100話記念企画 No.100
*長編中で勉強会してるくらいの時系列です
*長編読んでなくても読めますが、かるーくご参考まで





氷帝学園は所謂名門校の一つである。

テニス云々抜きにして東京じゃかなり名の知れた学園であり、通うのは受験を経て来た編入者かもしくは幼稚舎からずっと氷帝に身を置くと決めてる家庭か。
いずれにしろ公立の中学なんかと違って、近かったから行くわーみたいなノリで来てる生徒なんて殆ど居ないのだ。

なので公立中学と比べると、氷帝の生徒の電車・バス通学率はべらぼうに高い。徒歩圏内、自転車圏内に学校が収まってないなんて普通。

そして可憐も忍足もその多分に漏れず、電車通学の生徒の一人だった。

これは6月。地区予選も無事終わり、いよいよ本腰入れて夏に挑もうと全員が準備していた頃のお話。










「ふあ・・・ふう。」

昼休み、勉強会中。
可憐はあくびをした。

普段でも誰しもちょくちょくあくびは出るものだが、今日は特によく出る。眠い。

「可憐ちゃん、眠いん?」
「うん、ごめん・・・昨日ちょっと、あふ。」
「勉強でもしてたん?」
「じゃ、じゃなくてっ。そのう、昨日はドラマがっ。」
「ドラマ?」
「お母さんが撮り溜めしてたのを見てた所に通りすがっちゃってっ。なんとなく一緒に見てたら続きが気になっちゃって、切り上げないといけない時間になってるのにそのまま、こう・・・」
「ああ、あるなそういうのん。」
「えっ、忍足君もそういうのあるのっ?」
「姉貴がたまにやってるわ。」

そして次の日の朝、朝食の時にクロワッサンを齧りながらぶつぶつ言うのである。
ねむ、頭いた、やっぱやめといた方が良かったやろか、でもあの引きはずるいで、とかなんとか。

「言うて俺も今日は結構きてんねんけど。」
「あっ、忍足君もっ?」
「昨日、練習終わり際にやったストロークトレーニングでちょっと違和感あってん。やから俺のしっくりくるフォーム探してたら、いつの間にか結構な時間になってもうて。」

今日はもうお互いあかんなあ、なんて言う忍足は確かに普段に比べて若干精彩感に欠けている気がする。

「放課後も、今日は早めに切り上げよか。あんまり根詰めてやらへん方針で。」
「うんっ、そうしよっ!効率悪いし、正直今日は早めに休みたいしっ!」

また間の悪いことに今日は火曜日。
明日も変わらず練習はあるし、授業もあるし、予習も復習もしないといけないし。

本格的に疲労感に取付かれる前にちゃんと休もうということで、昼休みに2人の意見は合致した。

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