Camp school:Cowardly spirit 1


「・・・・・」
「気になりますか?」
「え!ああ、まあ・・・はい。」

新海は松風と共に、山を下りて麓の町にある24時間営業のカフェに居た。
グループで分かれるので、全員にはついて行けない。それなら逆に、交番と駅が目と鼻の先である此処で待機して、何かあった時に即動いた方が良いのではと教師間で話が纏まったのだった。

「すみません、松風さんまで付き合わせてしまって・・・」
「いえいえ、構いませんよ。神社でも言いましたが、僕は「神主として」とかそういうのに興味はないんです。面白そうなのでついて来たに過ぎません、お気になさらず。」
「はあ・・・そう言って頂けるとこっちとしては有難いですけど・・・」

(・・・面白いかあ?いや、俺は生徒が活動してるのが良い事だと思ってるからあれだけどさ。)

でも教職でもない松風は本当に楽しいんだろうか。
新海はどうも解せないのだが。

「・・・あの子達。」
「はい?」
「見つけられますかね。精霊。」
「ああ・・・」

そうだ。
松風は居る体でしか話をしないのだった。

「先生はどう思いますか?」
「俺?俺は・・・」

どう、と言われると。

「・・・正直。」
「居ないと思っていますか?」
「いや・・・俺はどっちかというと、マジで見つけちゃったら俺は何してやったら良いんだろうって言うか、何してやれるんだろうっていうか・・・そっちで。」
「ほう・・・」

松風はちょっと目を眇めた。

「という事は、先生としては実際捕まえる可能性がそこそこあると踏んでいると。」
「いやー、なんというか・・・・俺個人はその、霊感とかそういうのは全然無いんですよ。あ!いや、なくて良いんですけど!幽霊とか見えるの怖いし!ただ、生徒達の事を考えると・・・」
「見える子が居ると?」
「見えるとかじゃなくて、規格外な生徒が・・・多いもんで・・・」

それこそ霊感の有る無しそのものをひっくり返して捕まえてくるんじゃないか、と思われるのが何人か居るのだ。某神の子がその筆頭。後あのオフザウォールとか。

「あっはっはっはっは!良いですね、頼もしいじゃありませんか。」
「そうですかあ?」
「あの精霊とコンタクトを取りたいのなら、それくらいでないと。」
「精霊とコンタクト、か・・・確かに五十嵐は向いてるのかも。一番ちゃんと信じてるし・・・」
「先生。」
「はい?」
「私は、一番純粋に信じているからという理由で五十嵐さんに「可能性が高い」と言ったわけではありませんよ。」

念押しのようにそう言う松風に、新海はちょっと面食らった。

「・・・違うんですか。精霊って、なんかこう・・・」
「そういうものかと思っていましたか?」
「ほら、言いませんか?信じる者は〜って、これはキリストですけど。」
「言いますが、今回は違います。」
「はあ・・・」
「新海先生。再三言いますが、私はそもそも神主だとかそういう事に興味がないんです。ですから、他所に居る精霊や神の事は知りませんし、知りたいとも別に思いません。ただ、うちの神社に居る神や、今回の精霊の事は違います。私は彼らの事ならそこらの人よりは知っている。その上で言いますが・・・」
「・・・が?」
「うちの精霊は、そんな精霊らしい精霊じゃありませんよ。性格が。」
「と言いますと?」
「純粋な者の前に姿を現すとか、信じる者がどうとか老人だからとか子供だからとか、心が優しいからとか。そういう理由であの精霊は寄ってくる人間を選んでるわけじゃない、もっと低俗ですよ。」
「低俗って・・・ううん・・・あれですか?友達になりたいから、親しみやすそうな奴とか?」
「その理由なら私は寧ろ高尚と思いますね。」
「えええ!?」

新海的にはかなり人間臭い理由を考えたつもりだったのだが。
あっさりハズレと言われて「?」でいっぱいになる新海に、松風はコーヒーカップで口を隠しながらこっそり笑う。

まあまさか思うまい。
精霊があんな理由で人を選んでいるなんて。


5/5


[*prev] [next#]

[page select]

[しおり一覧]

1年1学期編Topへ
1年夏休み編Topへ


-