Solicitation:4th game 8
『21番、を、倒せませんでした。正解番号が更新されます。Aチームのプレイヤーは、再度パズルを解き直してください。』
「ちょっと、良いの?」
「うん、これで良いんだ。」
幸村の足元には、75番の缶が転がっている。
これでAチームは間違った缶を落とした、とされ、解答のターン終了である。
「それよりも今は、一刻も早く相手のチームにターンを渡さないと。」
「何で?」
「缶に触れて良い時が、その時しか無いからだよ。」
「柳も行っちゃったけど。それも良いの?」
柳はもうこの場に居なかった。
桑原が失敗すると、柳はすぐさま駆けだして行った。
おかげでこっちも、仁王と真田と打合せする暇が出来たのだが。
「良いとは言わないけど、そう俺達にとって痛手でも無いから。心配しなくても良いよ。」
「ふーん。」
幸村も柳も双方不可解な事しかしないが、まあ抜群に頭の良い2人の事。
何かしらそうせねばならない理由があっての事だろう。
「私、何してたら良い?」
「うん?ううん・・・そうだね。」
ぶっちゃけ、此処から先は成り行き次第の部分が大きいのだ。
解答のターンがどっちに回って来るかを確実に調整する術などないし、Bチームがどう出て来るかも此処から反応を伺わなければいけない。
「一先ずやって欲しい事は2つかな。ただ、1つは相手チームのターンになってからになるから、何はさておいて、それを待たないといけないね。」
「分かった。もう1つは?」
「特に離れる必要が無い限りは、俺の傍に居て欲しい。」
幸村は事もなげに言った。
「別に危ないからとか守る必要が出て来るだとか、そういうわけではないけれどね。ただ、俺がそうして欲しいというだけで。だから、千百合が嫌なら良いけれど。」
「・・・・・・わ、かった。居る。」
「有難う。嬉しいよ。」
そう言ってにっこり笑う正直な幸村からは、本当に本心から喜んでいるのがとても良く伝わってくる。
ああ恥ずかしい。此処に柳が居なくて本当に命拾いした、と千百合は思った。
「まずいな。」
「ええ、これは此方が極端に不利です・・・・」
Bチームは頭を抱えていた。
やばい。
事態は思った以上にやばい。
「何がー?私達そんなにヤバいのー?」
「やっぱり、幸村か・・・・?」
「あ!そーそー、ゆっきーってば凄かったよね!あーんな遠くから、桑ちゃんのボールバシーッて!ちょービックリしたよー!」
「ああ、俺も驚いたぜ。」
完全に油断してた。
如何な幸村と言えど、こんな植物だらけの見通しの悪い状態で、あんな超超距離から狙撃されるなんて。
しかも綺麗に当てられた。今でも信じがたい。
「むー、でもでもー!こっちだって負けてないよね!さっきからお邪魔虫は出来てるし、そりゃー純粋なテニスしょーぶになっちゃったら、ゆっきーには敵わないかもだけど・・・」
「五十嵐、正にそれだ。」
「へ?」
「純粋なテニス勝負となると、あちらは圧倒的有利。その事を向こうも熟知しています故、そういう状況に持ち込もうとしているのです。」
「待て待て、どういう事だ?どういう事だって言うか、言ってる意味は分かるけど、どうやって・・・」
植物だらけの中、無数の缶の内ランダムに指定される物を狙う。
このコンディションに加えて、各々の現在位置や諸々の要素を加味すると、持ち込もうと思ってもテニス勝負になんて出来る気がしないのだが。
「それを可能にする方法があるんです。」
「ただ、残念だがこれに関して俺達の側は対抗手段をほぼ持たない。抵抗こそ出来ても、逆転はかなり厳しい。」
「何する気なんだよ彼奴ら。」
「それは・・・・」
『Bチーム、正解です。番号は、63番、です。』
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