Solicitation:4th game 12
(厳しいですね・・・まさかこう来るとは思いませんでしたよ。)
「・・・はっ!」
柳生はボールを打ち続ける。
もうゴールは見えてる。
こっちのチームの板も、あっちのチームの板も、双方もうボロボロだ。
もう少し。
後少し。
そのもう少しが、力のそれ程強くない自分には遠い。
「なんじゃ、辛いか?」
かけられた声にはたと顔を上げると、仁王がにやりと笑いながら自分を見ていた。
そっちだって大概疲れてきてるだろうに、尚も煽ってくるその根性。逆に見上げる。
「・・・そうですね、正直堪えないと言えば嘘になってしまいますが。」
「降参するか?今すぐ休憩に入れるぜよ。」
「御冗談を。そちらこそ、ご休憩を取られては?」
「生憎じゃが、俺はまだ平気じゃ。」
嘘吐け、と喉まで出かかったが、止めた。
そうだった、此奴嘘は超得意なのだった。
「お前さんは堪えとるんじゃろ?」
「ええ。ですが、此処で退くともっと堪えがたい事が起こりかねませんので。」
それは何か?勿論負ける事である。
「・・・ふっ!」
一段と気合を入れて打つ柳生。
でも。
負けたくないのは仁王とても同じである。
(此処で負けたら、もう終いじゃ)
余裕ぶっているが、自分はもう3戦の内2敗している。
絶望の崖の縁に、踵がもうかかっているのだ。
此処でドン、と駄目押しされたらもう真っ逆さま。
敗北。さようなら。
そんな事許されるか。
「・・・幸村。」
仁王は打つのを一度止めて、幸村に近づいた。
「仁王?何だい?」
「頼みがある。これをな・・・・」
そう言って仁王がポケットから、第3ゲーム時に使われた跳ねないボールを取り出した。
それを見て、幸村はフッと笑う。
「良いよ。引き受けよう。」
「助かるナリ。」
本当に助かる。
自分の作戦を可能にする技量も、今のやり取りだけで全てを察してくれる頭の回転も。
後やる事はもうたった1つ。
出来れば相手より先、最低でも相手と同時に板を壊さねば。
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