甘
「お邪魔しま〜す...」
『おっ 待ってたで お帰り』
「た、ただいま...?」
仕事終わりに彼氏である修二くんの家に立ち寄る
遊んだ後に一緒に修二くんの家にお邪魔したことはあるけど一人で行くのは初めてだったから変な感じ
『迷わんと来れた?』
「うん あ コンビニでお酒とか買ってきたから一緒に飲まない?」
『ええやん!軽くつまめる物作ったし丁度ええな』
修さんお腹空いたわ〜なんて言いながらするりと私の手からコンビニの袋を奪い取るとスタスタとリビングに向かう修二くんの後ろについていく
修二くんの待ってる家に帰る なんかちょっとくすぐったい
「わぁ!美味しそう!」
『せやろ〜サンサンから美味しいフルーツも貰ったし一緒に食べへん?』
「食べたい...!何か手伝うことない?」
『あんずちゃん仕事終わって疲れて帰って来てんねんから何もせんでええよ』
「でも修二くんだって忙しいのに」
『気にせんでええんよ〜』
そない気にするなら後片付け一緒に手伝って?
そう言いながら笑う修二くんだけど、彼だってプロテニスプレイヤーとしてこの前まで大会に出場してたのだ
疲れてないわけない
「他にも何か私にできることあったら言ってね?」
『なら明日あんずちゃんと行きたいカフェあんねんけど一緒に行ってくれん?』
「そんなことでいいの?」
『ええのええの 今日はゆっくり酒飲んで映画でも見て存分にリフレッシュや』
お互いが気になってた映画を付けて、大きなソファに座ってお酒を飲む
少しでも近くに居たくてぴったりとくっつくと、ぽんぽん、と頭を撫でられた
こんな時間がずっと続けばいいのにな
『そや あんずちゃん』
「ん?」
『貰ってほしいもんあんねんけど受け取ってくれる?』
映画もエンドロールに差し掛かったタイミングで思い出したかのように席を立つ修二くんをきょとんとした顔で見つめる
待ってて、そう言われて彼が帰って来るのを待っていると、手に銀色の小さなものを持って戻ってきた
『ほい これ』
「鍵...?」
『ここの合鍵 持っててくれへん?』
『あんずちゃんが仕事終わっていつでもここに帰ってこれるように、って思ってな』
「えっ私が持ってていいの?」
『むしろあんずちゃんじゃないと嫌やわ』
差し出された手のひらの上に置かれた小さな鍵を見つめる
修二くんの家の合鍵.....
『俺が遠征行ってる時も使ってくれてええよ なんならそろそろ同棲してもええかな、すら思ってる』
「同棲...」
『そのためにちょっと広めの家住んでてん そやから早くあんずちゃんこっち来てくれへんかなってずっと思っててんで?』
「そうだったんだ...」
『俺としては今日からでも住んでくれてかまへんねんけどなぁ はいそうですかってわけにはいかんやろから』
まずはこの家に帰ってくることに慣れることからやな☆
ポンポン、と頭を撫でながら目を合わせてくる修二くんに嬉しくなって思わず飛びつくと鍛えられた逞しい腕に抱きとめられる
大好きな修二くんの匂いに包まれて、あぁ 幸せだな
『あんずちゃんは何も考えんと俺のとこにおればいいからね』
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