翌日、ありすは杯土中央病院入院病棟の廊下でFBIと合流していた。
「土門の暗殺計画を阻止するために、ジェイムズ達が水無怜奈に接触。その際水無が転倒事故でFBIにより病院へ搬送。その後発信機と盗聴器に気付いたジン達が毛利小五郎に標的を変更したが…赤井さんが阻止、ですか」
昨日の失態を思い出し、毛利小五郎の強運に感謝しなければ、とありすは唇を噛む。
「それで、その発信機と盗聴器とやらはどうなったんですか?」
「あぁ、それなら赤井君がスナイプして処分したよ」
ジェイムズがそう答えると、ざっと700ヤードってところね。とジョディが付け加える。
「わーお、700ヤード…」
常人とは思えない距離に、700ヤードって何ヤード?なんてくだらないことを考えて、ありすは自分で苦笑する。
「でも、彼らをせめてもう2、3人捕まえることができたら…」
ジョディが残念だという顏をすると、対する赤井さんはニヤリと笑う。
「足を撃ち抜く事もできたが、防弾ジャケット越しに弾をぶち込むだけに止めたよ。下手に足止めして街中で銃撃戦になれば一般人に被害者が出かねなかったし、あの場合、発信機と盗聴器を仕掛けたのはFBIだと奴らに思わせることが最優先…だったんだろ?それにまだ奴らとの糸は、切れたわけじゃない…」
「水無怜奈…」
コードネーム、キール――
赤井が足を止め、扉を開けたその部屋に彼女が横たわっていた。
「命に別状はないが、意識が戻らないらしい」
ジェイムズが険しい顏で告げると、ジョディがそれに答える。
「回復を待つしかなさそうですね、彼女がここに入院している事は伏せてもらっていますし…」
「しかし、アナウンサーが突然消えたらTV局が黙っちゃおるまい」
「大丈夫!あの子がうまくやってくれるらしいから」
ジョディの視線の先には窓の向こう、中庭の見知った少年。
「コナン、君?」
「またあのボウヤか…何者なんだ?」
ありすの疑問が赤井と重なったとき、ジョディの声が響く。
「探偵よ、私のお気に入りのね…」
毛利小五郎の受難
疑わしきは罰する、これが彼らのやりかた