Solicitation:Epilogue 1
「はーあ、怒られた怒られた・・・ちぇー。」
棗はちょっと口を尖らせた。
中学入って友達が増えたのは良いが、ちょっとお堅いのが多すぎ感はこういう時とてもある。
5人だった時は、もっと皆隙だらけだったのに。
「なっちん。」
「お?どした?」
収穫の無いスマホを見る棗の後ろから、仁王が顔を出した。
「今日の工程はこれで終了じゃな?」
「おお、そうね。後はもう帰るだけ・・・あ!サンキュ、仁王。忘れてたわ。」
棗は鞄からそこそこの大きさの包みを取り出した。
危ない。これ、肝心な物なのに。
「柳生ー。」
「はい?」
通路を挟んで隣に居た柳生に、棗は包みを手渡す。
「?これは何ですか?」
「ごめんね渡すの忘れててw優勝賞品だよ、大したもんじゃねえけどw」
「ああ・・・」
自分も貰うのをすっかり忘れていた。
そう言えば、貰ってなかったね。あるとは言われてたのに。
「有難う御座います。有難く頂きます。」
「中はなんじゃ?」
「ええと・・・」
「あー、駄目駄目!家で開けて、お願い!此処は駄目!」
「・・・何なんですか。」
手で大きく×を作る棗に、柳生はちょっと不安になる。
何が入ってるんだ。爆弾とかじゃないだろうな。
「なんじゃ、アダルトビデオでも入っとるんか?」
「違うわw」
「お返しします、黒崎君。」
「だから違うって!そういう物じゃないから、良い子で受け取って!家で開けて!仁王、お前は余計な事言うな!」
「ピヨ。」
『えー、お知らせします。当バスは、後10分ほどで、湘南に到着いたします。御降車の準備の方、よろしくお願いします。』
「あー、時間来ちゃった。おーい!皆起きろー!降りるよー!お家に帰るまでがお出かけだよー!」
「久しぶりに聞くフレーズナリ。」
「小学生の折は、良く言われましたね。」
「五十嵐、起きろ!」
「にゅ・・・あれ?オカメインコの日向ぼっこ日記は?」
「どういう夢だ?」
「ブン太、春日。もう着くぜ。」
「んー・・・?もうちょい・・・」
「もうちょい、じゃない!ほら春日も、眠いと思うけど頑張れ!」
「うん・・・・」
「千百合、起きて。そろそろ到着だよ。」
「えー・・・マジか、早くね・・・?」
バスは走る。
今日の終わりを告げる夕日を浴びながら。
湘南まで、後少し。
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