彼女が論師になることを決めた日



ふぅ、と一つ息を吐いて今まで読んでいた資料を見下ろす。
リグレット教官の指導を受け、自分は一人前の軍人になったつもりでいた。
あの町から出て、もう大人になった気でいた。
けれどこうして学んでみると知らないことが山のようにあって、どれだけ私が思い上がっていたかいつもいつも思い知らされる。

大地が降下し、あの人が居なくなってから早くも三ヶ月の月日が経ったけれど、私は今日も今日とて勉強中だ。
あの人のように自信満々になるには、まだまだ時間が必要だろう。
それもきっと、膨大な量の。

「リカ!リカ!居ませんか?リカー」

「あ、はい!今参ります、イオン様!」

私はメシュティアリカ・アウラ・フェンデ。
導師相談役見習いとして、恐れ多くも導師のお側で日々を過ごしている。
リカというのは導師のみが呼ぶ私の愛称だ。他の人たちは皆私のことをティアと呼ぶし、私自身もティアと名乗ることが多い。
それでも導師が私のことをリカと呼ぶのは、僕だけが呼ぶ愛称って素敵じゃないですか?とのことらしいので、とりあえず好きに呼んでもらっている。
あの一見可愛らしい笑顔にひっそりと潜む黒い影のようなものが見えるようになったのは、短い時間ながらもあの人と共に過ごした時間があるからだろう。

「お待たせしてしまい申し訳ございません。メシュティアリカ・アウラ・フェンデ。只今参りました」

「ふふ。急かしてしまったようですみません。ちょっとお茶にしませんか?丁度仕事にキリがついたところなんです」

「お茶、ですか?申し訳ございませんが、私にもまだ勉強が、」

「ちょっと、アンタだけ逃げようったってそうはいかないからね。良いからさっさとお茶淹れてよ」

「シンク、貴方も捕まってたのね」

「そうだよ。ったく、この導師様は開き直って以来人のこと顎で使うようになったからね。少しくらい休ませてもらわないと」

「シンクは馬車馬のように働いてくれますから、コチラとしても助かります」

「ソレ褒め言葉じゃないからね!?ねぇ、解って言ってる?解って言ってるよね!?」

「さぁ、どうでしょう?」

本来ならば厳粛な導師の執務室の筈なのに、どうしてこんなにも賑やかなのか。
あははは、と笑い声を零す導師イオンの胸倉を掴もうとするシンクを何とか推しとどめ、お茶にするんでしょうと言って無理矢理席に着かせる。
部屋に備え付けられているティーセットでお茶を淹れれば、鼻腔を擽る高価な茶葉の香りに自然と気が緩んだ。
カップに注ぎ、さり気なくゴールデンドロップを自分のカップに入れ、席に座って待っていた二人の前にソーサーをおく。
その香りの高さに、緑の髪と同じ顔を持った二人の少年は無意識のうちにホッと息を吐いていた。

「にしても、やーっと落ち着いてきたね……」

「本当に。怒涛の日々だったわ……」

「初代導師相談役殿が散々引っ掻き回して言ってくれましたからね……」

気が抜けたのだろう。
全員が全員、この世界を引っ掻き回すだけ引っ掻き回して颯爽と去っていったあの人を思い浮かべた。
あの人が去ってからまだ三ヶ月しか経っていないのに、教団では既に伝説の人のように扱われている。

「でもさぁ、それを言うなら僕達に憑依してたもう一人の僕達も散々引っ掻き回してってくれたよね。どうせなら後始末とかも全部やってってくれれば良かったのに」

「流石にそれは甘えすぎではありませんか?可能な限り犠牲を抑えた改革をしてくれていっただけでも喜ぶべきだと思いますが」

「この激務がなければそう思えたのかもしれないけれど、でも確かにやるだけやってハイサヨナラっていうのはちょっと腹が立つわよね。
まぁあの人なら、怒る私達を言いくるめてさっさと仕事に行けって蹴り出すんでしょうけど」

