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ジャンル不問で思い付いた小ネタを徒然と。

▼ドッペルゲンガー(pkmnトリップ)
「やあ、こんにちは、私。」
そんな声に振り返ると、視界がぐにゃりと歪んみアスファルトの足元が低反発素材みたいに凹んだ。何、と思った時には既に、辺りは真っ暗なのに私の存在だけがはっきりと見える気味の悪い空間に独りぼっち。
「何、ここ…」
「いらっしゃい、私。」
「…誰!?」
聞き覚えのある様な声に辺りを見渡すけれど誰も見えない。いない。例え難い恐怖と不安に襲われて方を抱いた。
「大丈夫、危害は加えない。これから君と私を入れ換える。所謂異世界トリップという奴だ。」
「な…!?」
「夢見がちな君なら馴染みがあるだろう?でもごめんね、私は神様とかそう言う精神学的なものじゃあない。」
その声と共に眼前の闇が歪む。屋根に積もった雪が落ちる様に黒が削がれて其処に現れたのは信じ難い生き物。
「わ…たし…」
「そう、私は君。君は私。異なる空間軸に同時に存在している同じ個体、ドッペルゲンガーと言えば解るかい?」
目の前の私はにやりと口角を上げて笑う。鏡に映った様に相違ない姿に寸分違わない声色に背筋が凍る。
「ドッペルゲンガー…?」
「そう。私はちょっとした任を担う一族に産まれてしまって、何の因果かひょんな事から君の居る空間軸を知って憧れてしまった。」
「…はぁ、」
「宇宙について学びたい。ある一族の私では出来ないんだ。代々決まった仕事がある。そこのところ君はこれから幾らでも可能性を広げられる職にいる!」
「高校生が?」
「そう。だけど見たところ君は勉強か嫌でチャンスをみすみす逃しているじゃないか。」
もう1人の私は滔々と語り、不服そうに顔を歪めて最後にこう言った。
「だから換えよう、私達の中身を!それぞれの記憶は共有して意識と思考と人格を!」
「えぇ?!そんなの…!」
「出来る!だから君を此処に呼んだ!」
「でも…!!」
「大丈夫!私の世界は君の世界と同等に平和で同等の文明がある!それじゃあ私の世界を宜しく!!」
「えっ!?ちょっ!まっ…!!」
手を延ばそうとしたけれど、もう1人の私に強く突き飛ばされて、視界がぐにゃり、また揺れる。ばっくりと口を開いたように足場が無くなり全身に重力が掛かって落下した。
落ちる、と目を瞑ったが直後に何の衝撃もなく落下が止まり、ほぼ強制的に瞼が開かれる。
目の前に広がったのは、紅に黄色に橙に、葉を色付けだ樹木をの間にその落葉を足元に敷き詰めた小路とその先に悠然と聳え立つ純和風の塔だった。

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その世界のモブとの入れ替わりトリップがあっても面白いんじゃないかしら、と。もう1人の私とは何かしらの手段で交信が出来る予定で御座います。
ちなみにマツバさんと色々ある御話のつもりです、出て来ておりませんが(笑)

2015/06/12

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