19:30

「高杉昔は非行なんかに走るような子じゃ無かったのに…高杉、ホントに変わったよ。」

…………変わったのは、
「え?な……、」

ぼそりと何か言われて、高杉の方へ顔を向けたら、眼前に隻眼の綺麗な顔。
近っ!何て思う前に思考が止まって、何が何やら分からない。
若干の息苦しさと頭を押さえる力。
目の前が真っ白になるなんて昔流行った架空の生物と冒険するRPGの中にしか存在しないと思ってたのに今正に、


むらさき の めのまえは
まっしろになった



そして視界はそのままフェードアウト。

しかし、気付いた時に目の前に居る回復お姉さんは居なくて、眼前には高杉。
しかも近い。

まぁ、色々考えたい所ですが、脳内に酸素が足りません。
苦しいです。


「ん゙ーっ!!ん゙ん゙ーっ!!!!」

「………っは、可愛くねー。」


ちゅ、と小さな音と一緒に解放された苦しさに思いっきり息を吸って、


「げほっ、げほっ……ゔぇー…」


噎せた。


「…………萎える。」

「何がよ!いきなり何なの?!」

「変わったのはオメーの方だろ紫。」

「はぁ?私の何が変わったって?」

「……っ!呼び方、」

「へ?」

「昔は名前で呼んでただろ?!」

「そ、それは、ほら、何時まで経っても晋ちゃんじゃあまりにもあまりにもだから……」

「だったら名前で呼べよ。」

「い、良いじゃん、別に高杉で…」

「…俺は昔から変わっちゃいねーのに、紫はそーやって距離を置く。変わったのはオメーだろ?」

「だって…」


言えるかばかやろう。

高杉だけ大人になって格好良くなって、でも私に対して何にも変わんなくて、そのせいで高杉大好きなオネーサンやら同級生に白い目で見られるし、囲まれるし、私、こんなんだから恥ずかしいし……。


「ふーん…。そーか。」

「あれっ!?何、読心術っ?!」

「あんな長いのよく舌噛まねーで言えるな。」

「わっほーい!まさかの“みんな口に出ていた”パターンっ!!」

「妬いてたんだ。」

「違う!高杉相手に餅なんか焼いてやんない!」

「素直になれば?俺は紫好き。」

「何ぃっ?!!」

「昔から言ってるだろーが。紫好き。って。」

「嘘を吐くな高杉ィィィィィ!!アンタの恋愛遍歴聞かされた限りじゃ好みは年上のオネーサンだろーがっ!!」

「何だァ?覚えてんのか、それ。」

「ええ、ええ、まあ、毎晩の様に隣の家から嬌声聞かされてりゃーねぇーえー。忘れようにも難しいですよーぉー。」

「ククッ、気になってたのか?言えば相手してやるぜ。」

断る!

「んな力一杯言うな。…強情だな、紫………、」

「ちょ、なっ…………」


細めた隻眼が熱を帯びて言動の自由を奪う。



言葉が見付からない。

身体が動かない。


それを良い事に奴は私の首筋に顔を埋めた。


「たか…っ…すぎ……っ」

「名前…、呼んで?」

「や……っ」


低く囁かれて、背筋に電撃に似た刺激が走る。


「………可愛い、」

「……っ、」


ちゅ、と耳元で音がした。

いかん。
此れはいかん。


思ってるけど、身体が動かない。
そのまま体重を掛けられて身体が傾く。


駄目だ……、脳が麻痺してる……。力が入んない……。どうしよう。


嗚呼、何かもう腹の辺りまで擽ったいじゃないか。



…………ん?擽ったい…?



「!!?てめェェェェェ晋助ェェェェェェェ!!何しとんじゃワレェェェェェェェェ!!

「い゙!!?」


半分ぐらい捲られた上着に気付いた私は、渾身の大打撃(拳)を奴の胸に叩き付けた。


「げほ…っ……げほ………っ……。本気で殴りやがったな……。」


私は奴が咳き込んでる隙に着衣を正し、後部座席に逃げ込む。

若干の涙目の高杉が悔しげに私を睨んだ。


「当たり前でしょ?!調子に乗んな阿呆っ!!」

「……………顔真っ赤。」

「何ぃっ!!?」

「意固地になるな。言えよ、」

「な、何を…?」

「俺の事、好き?」

「なっ!!……………。」

「紫、」

「ううぅ………………………………………
うん。


「ククク…っ、やっと言った。」







そんな所も愛してる。

「続きはベッドだ」

「し、知らないから!私寝るから!」

「ククッ…意地っ張りが何時まで持つか、」




後は野と成れ山と成れっ!(笑

後書で御座います。
SS続編連載に甘要素をプラスするに当たって、『甘いって何?どうするの?』という疑問が今更沸いて参りました故(駄)甘夢トレーニングに一気に書かせて頂きました。

アンケート結果に基づき高杉さんで……。物凄い偽物で御座いますがね(逃)

拙作ですが楽しんで頂けたら幸いで御座います!

乱文失礼致しました!

20090107篝 拝


[*] | [#]
戻るballad


+以下広告+