「うわ、想像するだけで腹立つ」

「もう一人のシンクは文句も言わずに動きそうですけどね」

「もう一人のアンタもね!」

あの人が去るのと共に、教団の幾人かのメンバーはまるで憑き物が落ちたかのように性格を一変させた。
正確に言うならば元に戻ったというべきなのだろうけれども、以前を知らない私からすると豹変したという言葉の方がしっくりきているので、こういわせてもらっている。

目の前に居る彼等曰く、あの人が居たあの期間の最中は、あの人の世界からきていたもう一人の自分が身体を使用していた、らしい。
つまり私が出会った人々は、あの人が居た世界の彼等だったというのだ。
その上どうも身体を使用されているあいだもしっかりと意識はあったようで、兄の計画に加担していたメンバーは計画を実行するどころか滅茶苦茶にされてしまったことに暫く放心したまま戻ってこなかった。

しかしずっと放心していたかったであろう彼等を、強制的に仕事に引き戻したのは何を隠そう目の前の導師様である。
僕は間違っていました、と拳を握り、導師権限という大鉈を振るって何とかダアトを存続させようと走り回ったのだ。
当面の目標は被験者イオンのようにふてぶてしい存在になることらしい。
その大鉈を振るってもらったお陰で古い名前を捨て将来教団に人生を捧げることを条件に生かして貰っている身ではあるが、これ以上ふてぶてしくなられても困るというのが本音だったりする。

まぁそのお陰で何とかダアトは存続しているのだが、そのために六神将の面々はろくな休暇も取れないほどの激務に追われることになった。
新たな大詠師の選出に、導師相談役の育成、預言に頼らない教団としての方向転換。
幸い一番ネックであった預言に頼らない教団としての事業転換に関しては、あの人が膨大な資料を書き記していってくれたので、金欠に喘ぎながらも何とか教団は存続している。
導師がいきなり大鉈を振るえたのも、あの人たちがその下地を作ってくれていたというのが大きいから、文句ばかりも言ってられないのが痛いところだ。
ちなみに導師相談役は本来存在しない架空の役職だったのだが、既に各国の代表者たちの前で公言してしまっているので、新たな役職として作らざるを得なかった、という背景もあったりする。

「お陰でアンタを恨む暇も無いよ」

「ふふ、僕はシンクとお茶ができて嬉しいですよ。こんな日が来るなんて思ってもみませんでした」

はぁ、とため息をつきテーブルに肘をつくシンクの姿はお茶の席に相応しくない。
しかしこれはあくまでも私的なお茶会なので、私も導師もそれをあえて指摘せずにカップに口をつける。
しまった、クッキーか何か用意すれば良かったかも。

シンク、今は仮面を外している彼は、最初は非常に荒れていた。
それを宥めたのは他でもない私だ。

あの人が言ったのだ。
未来は自分で掴んで良いと。論師と名乗るのも、いつか私が決めれば良いと。
思い返せばルークさまの警護をする時だって、『しなさい』ではなく『したほうが良いですよ』だった。
そんな風に全ての選択肢を私の手に委ねていた彼女が、たった一つだけ残していった頼みごと。



『というわけで手始めに、そこに居る子供達のお世話をお願いしますね』



ふふ、と笑みを零しながらもののついでのように出た言葉だったけれど。
それでも私はそれを引き受けたかった。
あの人に頼ってばかりだった私に対して、あの人が唯一私に頼んだことだったから。

それでも最初は酷かった。
アリエッタは泣き喚いて自殺しようとするし、シンクは導師を殺そうとするし、アニスは感動のあまり導師に土下座をするしと、みんながみんなあまりにも感情の起伏が激しすぎた。
彼等が落ち着いたのはそれこそ三日後の事で、そこから仲良くなるのに一週間以上かかり、今のように親しくなるのには膨大な努力と根性を要した。

「ねぇ、ボケッとしてないで何か摘めるもの用意してよ。ボククッキー食べたい」

「自分で動こうとは思わないわけ?」

「何でボクが動かなきゃいけないのさ。あんたの方が階級も、階位も下なのに」

「もう、ホント口ばかり達者なんだから!」

それでも今は、こうして軽口を叩ける程度には親しくなっている。
私は彼等を支えられる存在になっているだろうか。
解らないけれど、絶望を知っている彼等が笑ってくれることが答えだと思いたい。

