100話記念企画 No.026
「・・・・ふう。」
2人の姿が見えなくなったのを確認し、図書室カウンターにいた委員の3年生はほっと溜息を吐いた。
静かな上に人の居ない図書室。
会話は聞こえていた。
「・・・よいしょ。」
彼女は今、椅子に立った。
そして、壁掛け時計を外した。
そう、今しがた彼女は気づいたのだが。
これ、電池がもう古い。
10分遅れてる。
(つまり、さっき居た子達の17時までにどうのっていうのは失敗・・・)
10分。
紫希が壁掛け時計を見た時、丁度17時をこの時計は指したから、本当はあの時17時10分だった。
時間切れ。
成功じゃなかった。
・・・んだけど。
「・・・別に良いわよね?本物のキューピッドが出てこないなら、私がなったって。」
あの2人は何も知らないだろう。
自分みたいな見ず知らずの第三者がこんな風に手を貸したことも永遠に知るまい。
でも、こうやって後輩の青春を人知れずちょっと手助けするなんて。
ちょっとかっこいい先輩ーーーもとい、召喚されたキューピッドじゃないか?
スマホを見たときは気づくかもと若干焦って、思わず物音を立ててしまったけど、まあバレなかったし。
上出来上出来。
〜〜〜♪
「はいはい。」
自分の恋人から来た、一緒に帰ろうのLINEを見て、彼女はちょっと微笑んだ。
会ったら彼に話をしよう。
私、召喚されたキューピッドになったんだよ、って。
100話記念くじびき企画
お題:No.026 召喚術
くじ結果:42秒→2:主人公1×丸井
ご参加ありがとうございました!
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