「バーボンが、ベルツリー急行に乗り込んでくる…」


部屋に響く、コナンの声。
それは、狩りのはじまりを意味していた。

…鳥かごに、紛れ込んだ猫によって。




「で、でも、あのツアーって予約が取れないことで有名なんでしょ?もう今週末だし、簡単に手に入れたりできないんじゃないの…」

悪い予想を搔き消すような有希子さんのうわずった声に、沖矢さんはゆっくり口角を上げた。

「奴らは何としてでも手に入れますよ、持ち主を殺してでも、ね」


そう。チケット入手の難易度なんて問題にならない、彼らがそこを狩り場と決めたなら。
だとしたら、対峙させないのが正攻法…

「”彼女”を列車に乗せる前に保護しましょう」
「それだと一時を凌げたとしても、組織に追われ続けることに変わりない」
「だとしても…!」

異を唱える沖矢に、ありすがなおも食い下がったとき。



「ねえ、僕にひとつ考えがあるんだけど――」

それまで口を噤んでいたコナン君が、眼鏡の奥で小さく笑った気がした。
 
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