100話記念企画 No.005
「面倒くさい」が口癖のダウナーな人間というのは一定数居るが、特別ダウナーじゃなくても面倒だなと思うことは世の中に沢山ある。

中学生だと勉強だったり課題だったり。
人によっては部活とかもそうかもしれない。
何にせよ、さしてやりたいとも思わないことに時間を割かれるのは人間いらつくものなのだ。

B組は今、とってもピリピリしていた。

「・・・・・・・・」
「「「「「・・・・・・」」」」」

B組の半分・・・男子全員が2列になって立っている。
その前を、如何にも憤懣やるかたないという様子の一人の女生徒が行きつ戻りつ。

「あのね。」
「「「「「・・・・・・」」」」」
「貴方達、やる気あるの?」

ないよ。
と大半の男子生徒が内心で答えるが、まさか口には出せまい。出したらもっと面倒な事になる。

はあ・・・と頭を振る女生徒。
無言の男子達。

教室の隅の方では、B組女子全員の更に半分が全く似たような状況になっている。

そんな中、全くこんな重い空気を意に介さない明るい大声が教室に飛び込む。


「夏のくーさーはあああーーー♪らにいいーーーーっ♪」


全員がビク!とした。
その後遠くに、五十嵐さんもうちょっと抑えて!あり?なやり取りが聞こえて、空気が嫌がおうにも弛緩したところで、男子の前に居た女子がはああ・・・と大きくため息を吐いた。

「貴方達もあのくらいやってくれれば言うことないのに・・・」

1-B、ただ今来たる合唱テストに向けて準備中。


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