Training camp - in Hyoutei gakuen -:Type of assent 1

「マネージャー!次のメニュー何だっけ?」
「ええと、ええと・・・グループEは走り込みですっ!」

合宿では丸一日を練習に費やす事を想定し、マネージャーと部員をグループ別に分けて回している。
普段はこういう事はしていないが、合宿期間だけの特別ルールである。

可憐と網代はマネージャーのリーダー並びに副リーダーではあるが、それでもグループ分けはされている。
今日の可憐の担当はグループE。

(ええと、ええとっ!走り込みの後は小休止して、その後は、)

「桐生さん!スポドリの粉、いつもの所に無いんだけど知らない!?」
「あああっ!ええと、今日は棚の上に、」
「棚の上ね!」
「・・・・・!ち、違うっ!違います、そこからも移動しましたっ!今は第二部室のテーブルの上ですっ!」
「部室ね、分かった!」

(あああああ!考えてる暇がないよ、どうしようどうしようっ!)

この合宿でのグループ分け作戦は跡部の発だが、これは大分功を奏していた。
こんなに忙しいのがその証拠だ。

部員もマネージャーも、もう春から新体制でずっと部活やってきて、初期の混乱も収まり皆慣れてきた所なのにこのハードさ。
待ち時間を徹底的に省き、常にちゃんと動いているようにと跡部が練ったシステムはかなり上手く働いているわけだ。

部員たちは死にそうだけど。

(だ、駄目だちょっと休憩をっ・・・)

「あ、あのっ!私ちょっと、あっちで顔を洗って来て良いかなっ?」
「あっ、うん!わかった、いってらっしゃい!」

同じグループのマネジに断りを入れ、よろよろとした足取りで水場へ行く。

ああ汗が出る。
こうして気温が暑いから余計にかっかするのだ、冷えたら少しは思考が冴える筈。

「・・・・ぷはっ!はあ、気持ちいいっ!」

どんなに外が暑くても、水道の水は冷たい。
顔を洗うと風が濡れた頬を乾かして、それがまた涼しい。
水場に来て正解だった。


「もうマジ大変だよねー!」


隣の水場から声がして、そちらを向くと2年生の先輩マネジ2人が同じく顔を洗いながら話していた。


「ハードだわ、あっついし・・・!」
「そう?私そうでもないけど。」
「・・・・・・・」
「え、何よその目は。」
「くぬやろ!」
「きゃ!ちょっと、何すんのよー!」
「良いわよ良いわよ、あんたは西と一緒のグループなんだからー!そりゃーモチベも上がりますよ、暑さなんか感じませんよ、ふーんだ!」
「なっ!違うもん、そんなんじゃないもん!」



「・・・・・・」

わあわあ言いながら戻っていく先輩を見つめる。

そうか。
そういうのもあるのか。

まあそうか。
普段は全部員と全マネージャーが入り乱れているが、今日はかなりグループ分けがきっちりなされている。同じグループの部員、マネジとは今日一日かなりべったりな付き合いになるが、反面違うグループとはほぼ掠りもしない。


そうか。


「おい!」

ハッとして振り向くと、ラケットを携えた宍戸が後ろに立っていた。

「・・・えっ?あれっ?宍戸君、どうしたのっ?」
「いや、俺は顔洗いに来て。っつうかお前こそどうしたんだよ、ぼーっとして!どっか悪いんじゃねえのか?今日暑いし・・・」
「だっ、大丈夫大丈夫っ!もう戻るからっ!」
「そうか・・・?」

いけないいけない。
今日は・・・というか、今日「から」は本当にマジで、ぼーっとしているような暇なんてないのだ。

可憐は駆け足でコートの方に戻った。


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