ぷりがむと過ごすクリスマス
「あ、いたいたあんず先輩〜!今日2人で一緒に帰りませんか!」
『えっと……今日は丸井くんと仁王くんに誘われてて……』
「えぇっ、マジっすか……」
なんでよりによってクリスマスに日直なんだろ、なんて思いながら職員室に日誌を持って行く
丸井くんと仁王くんから放課後は開けとけ、なんて言われたから教室で待ってるはずの2人の元に急いで戻ろうとすると、私のことを探していたのか可愛い後輩の赤也くんが声を掛けてきた
「今日くらいは丸井先輩じゃなくて俺と一緒に帰ってくださいよ〜!ただでさえあんず先輩と一緒に帰れる日なんて少ないのに!」
『う〜ん、でも教室で2人待ってると思うし……っあ、そうだ!
よかったら2人に頼んで赤也くんも一緒に帰れないか聞いてみようか?』
「それはいくらあんずちゃんのお願いやとしても聞けんお願いじゃのぉ」
「そうそう ただでさえ仁王っていう邪魔者がいんのにこれ以上増えてたまるかよ」
『げっ、仁王先輩と丸井先輩』
先輩と一緒に帰りたい〜!なんて駄々をこねる後輩に少し困りながらみんなで帰る?なんて提案してみれば、後ろから教室で待ってたはずの2人の声が聞こえた
「どうして2人がここに?」
『あんずちゃんがあまりにも遅いから迎えに来たんぜよ』
『そしたら赤也に捕まってるんだもんな〜?』
って事であんずのカバンもあるし帰るぞ、なんて言いながら私の両脇に立つ丸井くんと仁王くん
もうっ、そんなんだからボディガードだ、なんて弄られるんだよ!
『別に今日くらいいじゃないですか!2人はいつも同じクラスであんず先輩のこと独占してるんだし、今日くらいは可愛い後輩に譲ってくれても』
『誰が可愛い後輩だよぃ 今日はもう俺たち予定あんだよ』
『そ〜そ〜ほら、行くぞ ブン太、あんずちゃん』
『あっ、赤也くんごめんね……!今度また一緒に帰ろうね〜!!』
ポカン、とした顔をする赤也くんに手を振りながら引っ張られるままに廊下を後にする 今度何か埋め合わせでもしてあげなきゃな
「ところで今からどこか行くの?」
『ん?あぁ 今日はクリスマスだろぃ だからあんずと過ごしたくてさ』
『どっかのブタさんがあんずちゃんのこと独り占めしようとしてたからの ここは一時休戦、2人であんずちゃんと過ごそ〜思てな』
「な、なるほど?」
私もまぁ仲良しな丸井くんと仁王くんが一緒にクリスマス……って言っても放課後だけど、過ごしてくれるなら嬉しい
『んじゃ、早速行きますか』
「やっぱりクリスマスだからかカップルがいっぱいだねぇ」
『そうじゃのお ブン太が居らんかったら俺とあんずちゃんもカップルに見えたのに』
『こっちのセリフだわ!仁王今から帰ってもいいんだぜ?』
『ブンちゃん酷いナリ』
「ふふっ 2人はほんとに仲良しだねぇ」
私を挟むようにしてやいやい言い合う2人 きっとこんな風に軽口叩けるのは仲の良い証拠なんだろうな
「あっ、ちょっと待って この店見てもいい?」
『おっいいぜ 何か良いのでもあったか?』
「マフラー買いたいな〜って思って」
今年はマフラー新調したいな、なんて思いつつも好みのものが見当たらなくても12月も終わりに近付いちゃったけど、寒いのはあと数ヶ月続くし今買っても十分使えるはず
そう思いながらマフラーを選ぶも優柔不断な私は白と赤の2色で迷ってしまった
「どっちも可愛いけどどうしよう……」
『ん〜1回巻いてみたらどうじゃ?』
『荷物持っててやるから仁王に巻いてもらえよ』
「そう?なら付けてみようかな」
ひょいっと丸井くんが私の手からカバンを取ると反対の手に持っていたマフラーを仁王くんが奪い取る こういうところ無駄に息が合うよねこの2人
『まずは赤からじゃな』
『お〜なんか定番って感じ 可愛いけどな』
「どう?似合うかな」
『似合っちょるが白の方があんずちゃんには合うかもなぁ』
『よし、次は白巻いてみようぜ』
本人よりも真剣に選んでくれてる2人に多少の申し訳無さを感じながら言われるがまま、されるがままに仁王くんに白のマフラーを巻いてもらう たまに首に当たる手が擽ったいけど仁王くんまさかわざとじゃないよね?
