My narrative
「おはようっ。」
「可憐!」
「可憐おはよ〜。」
「オ、オハヨ・・・」
こら、と伊丹が内川を軽く肘で小突いた。
内川はイテッ、とだけ呟くと視線を落とした。
「えっ?えっ?な、何、どうしたのっ?何か変じゃないっ?」
「あの、イヤ・・・」
「何でもないよ、何でも。」
「可憐今日も朝練だったんでしょ?お疲れ〜。」
「お、お疲れさま・・・」
なんだ。
なんなんだこのぎこちなさ。
(邪険にされてるとかそういう感じじゃなさそうだけどっ、なんだろうこのギクシャク感っていうか、ドギマギ感っていうか・・・なんていうかこう、気を使われてるような・・・!)
「皆っ!」
「何?」
「もしかして、うちが関東大会で負けちゃったから気を使ってませんかっ!」
もしかしてと言いつつ、もうほぼそうなんだろうという確信があった。
他に思い当たる理由がない。
「ギク!」
「ほら!今真美、ギクって言ったっ!」
「真美、もう!」
「役立たずが〜。」
「そこまで!?あ、イヤ、そのー、ほら・・・」
「う〜ん、まあぶっちゃけ落ち込んでるんじゃないかなっていうか〜。」
「・・・皆さ、結構話してるわけよ。テニス部準優勝とか凄いよねって。でもさ・・・」
「・・・うん。」
可憐の友人である3人はそれを聞く度にしょっぱい思いになるのだ。
準優勝だって十分凄いじゃないと思っているし、それは嘘ではない。でも可憐を通してテニス部のことを窺い知るに、今回の結果をテニス部は決して喜んでいないであろうこともわかっている。
「・・・有難う、心配してくれてっ!でも大丈夫っていうか、気にならないって言ったら嘘になっちゃうけどっ。でも、落ち込み続けてる暇もないからっ!」
「まあそうだよね〜。」
「ていうか、まだ大会は終わったわけじゃないもんね。」
「あっ、ソウカ!優勝校だけが全国行くわけじゃないんだもんな!」
「うんっ。そう、そうなんだよね・・・・」
そう。
そうなのだ、関東大会は終わったけれど夏はまだ終わっていない。
(でも・・・・)
「可憐?どうしたの?」
「やっぱこのハナシしたくない?」
「えっ?あ、ううんっ!そういう事じゃなくてっ!」
「ていうか、真美は人の心配してる場合〜?」
「あっ!そうそう、真美はっ?この前の大会どうだったっ?」
「え?あー、イヤー・・・ハハハ!」
「危うく二回目のフライング取られるとこだったんだって。」
「その先走り癖さっさと直しなよ〜?いつか絶対やらかすよ〜?」
「ウグ、わかってんだけど・・・!」
そんな話をしながら聞く予鈴。
今日も一日が始まる。
いつもと変わらない一日が、また。
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