭じゃなかったけれどね。多分これじゃないかな?」
幸村が手に取ったワンピース。
その胸元にはロケットペンダントが揺れている。
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