Solicitation:4th game 2
「さて。一通り探索したわけじゃが、どうじゃ。何か収穫は?」
輪になって固まるAチーム。
これからいよいよ、ヒントの場所の特定作業が始まるわけだが。
「クローゼットでこれを見つけたよ。」
「それはなんだ?」
「お前普段偉そうな事言ってるくせに、ロケットペンダントも知らないのかよ。」
「何故其処まで言われねばならんのだ!」
「まあまあ・・・真田君は男子ですから、アクセサリーに詳しくなくても無理はありませんよ。ね?そうですよね?」
「中には何があった?」
「彫刻だね。おそらくイエス・キリストじゃないかな。」
幸村の手の中では、彫りの深い白人男性が、ロザリオを携えて此方を見ている。
「綺麗ですね。」
「だが、ヒントには繋がりそうもないな。」
「こっちのヒントには月だの星だのいう事しか書いてないしね。」
「まあそれは比喩としても、ゴールから遠そうな事には変わらんナリ。」
「そうだね、此れだけじゃどうしようもない。他に何か見つけた人は?」
「あの、此れを見つけました。厳密には、丸井君が見つけたのを私に下さったんですけれど・・・」
「くれた?」
「くれたとはどういう事だ?」
「ええと、これなんですけれど・・・」
Side A
逆方向
「・・・このSide Aっていうのは、Aチーム。つまり俺達の事と捉えて良いのかな。」
「はい、多分。それで、Bチームの自分が持っていてもどうしようも無いから、と丸井君が下さったんです。」
「其処で握りつぶさんのか。」
しれーっとこっちのヒントだったーとか言って持って行けば、自分の有利にはならなくても相手の不利にはなるのに。
甘いと言うか正直と言うか。
「あんたじゃないんだから。」
「何を言うか、普通の発想じゃき。」
「しかし、相手の有利になるものをたまたま見つけたからと言って、みだりに取り上げたりするのは卑怯と言うものだろう。」
「卑怯っちゅうから駄目なんじゃ。作戦と思いんしゃい。」
「あ、あの・・・」
「まあ、今回は丸井が優しくしてくれてラッキーと思っておこう。それより、今は中身だよ。」
「とは言うがな・・・」
珍しく真田が弱った声を出した。
そりゃあそうだろう。
一体これが何のヒントになるというのだろうか。
「ふふふっ。弦一郎は、こういう抽象的な事は得意じゃないよね。」
「ああ。回りくどい表現はどうも苦手だ。」
「使えない奴。」
「悪かったな!」
「この、方向っちゅうのがどうも解せんの。」
「私は「逆」の部分が引っかかります。」
「ん?」
仁王は顔を上げた。
「逆っちゅうのは、字の通りなんじゃなか?」
「ええ、そうだと思います。つまりこれは、なんらかの方向に対して、逆。その方向ではない、というヒントだと思うんですが。」
「なら、」
「ただ、それは要するに、私達が元々勘違いするというか・・・何らかの事に対して、この方向が正しい、合っている筈だ、と思うからこうしてヒントを出して、それは違いますよ、と訂正しているわけじゃないですか。でも、これが正しいと「方向」に対して私達が思っている事って、なんだろうと思いまして・・・」
言われて、もう一度ヒントを見た。
「・・・・・・・」
なるほど。
そうきたか。
「・・・お手柄じゃ、春日。」
「え?」
「何か分かったのかい?」
「まあ、答え合わせはヒントを探してからにするぜよ。」
「しかし、探すも何もその逆方向というのもヒントの内だろう。」
「ああいや、それはおそらく違うナリ。多分これはーーー」
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