『巻けたぜよ』
『……』
「……どうかな?」
仁王くんの方を向いて巻いてもらい、巻き終わった後にくるっと丸井くんがいる方に回される それでも丸井くんの反応が無くて不安になりながら声を掛ける もしかして似合ってない……?
『丸井 何か言ったらどうじゃ』
『……めっちゃ可愛い!天才的だぜ!』
「そ、そんなに?」
『おう!あまりにも可愛くて言葉出なかったよ』
『やっぱりあんずちゃんには白が似合うぜよ』
『んじゃ、俺が買ってきてやるからちょっと仁王と待っててくれ!』
「えっ、いや大丈夫だよ、自分で買うから……!」
『クリスマスくらいかっこつけさせてくれよ……んじゃ、』
またされるがままにマフラーを取られ走り去っていく丸井くん
どうしよう、なんて思いながら仁王くんの顔を見ると、先に店を出ておこうと手を引かれて外に連れ出された
『あんずちゃん こっちこっち……ほい 手出しんじゃい』
「手?」
仁王くんの手大きくて暖かかったから手が離れたのが少し残念、なんて思っているとガサゴソと自分のカバンから小さなラッピング袋を取り出した仁王くん
言われるがままに手を出すと、可愛らしいラッピング袋が手の上に置かれた
『メリークリスマス』
「仁王くんも?私なにも準備してないのに」
『あんずちゃんが喜んでくれればそれだけで嬉しいから気にしなくていいぜよ』
「開けていい?」
『もちろん』
可愛いラッピングがボロボロにならないように丁寧に封を開ける
そこにはモコモコの手袋と私の好みの可愛らしいキーチェーンが入っていた
「わぁ、かわいい……!」
『お前さんいつも学校来る時手袋も何も付けずに来るじゃろ まだまだ寒い季節は続くから使いんしゃい』
一緒に登校するなら手繋いであっためてやれるんじゃがなぁ、なんて笑いながらからかってくる仁王くん もう、すぐそうやってからかってくるんだから
『それとな、キーチェーンは俺とお揃いじゃ カバンとかに付けてくれ』
「仁王くんとお揃いなの?嬉しい!」
『さ、もうすぐブン太のやつも戻ってくるじゃろ 見つかったらうるさいからカバンにしまっとき』
「ふふっ ありがとうね、仁王くん」
いたずらしてきたりからかってくることも多いけど、こういう時はすごく優しい顔をする仁王くん
そんな仁王くんの優しさが嬉しくて目を見ながらお礼を言うと照れたのか少し目を逸らされる
『お〜い……っておい、仁王!抜け駆けはなしって言ってるだろぃ!』
『お前さんだってマフラープレゼントするんじゃろ?それと一緒じゃ』
ぷくっと膨れているブン太くん そんな顔しても可愛いなんてずるいよね
『んなことより!これ、メリークリスマス!』
今使うかなと思ってラッピングはしなかったから巻いてやるよ
そう言いながら買ってきたばっかりのマフラーを巻いてくれるブン太くんの手付きはさっきの仁王くんのものと比べるとちょっとぎこちないけれど、丁寧に巻いてくれるのが嬉しくてにこにこしちゃう
『よっ、と……おし、巻けた どう?暖かい?』
「うん、ありがとうね!」
『んじゃ、次はゲーセンでも行くか!UFOキャッチャーであんずが欲しいものあれば取ってやるからよぉ!』
『ええのぉ どっちがたくさん取ってあげれるか勝負じゃ』
……なんかもらってばっかりな気がするけど2人が楽しそうだしいいか
『よ〜し、行くぞ、あんず!』
『転けんように手繋いどきんしゃい』
私より少し前にいる2人が差し伸べてくれた手を取る
ずっと2人とこうして楽しく過ごせたらいいなぁ
そう思いながら2人と一緒にゲーセンに向かう
その後涼香ちゃんから掛かってくる電話のことなんか知りもせずに、、、
『はぁっ?ぜっってぇやだ!』
『どうしたんじゃ』
『今から真田家でクリスマスパーティするからあんずと仁王連れてこい、って』
「涼香ちゃんの家でパーティ……!いいね、行こう行こう!」
『はぁ……結局邪魔が入んだな……』
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