Solicitation:4th game 9
「堂々としたものだな。」
「何の」
「何の話だ、とお前は言う。恍けなくても良い、仁王。俺には分かっている。」
「プリッ。」
仁王はさながらカモの子供のように柳の後を付いて進んでいた。
「助かったぜよ。参謀が困ってる人間を見捨てられん、優しい心の持ち主じゃった事を感謝せんとな。」
「白々し過ぎて逆に返事に困るな。」
どう考えてもわざとである。
自分を狙ったわけではないだろうが、Bチームの誰かが通りがかるのを待っていた事は間違いあるまい。
こうなると、ついて来るからと言って振りきれない。
柳の様な性格の者は、なまじ頭が良いだけに、適当に進むという事が出来ないからだ。
頭の中できっちりマッピングし、今どこに居て来た道はどう伸びていたか忠実に覚える。
その作業は、撒く事に必死になって走ってしまっては一気におじゃんになってしまう。
不本意ではあるが、事が動くまで同行するしかない。
「嫌われたみたいじゃの、悲しいナリ。」
「いや、そんな事は無い。確かに悔しくはあるが、同時に俺は今お前を見直したところだ。」
「ん?」
「お前は、他のメンバー。恐らく、幸村以外の3人にも、同じ事を強いているのだろう。視覚が使えない状態で、Bチームの誰かに突き当たるまで進めと。」
バレてる。
というか、バレた。この短時間で、恐れ入る。
「この暗さで、携帯も取り上げられて、それでも尚明かりを差出し、その上で進めと命じる。チームメイトだからと言って、そこまで身を削らせるその割り切りぶりは、俺は嫌いではない。」
「其処が高ポイントになるとは、頭の良い奴の考える事はよう分からんぜよ。」
「何事においてもそうだが、中途半端な事をする者は出す結果も自然、中途半端だ。どういう方向でも構わないから、振り切れている事。そういう奴の成す事こそ、認める価値がある。お前はそう言う奴だという事を改めて認識した。それだけの話だ。」
まあ、それが必ずしも褒められた方向じゃない場合も込みでの話だが。
流石に女子にその要求は厳しかろうもん、なんて遠慮は仁王には無い。
「リーダーが命知らずだと、下も苦労するな。」
「ケロ。」
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