Solicitation:4th game 12
「はあ・・・・」
紫希はもうそろそろ再度小休止に入ろうかと思い出していた。
でも、どうも後もう少しなのだ。
もうちょっと。もう少し。
(後3・・・いえ、5球だけ打ったら、もう一度休憩を・・・)
「・・・えい!」
又1球打つ。
さあ、次だと思い、紫希が辺りにボールはと周囲を見回した、丁度その時。
ミシ・・・・バキバキ!
どんなに聞きたかったろう、その音。
壁が壊れる音だ。
(やった・・・って、あ!)
こっちの壁が壊れ、見えた物。
机の上に置かれているボタン。
その更に向こうで、Bチームの壁も今正に破壊されたのが見える。
相討ち・・・・いや。
まずい。
「いけえええーーい!」
真っ先に突っ込んでいく紀伊梨。
対して、こっちで一番壁に近い所に居たのは千百合。
これはまずい。
純然たるスピードのみの話をするなら、千百合は紀伊梨に劣る。
間に合わない。
負けるのか。
こっちは負けるのか。
「・・・すまない、五十嵐。」
幸村の、嫌に静かな声が隣に居た紫希の耳に届いた。
かと思うと、幸村はサッとトスを上げ、紀伊梨の右手めがけて思い切り打った。
「あたーっ!」
「おい、止まるな!早く行かないと・・・」
バン!
と桑原の声を遮るように音が響いた。
千百合の右手が、机上のボタンを。
ゴールの証をを抑えた音。
「しゅーりょー!勝者はAチーム!」
棗の声の陰で、紫希がラケットを取り落とす音が鳴る。
「・・・・・!」
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