俺だけ


各国の交流のため全国の中学生とU17の代表選手が集められて行われた運動会
その盛り上がりは凄まじいもので、多くの観客たちが見守る中和気あいあいと競技は進んでいき、残すは運動会の目玉であるリレー競争のみとなった


『あんずさん そのドリンク頂いても?』

「あっ 木手くんお疲れ様」

『お疲れ様です 貴女も大変そうですね』

「私はただみんなにドリンクとかタオル渡してるだけだから大丈夫だよ〜それより木手くんはもう競技出ないの?」

『いや リレーに出ますよ』


渡したタオルで汗を拭きながらさらりとリレーに出ると言う木手くん
えっリレー出るならこんなところで私と話してる場合じゃなくない?


「リレー出るならこんなところで私と話してる場合じゃないよ木手くん!」

『集合の時間が少しズレたんですよ それに今日は途中から種ヶ島さんとばっかり話して私のこと避けてるあんずさんとお話でもしておこうかと思いましてね』

「う、」

『あらかた理由は検討付きますが、直接教えてくれてもいいでしょう』



確かに木手くんの言う通り、途中から...正確には応援合戦の後からちょっとだけ木手くんを避けていたのは事実
でもその理由を本人に伝えるには余りにも恥ずかしくて思わず目を逸らすと

でもその理由を本人に伝えるには余りにも恥ずかしくて思わず目を逸らすと、ぐっと片手を掴まれた

「わっ」

『何をそんなに意識してるんです』

「えっと、その....応援団の時の木手くんが...ね?」

『俺が?』

「かっこ、よかったから...」

きちっとまとまった髪型に、学ラン姿でパフォーマンスする木手くんを思い出す
いつも見てるジャージ姿だってかっこいいとは思うけど、いつもより何倍もかっこよく見えて、木手くんの顔を見ると思い出してしまうから無意識で避けてしまっていたのかもしれない

『普段はなかなか靡いてくれないくせにね』

そんなに良かったです?なんて意地悪な顔して笑う木手くん
まぁ木手くんもかっこよかったけど種ヶ島先輩の方がかっこよかったかな..!なんて可愛くないことを言うと、掴まれている手に力が入った


「き、きてくん?」

『本当に貴女って人は可愛げのない人ですね』

「だって...ねぇ?」

『まぁいいでしょう 次のリレーは種ヶ島さんも出ないんだから』



『俺だけ見ててください』


きっと後悔させませんよ


そう言うとふっと口角を上げて立ち去る木手くんをぽかんとしながら見送る
明日からはいつも通り木手くんと接することは出来ないかもしれない....なんて考えながら火照った顔を持っていたドリンクで冷ました



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