For dive 2
ビードロズの共用CDの管理は棗が行っている。
だから何か買い足したい時は、共用にあるかないか確かめてから買うのがビードロズの習慣である。
「今どんな感じですか?」
「最近結構バラードばっかり買ってたかなって感じ。まあ新曲のメロがバラード寄りだったから、いっぱい買っちゃったよね。」
「ではそろそろポップスに戻しましょうか。」
「テクノ?」
「パンクも良いですね。」
「ポップス買うんとちゃうん?」
「ポップスです。パンクポップの事です。」
全然分からん。
「春日さんら、やっぱり詳しいな。」
「別に詳しいってほどじゃないけど。」
「ある程度の事は、やっていると自然に覚えますので・・・」
「それはまあそうかも知らへんけど。」
「忍足君は、音楽など聞かれないんですか?」
「聞くけど俺は普通にJpop聞いてるだけやしな。後詳しいのんはどっちか言うたらクラシックやし。」
「「クラシック・・・」」
超似合うな、と2人は同時に思った。
「部屋に蓄音機あるタイプ?」
「いや、其処までは流石に。親父の部屋には真空管あるけど。」
「ピアノとかヴァイオリンとか・・・」
「ああ、ヴァイオリンは習ってるわ。」
「へえ。習うとこまでいってんだ。」
「正直、そんな言う程のめり込んでるわけやないねんけど。昔からやってるさかい、半分はもう習慣やな。」
続ける理由なんて特に見当たらないけれど、辞める理由も別に無いからなんとなく現状を維持しているだけである。それでも要領が良いから、お前練習怠けてただろと突っ込まれない程度には出来るし。
「まあそれでも、やる気そんなにあらへんのんはばれてる気配するわ。忍足君疲れてそうやね、とかよう言われるし。」
「ううん、でもテニスもありますしなかなか難しいですよね。同じだけ時間を割く事は出来ませんから・・・」
「せやねんな。まあもう無理やと思うたらその時は止めよかと思うてるけど。」
「あっさりしたもんね。」
「趣味やからな、俺にとっては。ヴァイオリンは好きやけど、優先順位は低なってまうわ。」
「やっぱり、テニスが1番ですか?」
「せやな。2番は勉強やし、3番以下て所やわ。」
「結構成績気にすんのね。」
「一応医学部行く気あんねん。これでも。」
「では、お医者様になられるんですか?」
「まあ。医者言うか、医学研究者あたりでええんちゃうと思うてるけど。」
「えらい具体的じゃん。」
「臨床医になられるわけじゃないんですね。」
「いや。別に臨床医もええねんけど・・・・」
「「けど?」」
「・・・・まあ、色々。」
(何か、深い事情がおありなんでしょうか・・・)
(医者の子供は医者って言うしな。その辺の絡みで何かありそう。)
別に深い事情なんて無い。臨床医を避けたいのは単に、心を閉ざしてちゃ患者の相手が出来ないからである。
ある意味では接客業とも言える医者の本分の1つがとっても不得手な事を、忍足はどうにか隠していられた。
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