100話記念企画 No.012




「どうでしたか昨日はw楽しみましたかw」
「ああ、おかげさまで昨日休日だったとは思えん疲労感じゃ。」
「あっはっはっはっはっはっはw」

クラスに遊びに来た棗は実に遠慮なく笑ってきた。

「最初からそんな悪戯wしなきゃ良いじゃないw」
「お前さんだってこの程度の事はやるじゃろ。」
「俺は埋め合わせをそんなに苦痛とは思わないからねwチョコレートショップの一日はしごなんて平気の平左よw」
「本当に出来るか?」
「出来るよ?」
「食わんで良いとしても、あの香りを一日嗅いどるだけでやられるじゃろ。精神的に。」
「別に?俺お菓子の匂いとか慣れてるもんw」
「そうか。」

駄目だ、どうやら共感は得られない。

「あー!居た居た、ニオニオー!こんなとこに居たんだ、もー探したよー!」

教室の外から紀伊梨の声が聞こえる。

「こんな所にというか、ここは俺のクラスぜよ。」
「お前クラスに居る方が珍しいじゃんw」
「そーそー!最初屋上行ったんだよ!でも居ないしさー!」
「ピヨ。」

聞かなかったふりをして目を逸らすと、窓からふわりと風が入ってきた。
それが鼻先をくすぐった瞬間、思わず頬杖をついていた手から頭が上がる。

チョコレートの匂い。

「お前何かそれこそチョコレートの匂いすんねw」
「あ!そーそー、そーなんだよ!昨日さー、お家帰ってからおかーさんに怒られちゃってー!お菓子貰えるからって知らない人についてっちゃダメでしょー!って!」
「お前wそんな事してたのかw」
「ああ、大学生にチョコアイスを奢るからっちゅうて連れていかれそうになっとったんんじゃ。」
「自分を安売りし過ぎだろw」
「えー?遊ぼって言われただけだよ?」
「文字通り受け取るなやw大学生相手にw」
「なんで?」
「苦労するの。」
「ほんまそれw」
「?????よくわかんないけどー!兎に角、紀伊梨ちゃんは昨日怒られたんですよ!そんでね、おかーさんがにおー君にお礼言いなさいねーって言うから・・・はい!」

紀伊梨はポケットからどちゃどちゃと何かを出した。
個包装されたお菓子がバラバラと机に積みあがる。

「何これw」
「これ美味しいんだよー!何かねー、おとーさんの会社の人から送られてきたの!」
「もうちょっと綺麗に持ってこれんのか。仮にもお礼じゃろ。」
「あ!そーだ、おかーさんにこれに入れて持っていってって可愛い袋貰ったの忘れてた!」
「また怒られるぞw」
「ちゅうかこれは・・・」
「チョコのお菓子!あのねー、中にウエハース挟んであるのー!」

もうチョコは良いって。
・・・とか思っていたのに、朝練の後になった途端小腹は空くし何か食べたい気分になってくる。昨日は当分チョコレートは見たくないとさえ思っていたのに、これが若いゆえに燃費が悪いという事なんだろうか。

「・・・ああ、確かに美味いな。」
「マジかw一個頂戴w」
「紀伊梨ちゃんも食べるー!」
「お前さんは自宅でしこたま食べとるんじゃろ?」
「でも食べたいの!」
「まあ、どうせこの量は一人じゃ消費出来んから別にええんじゃが。」
「まあねwこの量のチョコは甘党じゃないとちょっとねw」
「え、そお?じゃあ紀伊梨ちゃん後貰って良い?」
「そうは言うとらんじゃろ。」

貰ったチョコレートを適当にひっつかんでポケットに入れる。
そして席を立つ。

「どこ行くのw」
「ま、これを種に次の悪戯でもと思っての。」
「えー!そんならちょーだいよー!」
「貰ったもんは俺のもんじゃ。」
「待って待ってw面白そうwついてくw」
「あ、待って紀伊梨ちゃんもー!」
「静かに出来るんじゃったらな。」

取りあえず忽ち騒がれないように。
ポケットに詰めた幾つかの内の一つを取り出して、包装を破いて指で弾くと、実に綺麗に放物線を描いてチョコレートが紀伊梨の口に入った。

今日も感じる、季節外れのチョコレートの香り。







100話記念くじびき企画
お題:No.012 チョコレート
くじ結果:34秒→4 前の方の秒数→5:主人公2+仁王

ご参加ありがとうございました!
6/6


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