5万打記念企画 No.055
ある日のLHRの時間。
今日は皆で図書室を利用しにやってきた。

学校には色んなタイプの生徒がいて、中には図書室になんて一歩も出入りしなさそうな人種も居て、そういう生徒達に読書を促そうという教師陣の試みである。

「何読もうかなあっ?」

何でも良いから何かはお読み。
と言われると、真面目な可憐はじゃあ折角だしという気になるけれど、それはそれとして普段から読書の習慣があるとは言いづらいので、こういう状況だと結構迷う。

「ううん・・・うんっ?」

ふと目に留まったそれ。


坊ちゃん。








「はあ・・・・・」
「あれ?可憐どうしたの?」
「あの、さっきの時間で・・・読んだ本が、結構ちょっと疲れちゃってっ。」
「ナニ読んでたわけ?」
「坊ちゃん・・・」
「ああ、古〜い本って読みにくいよね〜。文体が今と違うし〜。」
「・・・とかいって、借りちゃってるわけ?」
「うんっ!」

一応今日のLHRの目的から、別に時間内に読み切れなかったら遠慮なく借りてどうぞと言われている。ので、本当に遠慮なく借りてみた。

「一応読み始めちゃったしっ!最後まで読めるなら読んだ方が良いかなあって。私古典文学とか全然読んだことないしっ。」
「太宰の人間失格とか死にたくなるって言うよね〜。」
「えっ!?」
「コワッ!太宰怖い!」
「ああ聞いたことある。なんなんだろ、文豪って結構癖ある人多いのかな。」
「そ、そうなのっ!?これは大丈夫なのかな、読めるのかな・・・」

そもそも可憐は、坊ちゃんの中身を知らない。
本当に、ざっくりとしたあらすじですら知らない。
ただでさえ文体で疲弊させられているのに、怖い話だったらどうしよう。

「あ、そうだ。」

伊丹が話し出した。

「何だったら、読むコツとか教えて貰ったら?」
「読むコツ?」
「ほら、居るじゃん。読書のプロが。」

可憐が脳内で検索をかけると、一瞬で登場するくらいにはその人物は読書のイメージがあった。


1/5


[*prev] [next#]

[page select]

[しおり一覧]


番外編Topへ
TOPへ