5万打記念企画 No.050
氷帝学園には、通常学校にこんなものないだろと思われるものが普通にある事が多い。
その最たる場所が跡部がテニスコートの次に長時間を過ごしている生徒会長室(本当は会長用の部屋なんて元々なかったのだが)で、此処には色んな物が沢山ある。
高そうなサイン用の羽ペン(多分仕事で使う私物)とか、ティーワゴンとか。
そもそも学校の部屋に当たり前みたいな顔をして、食器棚とミニキッチンがある方がおかしと言えばおかしいのだが。
「こんにちはー。跡部君居ますかっ。」
「ああ、入れ。」
最初は何だこれ異世界かよ・・・と圧倒された会長室でも、一月もすると何とも思わなくなるものだから慣れは怖い。人間って適応する生き物なんだなあ。
「はい、榊監督からっ。」
「ご苦労。悪いが、今は手が離せねえ。そこの青いファイルの上に置いてくれ。」
「はあい・・・うんっ?」
机の上に置いてある、綺麗なガラス細工。
「・・・これ、なあにっ?」
「?どれだ?」
「これこれっ!・・・グラス?」
それは、足のないタイプのグラスだった。
大きさとしてはなかなかで、可憐の両手で持ってすっぽりのサイズ。
どうやって加工しているのだろうか、ガラスの中にラメが入っていて、それが光の加減でキラキラ光るのだった。
「要るか?」
「えっ!?」
「貰いものなんだが、どうも俺様の趣味じゃなくてな。どうせ誰かやる当てを探してた所だ。気に入ったなら持っていけ。」
「良いのっ!?有難うっ!」
手に取ってみると、グラスは尚更きらきらと輝いた。
(綺麗・・・)
今日は帰ったら早速これで何か飲んでみよう。
帰宅後の楽しみが増えた。
「それじゃあ、失礼しましーーー」
「おい、書類を持って帰るな。何しに来たんだ?」
「あああっ!ごめんなさいっ!
さて、帰宅後。
今日は折角ミーティングだけだし、時間もあるし、早速使おうと思ったのだが。
「・・・・飲むのに使わないほうが良い、かなあっ?」
改めて見ると、これがとても綺麗なのだ。
流石跡部が貰った代物、という感じがする。
そして、だ。
自分はよく、食器を割るのだ。ドジだから。
だから割らないためには基本食器の奥深くしまっておいて、大事な時にしか出さないとかそういう行動が必要になるが、綺麗だから滅多に見られないというのは惜しい。
(何か、他のものを入れた方が良いかなあっ?それで、飾り物って事にしようっ。うん、それが良いっ!)
そうだ、そうしよう。我ながら名案だ。
「何を入れようかなあ・・・」
可憐は悩み始めた。
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