帰り道
「せーの」
「「じゃんけんぽん」」
「あ、善逸の負け。」
「またあ?!お前なんかずるいことしてない?俺の思考読むとか」
「人の考えなんて読めるわけないでしょ」
はいじゃあこれ、と善逸に今夜のおかずが沢山入っている買い物袋を
ずいと渡した。
「というかそもそも女の子に荷物持たすなや」
このおばか、と善逸の頭をぼかりと殴ると、善逸がまた大袈裟に嘆いた。
「え〜〜女の子ってもっと優しくて華奢で優しいじゃん。」
「は?」
「スイマセン。」
わざとらしく肩をすくめて渡された荷物をとる善逸にイラっと
しつつ、こいつ置いて行ってやろうかと画策していた時だった。
「にゃあ」
竹林の影からふと姿を現したのは、一匹の三毛猫だった。
「ん、猫だ。」
おいでおいでとしゃがんで呼んでみれば、にゃあともう一鳴きして名前の
膝にすり寄り、ぺろりと指先を舐めた。
「んみぃ」
「あ〜可愛いなぁ。」
三毛猫のあごの下を優しく撫でていると、隣でどさりと物が落ちる音が。
びっくりして手を離した隙に、三毛猫はサッとどこかへ行ってしまった。
「あっ・・・」
名残惜し気な声が出てしまったが、どこかへ行ってしまったのなら仕方ない。
帰ろうか、と善逸に声をかけようとしたところ、足元に落ちた買い物袋と、
こちらに黄色い頭を差し出した善逸がいた。
「・・・善逸?どうしたの?」
驚きのあまり固まっていると、善逸が「ん。」とまた頭を差し出してきた。
「あの、善逸?ん、じゃわかんないんだけど」
「じゃあ、ほら。」
いやいやほらじゃ訳わからんし、って思ったいたけど、いやもしかして。
これ違ってたらどうしようという一抹の不安を抱えながら、恐る恐る善逸の頭に
手を乗せ、ゆっくりと撫でてみる。
「うん。」
「いや、うんって。何?猫に嫉妬でもした?」
まぁそんな事はないだろうなぁと思いながら冗談めかしてそういってみたら、
なんといかにも真面目な口調で「うん。」と返された。
「うそ。」
突然の不意打ちに顔が赤く染まっていくが、ちらりと見えた善逸の耳は
もっと真っ赤になっていた。
ちなみに善逸はさっき買い物袋落として、帰り道赤くなった二人で
道端に転がってしまった野菜を拾ってから帰った。
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