シンクの要望を受けてクッキーを用意した私だったが、こんこんというノックの音にどちら様ですかと声を上げた。
シンクが仮面に手を伸ばすのを横目に身ながらも耳に飛び込んできたのは、アニスとアリエッタの間延びした声だ。
シンクが手を引っ込めるのを見ながら導師とアイコンタクトを取り、入って良いですよと声を上げる。

「こんにちはー。お菓子の差し入れに来たんですけど、いかがですかー?」

「素敵ですね!アニスのお菓子は僕の好物なんです」

「えへへ、褒めてもらっといてなんですけど、今回はアリエッタと作ったのでアタシ一人で作った訳じゃないんです。
それでも大丈夫ですかね?」

「イオンさま、アリエッタ頑張ったから……食べてほしい」

「ちゃんと味見したわけ?頼むから昔みたいな炭か生の二択しかない食べ物は出さないでよ?」

「い、いつの話してるの!?アリエッタだってアニスに教わって頑張ってるんだからっ」

「はいはい。あ、見た目はちゃんとしてるね」

「あー!イオンさまに持ってきたんだから、シンクは先に食べないでっ!」

「アリエッタもだいぶ明るくなったわね」

「導師の執務室で騒ぐな、じゃなくて言うことそれなんだ」

アニスに突っ込まれ、ほのぼのとしている場合じゃないと気付く。
こほんと咳払いをする事でそれを誤魔化した後、アリエッタを宥めて三段プレートに二人の差し入れを綺麗に盛り付ける。
それをテーブルに運べば、なんだかんだ言いつつもシンクもイオンも嬉しそうに手を伸ばした。

「いつもありがとうアニス。貴方のお菓子を食べるとイオン様は本当に嬉しそうな顔をするから、私としても助かるわ」

「えへへ。守護役から外されてもイオン様に何かしてあげたいって思ったのにこれしか思いつかなかったから自信なかったんだけど、ティアにそう言ってもらうと安心するよ」

「ご両親の調子はどう?」

「ん〜、相変わらずかな。でもラルゴ奏将のお陰で騙されることは無くなったから、借金は増えてないっぽい。それだけでも十分な収穫だけどね」

「ラルゴさまは頼りがいがあるものね。アニスも安心して訓練に参加できるんじゃない?」

「まぁね。でもたまに顔を出しには行ってるの。フローリアンの顔も見たいしね」

今アニスは導師守護役の衣装を纏っていない。
元大詠師モースの手駒だったアニスは、自らその役を返上したのだ。
自分は、イオンさまの側にいるのはふさわしくありません、と。

イオン様は黙ってそれを受け入れた。
少し寂しそうだったけれど、アニスがしてきたことを考えればいずれこうなっていたから仕方が無いと、泣きそうな顔で笑っていた。
もう一人の自分が憑依した事で、アニスの中にどんな変化があったは解らない。
けれどアニスは自分の罪を告白して、自分から神託の盾に捕まった。

ただアニスの場合は情状酌量の余地が充分にあったことと、自首したこと、そして大きな犠牲が出ていないことを鑑みて、現在は一から神託の盾としてやり直している。
今は神託の盾兵見習い兼、幼獣のアリエッタの補佐官として日々働いているらしい。

手を繋ぎ合って教団内を歩く二人を見て、イオン様が優しく微笑んでいた。
以前は仲が悪かった二人だが、アリエッタが笑うようになったのはアニスの努力の賜物だ。
これからは良い友人としてやっていけそうですねと笑うイオン様は、心の底から安堵しているように見えた。

ただ私としては、一つだけ疑問があった。タルタロス襲撃に関与していた罪だ。アレだけはダアトだけで裁いて良い件ではない。
しかしこの件に関しては歴史の闇に葬られることになったために、表立った罰則は受けていない、というのを私は知った。
というのも、マルクトとしては導師誘拐、暴動先導を初めとするジェイド・カーティスの罪を表立たせたくない、という思惑があったかららしい。

