Memo
相澤
警察に行くと彼の目が誰かを探すように彷徨う
「気になる人でもいるの?」
「まあな」
微笑う彼に、棘が刺さったように胸が痛んだ
「…どんな人?」
「三茶さんだ」
ああ、猫好きだもんね…。
「可愛いよね、彼」
「…………そうだな」
今度は少し面白くなさそうに彼が呟いたマイク
寒空の下で待機命令。警察無線のイヤホンからはまだ何も指示はない。
風に晒されて耳奥がジンジン痛む。
隣で待機する彼が、私のイヤホンを取り上げ、冷えた耳朶が摘まれた。
「Hmm...GOサイン出るまで交換な」
替わりに被せられる彼のヘッドホン。
「多分、ソレのが暖かいぜ」相澤
やんわり拒否されるかもしれない。
躊躇しながら少し遅れて隣を歩き、勇気を出して一歩、二歩。
ゴツゴツしたその手の、小指を掴む。
目を見開いて振り返る彼。
「やっぱダメですかね…」
「…いや」
手繰り寄せるように柔らかく握り込まれる手は、想像していたより暖かかった。マイク
「おいでHony*」
あぐらをかいた彼が呼ぶ。
いつもなら背中を預けて膝に乗るところだけれど、ちょっと悪戯。
向かい合うようにして彼の膝に乗る。
「お邪魔しまーす」
「ちょ、ま、ウェイウェイ?!」
不意打ちは思ったよりも効果があるらしい。赤くなった彼は可愛かった。相澤
に座ってTVを見ていたら、背中に暖かいものが触れた。
オマケに頭の上にかかる重み。
「ちょっと、人の事顎置きにしないでくれる」
「暖も取れるし合理的だろ」
お腹に手が回されて後ろから抱きすくめられる。
最高に非合理的だ。ニュースなんて、もう頭に入って来やしない。マイク
初売りのラッシュに押し流される私
「ちょっとココ持ってな」
庇ってくれたのは大きな背中。
言われた通り上着の裾を掴むと彼が目を細めて笑う。
「Good girl」
背に庇われながら人波を抜けると伸ばされる大きな手
「今度はコッチ」
繋いだ手は彼のポケットに誘われた相澤
お一人様1品限りの文句に釣られ、彼を巻き添えに並んだ初売り。手には結構な重さになった戦利品達。
「ありがとう、助かった!」
お礼を言いながら振り返ったら、手の中から重みが消えた。
「持ってくれるの?」
「この方が合理的だ」
彼の優しさは相変わらず解りにくいマイク
「写真SNSに上げてイイ?」
「いいよ」
御節の写真かなと思い、料理を盛り付けながら返事をしたら、胸元に顔を押し付けるように抱き寄せられ携帯のシャッター音が鳴る。
「こういうのは年始が狙い目なんだぜ」
ニヤリと笑う彼が上げたのは、御節の写真でなく結婚報告だった。相澤
「今年は帰省しようと思ってる」
口を開いた相澤から出た言葉に年明けだなぁと頷く。
「実家何処?お土産よろしく」
「東京。一緒に来てくれ」
「は?」
その前にプロポーズとか、と言うと、今のがそのつもりだったと彼が言うから笑ってしまった。
さて、手土産は何にするべきか
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