はらちら



大きなぬいぐるみをとったはいいもののつかいみちがないからと、高尾の家にきていた俺に押し付けられたのはついさっきのことだ。
どういう流れなのか、高尾の家族と喋っていたら何故か高尾の家に止まることになっていた。
訳がわからなかったが、まあよくあることだと諦めて風呂に入らせてもらっていた。
「風呂、上がったのだよ」
風呂から上がり高尾の部屋に入ると、高尾は横になりながらファッション雑誌を読んでいた。
「ん、はいよ。じゃあ次俺入ってくるから、真ちゃんは適当に寛いどいて」
「分かった」
俺部屋から出ていく高尾を見送ると、高尾の部屋にある数少ない文庫本を手にとった。

「ふぃー。ただいまっ」
本を読んでいる途中に髪を乾かしていないことを思い出して、ドライヤーを借りて乾かしていた。
丁度髪を乾かし終わったところに、風呂から上がってきた高尾が部屋に入ってきた。
「あっれ、真ちゃん、何してんの?」
「は?」
何してるって、何もしてないだろう。
近くにある鏡に映った自分を見てみると、俺の手は無意識にシャツの下の腹に触れていた。
「…つい癖でやってしまっていたのか」
「くせ?」
「あぁ、」
問いかけてきた高尾に、中学時代なかなか腹筋が付かず毎日風呂上りには確認するようにしていたら癖がついてしまったのだ、と説明する。
「へぇ、筋肉付きにくい体質だったんだね。意外!」
「まぁ…」
そのあとも、どちらかが眠るまでどうでもいい、けれど楽しく話をしていたのだった。


121223 千

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