声
「永四郎くんってさ、いい声してるよね」
『なんですか貴女は急に』
「いや〜?この前の国語の授業で先生に当てられて朗読してたでしょ その後にクラスの子が永四郎くんの声がいい、って褒めててよくよく考えて聞いてみたんだよね」
そしたらいい声だな〜って思って
ふにゃりとした笑顔で呑気に笑うあんずさん 人の気も知らないでほんとこの人は
『今更ですか?俺たちもう何年の付き合いだと思ってるんです』
「何年だっけ?忘れちゃったあ」
永四郎くんの声、確かにいい声だけど眠くなっちゃうかも 部活終わるまで待ってるから起こしてね
くわ、っと小さくあくびをするあんずさんは無防備な顔を晒して眠りにつく こんな姿を他の人に見せるのは少し惜しいがこちらもそろそろ部活に行かないと他の部員に示しがつかないだろう
『ほんと仕方ない人だ』
着ていた制服の上着を脱ぎ彼女に掛ける 少しでも牽制になれば、そんな子供地味た感情を隠すように教室を出た
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