アニスの罪を暴露すれば、芋づる式にじゃあ何故導師がタルタロスに乗っていたかを説明しなければならなくなる。
幸いタルタロス襲撃も、あの人が手を出したお陰であまり大きな被害は出ていないため、この件はダアト・マルクト了承の元に、歴史の闇に葬られることとなったのである。
示談交渉の場でそう決められたのだと、後ほどイオン様からお聞きした。
その示談交渉の場にあの人が関わっていたというのは……最早何も言うまい。

ただアニスは時折ふっと表情を無くしたかと思うと、泣き出しそうな、物凄く苦しそうな顔をする。
すぐに取り繕ってしまうために気付くのに時間がかかってしまったのだが、大丈夫なの、と声をかけてしまえばアニスは耐え切れずに泣き出した。

自分のせいで死んでしまった人がいるのに、それを罰せられることがない。
それが非常に辛くて、重いというのだ。
どんなカタチであれ罰を与えられない以上、きっとこの先ずっと、この罪の意識を抱えて生きていくしかないのだと。
そう思うと身体が、心が、重くて辛くて仕方が無くて、泣きたくて叫びだしたくて、走り出したくて……死にたくなる。
私に縋りつきながら、アニスはそう言って泣いていた。

私はそんなアニスを慰めることはできなかった。ありふれた言葉しか言えなかった。むしろもらい泣きをして一緒に泣いてただけだったから、鬱陶しかったかもしれない。
私はどんな形であれ罰を与えられたから、アニスの気持ちに寄り添うことはできなかった。

最終的に泣き止んだアニスは、この一生背負うことになる重さがアタシの罰なんだろうねと力なく笑っていたけれど……あの人だったら何か声をかけてあげられたのかもしれないのにと、そう思うと自分のふがいなさに腹が立って仕方が無かった。
アレ以来、アニスが泣くところは見ていない。大抵は笑顔だ。
何も言えない私だけれど、だけど泣く時に縋りつく温もりくらいにはなれるから。
一人で泣かないで欲しいとは、思う。

「ティア〜?眉間に皺寄ってるよ〜?」

「あ、ご、ごめんなさい」

「まーたあの方のこと考えてたの?あの方と自分を比べちゃ駄目だよ。あの方は最早伝説級だから。あたし達とは違うの!比べる方が間違いなんだよ」

いつの間にか、また考え込んでしまっていたらしい。
アニスの言うとおり、あの人と私では比べる方が間違いなのかもしれない。
今だってあの人ならばうまくやっただろうに、ということは非常によくある。

「けどね、アニス……私、いつかあの人に追いつきたいって、そう思うの。
あの人になりたいんじゃなくて、追いつきたい。
そしていつか……いつか、論師って名乗りたいのよ」

「ほえ?論師?」

「そう。あの人が言っていたの。導師が人を導くものならば、論師は言葉で諭す者だって」

「あ〜、なんかあの方にピッタリの称号だね、それ」

「ええ。実際に元の世界ではそう名乗っていたそうよ。
そしてこうも言ってくれたの。いつか論師と名乗ってくれって」

「……ティアが?」

「そうよ?」

「え〜?それは無理じゃない?ティアってすぐ顔に出るし」

「そ、それはそうかもしれないけどっ!あくまでも目標よ、目標っ!」

じゃれあうイオンとシンクとアリエッタを眺めながら、そんな事を話す。
確かに私はあの人みたいにポーカーフェイスもうまくないし、言葉だけで相手を制することも苦手だ。むしろ言い負かされることの方が多い。
現にさっきもシンクにさらっと言い負かされてしまっている。
目標だと言ってはいるが、指摘されてしまうとやっぱ無理なのかな。とちょっとばかり凹んでしまう。
そんな私を慰めるためなのかは解らないが、アニスは少し考えた後まぁティアならできるんじゃない、といってくれた。

「もう、適当に言ってない?」

「違うって。アタシもさ、ティアに救われたから。ティアの言葉はさ、あの方みたいに誰かを言いくるめたり、言い負かしたりするんじゃなくて、誰かを救うのに向いてるんだと思うよ」

