第一印象



初めの印象は、強いなぁとだけ。

試験の時にやけに強い鬼が現れて、友人が泣いてたのを見て何も考えずに飛び出して、死んだと思って生まれたことを母に感謝した時だった。

ゆらりと朧気にそこに現れた彼は、やけにゆったりとした動きで柄を握って、次の瞬間には視界から消えていた。

ぽかん、も恥も何もない呆け面を晒していた私に向かって、いともたやすく鬼の首を切った彼はこう言ったのだ。

「今の飛沫、何かに似てるなぁ」

何だったかな、と小首を傾げる彼は見たところ私より年下で、私より何億倍か強かった。

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