エピローグ



夢から覚め、私はぼんやりと目を開けた。
未だにはっきりとしない意識は夢と現の間をさ迷っていたが、朝日を浴びて段々と頭が冴えてくる。

何だか奇妙な夢を見ていた気がする。

そう、仮装をしてオールドラントに居たような…。
ぼやけていく夢の詳細を必死に思い出そうとするものの、意識がはっきりとしていくのに反比例して夢の内容はどんどん指の間をすり抜けていった。
……どんな夢だったっけ?

頭を捻るものの、夢の内容はどんどんぼやけていって最早思い出せそうにない。

暫く布団の中で考え込んでいたが、いつまでもこうしてはいられない。
今日は三人と遊ぶ約束をしているのだ。

本人たちは却下していたが、どうせなら仮装だってさせてやりたい。
となると午前中のうちに買い物を済ませ、午後から家の中で楽しむのが無難だろう。

私はベッドから上半身を起こし、簡易ではあるものの三人に着せる仮装を思い浮かべる。
何故かすんなりと脳裏に浮かぶ三人の仮装姿に笑みを零しつつ着替えを終え、少しだけ髪をとかしてから朝食を作るために部屋を出る。

私の背後で、オレンジの焔が燐と揺れた気がした。

EnD...?


BACK








































知りたいの?










































後悔しても知らないよ?










































以下、ネタバレ。(という名の設定資料集?)
全部のルートを見てから読むことをお勧めします。










































ハロウィンネタ、いかがでしたか?
ちょっぴりしんみりな今回のお話、夢主視点にしたお陰で微妙にギャグちっくでしたが。

昔の知り合いの夢を見たよ、ってだけじゃ終わりません。
というわけでネタバレですよ!


プロローグより
「元々はどっかの宗教が始めたお祭りでね、10月31日には霊界より先祖が現世へと帰還し、同時に悪霊や悪魔達も現世にやってくると思われていたの。
だから仮装をして悪霊や悪魔達を追い払い、先祖たちを迎え入れるって言う儀式だったわけ」


これはどっかで得た知識です。一応wikiで確認しましたが大体合ってました。
即ちハロウィーンとは日本で言うお盆に近い日なんですね。


そして散りばめられたヒントたちです。

イオンルート(フローリアンの台詞抜粋)
「ここはね、教団だよ。でも教団じゃないんだ。ちょっとずつ違うの」
「でもココは優しい人が作った場所だから、大丈夫だよ」
「今晩だけって約束なんだ。だから、またね」


フローリアンの言葉から教団を元に誰かの手によって作られた場所であること、そして時間制限があることが解ります。


シオンルート(アリエッタ・クィーンの台詞抜粋)
「名前…教えてもらったから。それに、ここは夢、ぜんぶゆめ。
だから…だから、アリエッタ、アリエッタのシオン様に会えてる」
「でも、世界を繋ぐ扉が開かれるのは一年に二回だけって言ってた」
「そう。夢を媒介にして世界を繋げる扉を開けばシオン様に会える、そう言われて、アリエッタは世界を作るお手伝い…した」

「『此度はひと時の夢、泡沫の祭り、刹那の逢瀬。今この時は遺恨を忘れ、語らうことを許そう』」
「『許す。ただし森からは出るな』」


次にアリエッタの説明で、夢の世界であることが解ります。
上記のフローリアンの言葉と合わせてまとめてみます。


・ここは誰かの手によって作られた夢の世界である。
・アリエッタもそれを作る手伝いをした。
・ただし世界を繋ぐ扉は一年に二回しか開かない。
・夢を媒介にして一晩だけ世界は繋がれている。

そしてライガ・クィーンの言葉で時間制限があること、ライガが人間に遺恨があることが判明しています。
森から出るなといっているのは、世界がそこで途切れているから。



よかですか?よかですね?
書いてる私も混乱してきましたが、大丈夫ですね?




更に言うならば、
共通事項として教団、ファブレ邸、森の中はそれぞれのルートに登場した人物が一番長い時間を過ごした場所です。
→即ち記憶がはっきりとしていて"自分の世界"として認識しやすい場所であると解ります。
アリエッタと一緒でフローリアンも世界を作るお手伝いをしたのかもしれませんね。

しかしイオンルートにてフローリアンの案内した場所はイオンも知らない場所であり、しかも景色の良さからかなり高い場所に居ることが解ります。
そして廊下の造りから人気の無い場所であることも解ります。しかしフローリアンはそれを知っていました。
→即ちフローリアンのよく知っている場所、長い時間を過ごした場所である。

シオンルートでは現れたライガ・クィーンは人間に遺恨があり、アリエッタは子ライガをタマゴから産まれたばかりと言っています。
しかし原作ではライガ・クィーンは人間に討伐され、タマゴは割れています。
→即ち人間による討伐=遺恨。子ライガは夢の中で生まれた。
時間軸としては既にクィーンたちが死んだ後であるということが解ります。




ここでシンクルートです。

シンクルート(ルークの台詞抜粋)
「そうだ。見えない扉が開く僅かな時間だけ見ることができる夢さ」
「そのまんまだよ。扉が閉まる前にってことさ」


内容がアリエッタと被っているので、ルークの台詞はあまり重要に見えません。

ここで重要なのは、ルークの台詞だけ伝聞でも他人事でもない事です。

フローリアンは「優しい人が作った場所だから」と、作ったのが自分でないことを示し、アリエッタは「名前…教えてもらったから」と、別人の指示を受けたことを示しています。
しかしルークのみ断言しているんですね。
→このことからルークがこの夢の世界を作り上げた人間本人、もしくはそれに近い存在であることが解ります。



それでは、全てをまとめます。

夢の世界はハロウィーンともう一日の、霊界と現世を繋ぐ見えない扉が開く一晩のみ繋げることができる別の世界。
霊界とは当たり前ですが、死後の世界のことです。

即ち登場人物はフローリアンを含め全員死んでいる。

→夢主や緑っ子三人が仮装し夢の世界が飾り立てられているのは、霊界にいる悪魔や悪霊から身を守るため



夢の世界は記憶から形成されているため、フローリアン、アリエッタ、ルークの三人にとって一番縁深い場所。
そして夢の世界には音素がある
記憶を司るのは第七音素。

即ちフローリアンが案内したのは(モースに監禁されていた時)一番長く居た場所である。
(もしかしたら原作後にレプリカが問題になり軟禁されたかもしれませんね??)

→夢の世界を作るのに(記憶から世界を形成しているということは)使用されたのは第七音素。
しかし原作後は音素が極端に減少している上記憶から世界を形成するなど人間業ではない。
→ローレライが関わっているのが解る。


つまりこれらの夢は死んだルークと音譜帯にいるローレライが、緑っ子達が死者と言葉を交わすために見せた夢である。



と、いうことです。

実は本編と繋がっている部分はありますが、ネタバレになるのでそこは省略。
本編と絡み合ったらここか!と思っていただけると幸いです。

さて、どれだけ解りましたか?ヒント少なすぎましたか?
純粋に楽しんだのを台無しにされましたか?
ネタバレを見て疑問が解消されたならば幸いです。

ちなみにもう一日というのは五月一日、メーデーです。
日本では知名度はありませんが、妖精に誘拐されやすい日だそうですよ。
色んな話を読む限り、ハロウィンもまた妖精に関わりの多い日だったりします。

それでは皆さん、はっぴーはろーうぃーん。



2014.10.09


清花

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