「……え?」

「ほら、アタシが思いっきり泣いた時。ティアはさ、一緒に泣いてくれたでしょ?
それでもアタシのことが大好きだって言ってくれて、アタシは凄い救われたよ。
アタシ、ここにいて良いんだって。アタシの全部を知ってる人がアタシを受け入れてくれた。
あたしにとってそれは充分救いだったから。

アリエッタとか、シンクとかもそう。言葉にしないけど、ティアにいっぱい救われてる。
だからあの方みたいになりたいじゃなくて、あの方に追いつきたい、ならティアでも出来ると思うんだ。
優しい言葉で相手を諭せる、そんな論師になれるんじゃないかな」

そう言ってアニスは優しく笑った。
その言葉を聞いてじんわりと目尻が熱くなったかと思うと、ぽろぽろと涙が頬を伝う。
あれ?と思ったときには既に遅くて、まるで壊れた蛇口のように涙が溢れて止まらなかった。

「あーっ!アニスがティア泣かした!」

「リカ、泣いてるんですか?」

「うわ、ホントだ。ちょっと、どうしたのさ」

「え?ちょっ、あたしのせいなの!?」

私の涙に気付いたのだろう。大丈夫ですか?とアリエッタが駆け寄ってくる。
イオン様はきょとんとした顔で私を見た後、すぐにハンカチを探し始める。
シンクはしどろもどろになった後、慌てて私の頬を拭ってくれる。

「ティア、泣かないで。アニスに何かされたの?」

「アタシは何もしてないっつーの!」

「違うの、違うのよ。嬉しいの。嬉しくて、泣いてるのよ」

たくさんの手が私の涙を拭ってくれる。
あの人に頼まれた子供達が、私を慕ってくれている。
それが幸せで。幸せでたまらなくて、涙が止まらない。
たくさんの手に涙を拭われながら、私は何とか嗚咽を飲み込んだ。

ユキエ、遠い世界にいる貴方にこの光景は見えないかしら。
けど貴方のお願いをちゃんと守れていると、私はようやく実感できたの。
この幸せを貴方にも伝えたい。
貴方ほどの語彙力も、言葉のレパートリーも無いけれど、それでも出来うる限りの言葉を尽くして伝えたい。

「全く、うれし泣きとか器用なことしないでよね。心配するじゃないか」

「ふふ、そうですね。というわけでリカ、シンクが心配しますから、次からは予め言ってから泣いてくださいね」

「ちょっと、心配って言うのはほら、言葉の綾だから!てゆーかさり気なく僕のせいにしないでくれる!?」

「シンク、顔真っ赤です」

「イオン様、それはちょっと無茶ってもんじゃないかな〜ってアニスちゃん思います〜」

アニスの間延びした声に思わず笑いが漏れる。にぎやかくて優しい、私が見てきた子供達。
きっと貴方が居たからこそ、今のこの子達の笑顔があるのだと思うと、伝えきれないほどの幸せと共に、同じくらいの感謝をあげたい。

ユキエ、自信はなかったけれど、今だって自信はないけれど、それでも覚悟が出来ました。
私、論師になりたい。

ううん。


私、論師になります!






彼女が論師になることを決めた日






雛様リクエスト、『論師がいなくなった世界でのピクニックティアや六神将達のお話』。
大変お待たせしましたが、いかがでしたか?
非常に説明臭い内容になってしまったことに猛省しておりますが、私としては満足しております。
タイトル通り、今回はティアが論師になることを決めた日のお話でした。
論師が去ってから三ヵ月後のお話になります。

論師に論師を名乗ってといわれて戸惑っていたティアでしたが、守りたいものが出来て、その子達から幸せを教えてもらって、論師になる覚悟を決めました。
ただ作中アニスが言っていた通り、ティアは論師と違って優しい言葉を使うまた違った種類の論師になると思います。
腹黒開花でも面白いと思いますがね。

しかしシンクとアリエッタ以外六神将が出てない。
かろうじてラルゴが引っかかってるくらい……。

えー、こんな小説ではありますが、私は非常に楽しく書きました。
リクエストありがとうございました!



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