たぶんきっと悪役令嬢
エイダは己が悪役であることを知っていた。
メタ的にも、状況的にも。たぶんそのうち正ヒロインがやってきて真の悪役令嬢と化すのである、きっと。
実際これまでだって悪は滅び、正義が勝ち――いやあれは別に正義ではないな。
とにかく。
ポジションとしてそういうものだ、とエイダは思っていたわけだ。
しかしエイダは性質的に悪役らしい言動はできないし、表立ってそれらしい立ち位置にいるようなこともない。
せいぜいが小悪党。でも悪役令嬢ものって実際悪役かというとそうでもないことが多いし。広義的にはたぶんそう。部分的にそうかも。もしかしたら悪役令嬢かもしれない。
三年生になる頃まではなんとなく、きっとそうだな! という確信があったエイダは、最近いまいち自信がない。それらしい振る舞いもしていないので。いや初めからそんなことしたことないが。
だってここはナイトレイブンカレッジ。在籍する生徒はヴィランばかり。そんなところにいたって、悪役令嬢としての役回りが来るはずもない。
まあ、そのうち。
そのうち、そうなるかもしれないので。
「レオナさん、実際のところ縦巻きロールってどうなのかしらね」
「やめろ」
そっかー、とエイダは頷いた。じゃあやめとこ。
エイダが脈絡もなくわけのわからないことを言いだすのはよくあることだったので、レオナは特に深掘りせずにスルーした。 prev|next [
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